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ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−18


「そうだわよ。 映像記録にしたって 全部壊すことは不可能でしょ。
 巷(ちまた)に 恐ろしい数が出回っているんでしょうから。
 それに、記録を全部破壊したとしても、
 また撮影すれば良いだけの話じゃないの。
 本人が居るんだから やるだけ無駄よ」
 加太和布先生も むっとしている。

「でも条件に当てはまるのは、今のところ彼だけですよ。
 他に今評判になっているのは 実力派ばかりですし」
 平題箭記者が 自信ありげに断言した。
 全員が事の重大さに、黙って目を見合わせた。

 警部が やっと口を開く。
「もしも 我々の推理が当って、次に狙われるのが玉輝美童だとしたら、
 今までとは違う展開になるでしょう。
 彼は 始めから演技力なんてないし、声も酷いし、
 取り柄は 見た目の美しさだけです」
 見事に きっぱりと言い切った。

 星来が続ける。
「狙うとしたら 本人の美貌しかありえない。
 殺さないまでも、顔を壊すしかないだろうな」
「傷害事件…… 一歩間違えれば 殺人事件になっちゃうってこと。
 あたしたちの推理が間違っていれば良いけど、
 放っておくわけにもいかないわね。
 クリちゃん、
 念のために、彼の仕事の予定を調べて 護衛をつけたほうが良いんじゃない」

 話の途中から すでに電話を手にしていた平題箭さんが、
 てきぱきと報告する。
「今日は休みだそうよ。
 新作映画が明日封切りだから、
 普通なら 宣伝活動とかで忙しいところだけど、
 彼は インタビューも トーク番組も バラエティも一切出ないからね。
 神秘の国の王子さま路線で売る と所属会社では言っている。
 住まいも私生活も一切極秘扱いで、私たちもつかめないでいるのだけど、
 記者仲間の噂では、しゃべらせると オバカ発言しか出来ないので、
 生で人前に出さないんじゃなくて、出せないんだって話よ」

「そんなこと 私たちにばらしていいんですか。
 営業妨害なのでは」
 心配になった。
「書かなきゃ大丈夫よ。 あくまで噂だから。
 明日は めったにないことだけど 出てくるわ。
 初日の舞台挨拶で 三軒の映画館を回るらしいけど、
 本当に 棒読みの挨拶しかしないわよ。 いつもそう」

「分かりました。 しばらく護衛を付けましょう。
 今から中止には出来ないでしょうし」
 達磨坂警部は そそくさと出て行った。
 平題箭さんは 未練がましく火梛を見て、
 散々迷った挙句に、後を追うように出て行った。
 仕事を優先したらしい。

        第四章に続く


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