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ずぼらなユン、やぶれかぶれ 1-13

「ユンは人命救助をした訳だけど、 これは取材なの? 
 美青年に関しては証拠が無いから、 そっちは記事にならないだろう」
 星来が おかしなことを言った。

「えっ、 私は助けられた側だよ。 助けたんじゃないよ」
「自殺志願者を思いとどまらせたじゃないか」
「ええーっ、 自殺?  そうだったのか。
 もっとちゃんと説得しなきゃいけなかったんだあ。
 しまったなあ」
「大丈夫、 死にたくないって言ったのだろう。
 もうそんな気はなくなっているはずだ。 大手柄だったね」
 よく分からないが 大手柄だったらしい。

「ソ・ラ・イちゃん。 変な騒ぎに巻き込まれたって聞いたけど、 大丈夫なの」
 顔見知りの先輩が 嬉しそうに声をかけてきた。
「はい、大丈夫です。問題ありません」
 元気に答えた。
 次々と通りすがりの人たちが声をかけていく。
「あっ、 ユンちゃん生きてる生きてる。 よかった」
「虚維さん、 空中曲芸を披露したんですって。 見たかったわ」
「虚維、 幽霊にとり憑かれているって本当か。
 今度出たら 俺を呼べ。 モデルを頼みたい。
 存在感のある幽霊を描きたいんだ。 よろしく」
 存在感のある幽霊 という言葉に矛盾を感じるのは、 気のせいだろうか。
 そんなこんなで 平題箭さんは はじき出され、
 楽しい昼食時間へと なだれ込んでいったのだった。

「ユンて呼ぶ人が、 少しずつ増えている気がする。
 加太和布先生にも呼ばれたし」
 星来がくすりと笑った。
 はじめにそう呼んだのは 星来だった。
 何故ユンになったのかを知っているのは彼女だけだ。
 どうやら 他の人には言わないでくれているらしい。
 それなら ユンでもいいかな。

「ユンが心配だな。 気をつけなさい。
 付けまわされるかもしれない」
 星来がきれいな眉をひそめた。
「幽霊に?」
「猟犬に」

 そうかなあ。
 星白屋事件の内容が発表されれば、 きっと大騒ぎになる。
 記者なら忙しくなるだろう。
 仕事そっちのけで 美青年を追っている場合じゃなくなる と思うんだけど。
 星来にだけは、 こっそりと教えることにした。



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