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ずぼらなユン、やぶれかぶれ 2−4


「でも、 もててる感じが全然しないんだけど」
「もてるというのとは 少し違うと思うが、 ……ごめん。
 子どもの頃から ユンを独り占めしたくて、
 近づいてくる奴らを こっそりと追い払っていた。
 あまりに無防備で、 誰にでもホイホイと付いて行きそうだったしな。
 知り合いの中では、 ユンは私のものだ という噂が定着している」
 吃驚した。
 もちろん知らなかった。

 星来は大好きだけど、
 私が星来のものって、 ど、ど、ど、どーゆー意味だろう。
 もしかして、 お年頃だというのに 男の子からの誘いが一切無いのは、
 そういう事情なのか。
 いやいや、 他人のせいにばかりにはできない。
 どう贔屓(ひいき)目に見ても 私に色気があるとは思えない。
 自己責任もきっとある。

 混乱して、 嬉しいのか嬉しくないのか さっぱり分からない妙な気分に、
 焦って顔が火照ってくる。
 きっと赤くなってるに違いない。 恥ずかしい。
 ちらりと横を見ると、 珍しいことに星来も赤くなっていた。
 本当にどーゆーこと?  教えて! 

 もしかして 胡枇芸に入学したのも私のせい? 
 同じ大学になって単純に喜んでいたけど、
 成績優秀で 何でもそつなくこなしてしまう星来が、
 よりにもよって 胡枇芸に来たことを、
 なんとなく おかしいとは思っていたのだ。

「神出鬼没の 謎の美青年も、
 ユンの摩訶不思議な能力に引き寄せられたのではないか
 という気がしてきたのだ。
 あれから半月近くが経つ。
 知り合いに聞いたら、
 平題箭は 特ダネをいくつもものにしている優秀な記者らしい。
 鼻が利くし、 情報集めも天才的だという。
 調べていないはずが無い。
 それでも 今日ユンに張り付いてきたということは、
 他には無い 前代未聞の特異な現象なんだろうと思う」

 そりゃあね、 普通じゃないことは確かだけど、
 摩訶不思議な能力っていわれても ピンとこない。
「もう出て来ないと思う。
 だってさ、 とんでもなく危ない目に遭った時に出てきたんだよ。
 あんなことは そうそう起こるもんじゃない。
 平々凡々な学生生活を送る 一女子大生の生活に、
 物語に出てくるような勇者の出番はないよ」

「………………」
 星来が 難しい顔をして考え込んでしまった。
「どうしたの?」
「…………まさかな ……いくらなんでも
 …………んんんんん」
 星来にも悩みがあるのだろうか。
 私じゃ頼りにならないけど、
 相談してくれたら 話くらいは聞いてあげられるのに。

「平題箭だって、 ちゃんと社会生活を送っている常識ある大人のはずだ。
 大丈夫だろう。
 …………ユン、 念のためだ、 危険なことには近づくな。
 気をつけて。 きっとだよ」

 あれっ、 私を心配してくれていたんだ。
「うん、 分かってるって。
 飛び降り自殺の希望者には 不用意に声をかけない。
 達磨坂の空走車には もう乗らない」
「その他諸々もだ」
「はーい、 虚維弓月、 危ないことには一切関わりませーん」
 元気に手を挙げて宣言したら、 やっと星来がにっこりしてくれた。

 なんてきれいな笑顔なんだろう。
 優しそうで、 天使か女神のようだ。



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コメント
2692: by 椿 on 2014/12/15 at 19:03:35

百合要素(^o^) ←違うか
星来ちゃんの目から見たユンちゃん、面白いです。
やっぱり、ユンちゃんも魅力ある女の子なんですね。
謎のイケメンが次に登場する時には何が起こるのか。

本当、この話大好きです!

2693:Re: 椿様 by しのぶもじずり on 2014/12/16 at 10:43:01 (コメント編集)

うふふ、ちょっと百合ってみました。

面白いと言っていただけると、うれしくてやる気が出ます。
ありがとうございます。

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