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ずぼらなユン、やぶれかぶれ 1-16

「大きさや重さは どのくらいですか」
「一人で持ち運びが出来ます。
 教授は 変なところに凝り性で、
 実験用の試作品だというのに、 機能的で小型に納めてあり、
 扱いやすく出来ています」
 達磨坂の質問に、 助手は 両手を肩幅より少し広めに上げた。

 しばらくやり取りを聞いているうちに、 だんだん話が見えてきた。
 コメダワラ作品を調べたところ、 驚異的にきれいな切り口から、
 ここで開発中だった 超高周波切断機 と判明したらしい。
 開発中といっても ほとんど出来上がっていて、 重要な部分の特許は申請済み。
 後は 細かい最終資料を確認するだけだったとのこと。
 それが先旬盗まれていた。

「形と使い方を説明してもらえますか」
 達磨坂の問いに、 助手は用意してあった写真を出して説明し始めた。
「超高周波が発射されるのは この部分です。
 対象物は ここに設置して、 切り取る形や大きさなどの作業手順を ここから入力します。
 これは実験用の小型形態ですから、 切り取れる大きさは五寸四方以内。
 操作は難しくありません」

「あらあ、 本当にこれなの。 もっと大きく切られてたわよ。
 何回にも分けて切ったら、 いちいち入力が面倒で 相当時間がかかるわよ。
 だからって 機械を固定してある台座ごと持ち上げて動かすのは 危険じゃない。
 無理なんじゃないの」
「でも切り口を調べた結果、 この機械のものと完全に一致しました。
 凹凸のある金属とあの塗料ともに 損傷を与えずに、 あれだけきれいに切断できるものは、
 そもそも 他にないそうです。
 我々も悩んでいるのですが 他に考えられません。」

「はーい、 先生」
 私は景気良く手を挙げた。
 授業中には めったに無いことだ。
 正直に言おう。 一度もない。
「手洗いは 休み時間に行っておきなさいよ」
「違います。 はい、はい、はーい」
「言ってごらん」
「製材所の電気鋸…… うーん、 あっ、 縫製機(ミシン)です」
「どっち」
「えーと、 縫製機でいいです。
 縫製機の針は 同じ場所で上下に動いてるだけだけど、
 布のほうを動かせば 大きな物だって縫えます。
 うちの母はそうやってます」
「言いたいことは分かった。
 絵のほうを動かせばいい と言いたいのね。
 ふん、 あんたにしては上出来だわ。
 ずぼらで大雑把な発想が 珍しく役に立ったわね。
 …… でもね、 縫製機は 誰でもそうやって使うものよ。
 虚維んとこのお母さんだけじゃないから」


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コメント
2674:管理人のみ閲覧できます by on 2014/12/03 at 18:59:15

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2675:Re: 鍵コメS様 by しのぶもじずり on 2014/12/05 at 10:47:50

了解しました。

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