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ずぼらなユン、やぶれかぶれ 2−12


「はい、そこどいて下さい。 危険です」
 消防士さんに邪険に追い払われ、
 安全地帯に移動しながら考えた。

「えーと 、私が窮地に陥って、助けを求めたわけです。
 心の底から叫んだら 貴方が現われて命を救ってくれた。
 と、こういう訳です。 はい」
 それ以外に説明のしようがない。
 だって 私だって聞きたいくらいだ。
「貴方は どうやって来たんですか」
 聞いちゃった。

「わが国の行く末を案じながら、
 城の櫓(やぐら)のてっぺんから 国を眺めていた。
 気が付いたら、 おまえを助ける羽目になっていた。
 ここは物騒な所だな。 いったい何処だ」
「真秀良国の首都、 胡枇の町です。
 普段は 全然物騒じゃありません。
 あれは、たまたま事故が続いただけで、 いつもは平和な町です」

「……よく分からぬ。 シュトとは何だ。
 マホラ国とは、ゴビとは 何処に位置する」
「うわあ、本格的だ。 首都は都です。
 えーと、 胡枇は真秀良国の南に位置する 新しい都なわけで、
 えーと」

 火梛は あれやこれやと聞いて来る。
「あの鎧武者たちは 如何(いか)なる者たちだ」
「消防士です。 火事を消すのがお仕事。
 鎧、もとい、防護服は 火から身を守る為で、 燃えないようにできてます」
「戦装束(いくさしょうぞく)ではないのか」
「へっ?  戦なんて 真秀良じゃ二百年以上やってないよ。
 その前も相当長い間 戦なんてものはやってないと思う。
 とびっきり平和な国だから安心して」

 はじめの内は、なんとか真面目に答えていたけど、
 だんだん面倒くさいのとあほらしいので、 いいかげんになってしまった。
 何を聞かれて、どう答えたのか覚えていない。
 城の櫓とやらには、どうやって帰したもんだろうか。
 『さようなら』 と一言言えば 消えることは知っているけど、
 それでは 根本的な解決にはならない気がする。
 治せるものなら治したいが、
 せめて 病院には ちゃんと説明して帰してあげたい。

 避難していた みんなと合流すると、
 加太和布先生以外の十人が、火梛の美貌に呆然とした。
 そんなこんなで、 消防と警察からの事情聴取で 午後はつぶれた。
 危うく 火梛も事情聴取を受けそうになったが、 なんとか阻止。
「あの人は 私の知り合いなんです。
 体力だけはあるので、 鈴木さんを運ぶのを手伝ってもらいましたが、
 頭が普通じゃないので 聞くだけ無駄です」
「あなたより賢そうにみえますが。
 お名前を聞かせてもらえますか」
「麻本呂婆王国の王子、 火梛だ」
「…… ありがとうございました。
 お気の毒に……」


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コメント
2753: by 椿 on 2015/01/07 at 20:11:14

謎のイケメンさんの名前が判明したと思ったら、この扱い(笑) カワイソウに(^_^;)
しかし、このファンタジー現象どうなっていくのでしょうか。続きを楽しみにしております♪

2754:Re: 椿様 by しのぶもじずり on 2015/01/07 at 23:02:38 (コメント編集)

ほんとにねえ、かわいそう(笑)
やっとファンタジー風味になってくれたようです。
まだまだ事件はこれからだ!

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