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カテゴリ:天州晴神霊記のエントリー一覧

  • 天州晴神霊記 第九章――7

     その沈黙は、 長くはなかった。 意富美は 公然と顔を上げ、 うつろな目を見据えた。「後戻りは できないのです。 もう一度申し上げる。 陛下は、 天州晴には必要ない。 お気楽に笑っているだけで、 たいしたことはなさっていない」 真正面から弾劾した意富美に、 帝は 真剣なまなざしを向けた。「大神官のくせに、 何も分かっておらぬのだな。 帝の地位にあるとはいえ、 余一人で出来る事には限りがある。 天州晴の何もか...

  • 天州晴神霊記 第九章――6

    「や、 やっちまって、 よ、 よござんすか」 奥殿の中では、 男の一人が ずいと前に出たのを、 意富美が制した。「あわてるな、 斑。 扉は開かぬ。 大神殿の秘儀だ。 手早く終わらせては、 有難味に欠ける。 陛下にお尋ねする。 奇御岳と鬼道門の縁談を、 陛下が取り持ったという話は真ですか」 帝は、 にこりと笑った。「その通りだ。 犬猿の両家が仲良しになれば、 都の不安も消える。 妙案だろ」「まったく、 余計な事ば...

  • 天州晴神霊記 第九章――5

     斎布と志信は、 さっと 二手に分かれてかわし、 後ろから、 尻を蹴り上げたり、 脇腹を突いたりしながら、 ちょこまかと逃げまどった。 幼い頃から、 鳥や獣と一緒になって、 森の中を駆けずり回って育っている。 小回りの良さは 天下一品だ。 神官は、 日頃から修業として体を鍛えている。 体力にも体術にも それなりに自信を持っていた。 しかし、 二人の動きにいらだって、 力ずくでとらえようとしたところを、 もん...

  • 天州晴神霊記 第九章――4

    「阿古屋のことは不憫に思う。 しかし、仇打ちとはやりすぎだ。 余にも思いがけぬ展開だったのだ」 帝は『おっさん』発言を、 聞かなかったことにしてやったようだ。 娘を失った男への気配りだ。 だが、 意富美は、 さらに表情を険しくしただけだった。 取り憑かれたようなかすれた声で、 話すことを止めない。「それだけが理由ではありません。 陛下のような ちゃらんぽらんな方が、 この国の頂に座しておられることに、 ...

  • 天州晴神霊記 第九章――3

     帝は 面白くなさそうに、 口を尖らせた。「大胆な秘儀だな。 余を亡きものにするために、 仕掛けたのか。 はじめの話はどうなった。 阿古屋の恨みを 晴らしてくれるのではなかったのか。 大神官のくせに嘘つきだ」 飄々と応じて、 なじった。「嘘ではありませんぞ。 あれほどに恋焦がれていた娘を、 何故に拒まれた。 迎え入れておられれば、 こんな騒動にはならなかった。 黄泉の国で、 添い遂げられよ」「んーと、 失恋...

  • 天州晴神霊記 第九章――2

     大神殿は 緊張に包まれていた。 ごくひそやかに進んできた行列の到着を待って、 大門の扉が開かれる。 石垣に隔絶された場所は、 都の喧騒を知らぬげに、 静寂が支配していた。 輿から降り立った帝を 大神官が出迎えた。「準備は整いました。 ご案内いたします」 ぞろぞろと後に続こうとしたお供の者たちを、 大神官が制した。「大切な秘儀です。 関係のない者どもが大勢いては、 気が乱れて邪魔になります。 ここから先は...

  • 天州晴神霊記 第九章 大神殿――1

     大神殿から出てきた一行は、 闇夜の中、 二条通りに行きついた。 二四ノ目辻と二五ノ目辻の間にある部分である。 上位の神官らしい貫禄のある人物と、 行燈を下げて 真面目くさった顔をした平の神官。 後ろから、 大男と長身の男が気負いも怯えも無く、 黙々と続いていた。「最終試験だ。 北州神殿からの推薦状にあるように、 まこと妖魔を滅する腕があるかどうか、 確認する。 四郎五郎、 閼伽丸、 用意は良いか」 二人の...

  • 天州晴神霊記 第八章――8

     四郎五郎…… 退魔の剣…… 大男の側近…… 家出……! もしかして 四郎と五郎ではなく、 四郎五郎。 思い出した。 そういえば、 奇御岳の二男は そんな名前だった。「ええーっ」「何を驚いている。 どっちにしろ、 大勢に影響は無い」「あのう、 そういえば、 二郎三郎様は、 生涯不犯の誓いを立てた とかおっしゃっていませんでしたか」「どうせ 実質の伴わぬ婚儀じゃ。 世間は不犯の誓いなど知らぬこと。 名目だけなら、 二郎三郎...

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