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ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−16


「カダメちゃん、居る?」
 突然やってきたのは達磨坂警部だった。

「あら、クリちゃん。 暇なの」
「暇ではありません。 しかし手詰まりなのです。
 知恵を借りようと思いまして」
「貸せるものなら貸しても良いけど、
 部外者に ぺらぺらしゃべってもいいのかしら」

 警部は その場の人間を見渡して、
「皆さんなら大丈夫です。
 一連の事件の繋がりが分からないのです。
 被害者は全員無関係でした」

「そうねえ、頑張ったのに失敗作、
 どー考えても はた迷惑、
 大きい顔した贋物、
 背伸びしすぎて インチキバレバレ、
 手抜きするのも いい加減にしとけば、
 みたいな いかがわしいものばかりが やれているわね。
 目障りなものをきれいにしてくれて、事件のおかげで さっぱりしたわ。
 全部に関係しているのは、
 世の中から無くなっても あんまり惜しくないという点かしら。
 もちろん、だからといって 勝手に壊してもいいとは言えないけれど」

「真秀良では、失敗作や贋物やインチキは数少ないのか」
 火梛が聞いた。
「そんなことないわよ。 失敗作なんて ごろごろしてるわ。
 画材の無駄使い以外の何物でもないような物も 珍しくないし、
 残念ながら贋物も多い。
 レゾネにも載っていない珍しい作品です と言って売り込んできた、
 大胆不敵な詐欺師もいたわね」
 うむう、人間のくせに狸を騙そうとするとは、確かに大胆不敵だ。
「レゾネとは何だ」
「一人の画家の 生涯にわたる全作品を詳しく纏めたもの。
 真贋判定の資料にする。
 レゾネに載っていない作品は、即、贋作だな」
 火梛の疑問に、すかさず星来が答える。
 楽でいい。

「たくさんあるなら、コメダワラの切れ端では足りるまい」
「そこです。
 関連がそこだけでは、犯行にきりがない。
 しかし 行き当たりばったりの犯行ではありません。
 証拠も残していませんし、とても計画的です。
 はっきりとした意志を感じます。
 それ以外の理由が あるはずなのです」
 達磨坂警部が、疲れきった声で頭を抱えた。

「……ヤキモチだったりして……」
 ポロリと言ってしまった。


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