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ずぼらなユン、やぶれかぶれ 1-9

「何処か 寝かせられる場所は?」
「保健室」
 胡美芸には 舞踊学科があり、
 一番の目玉だったりするので、 保険体育の先生が常駐している。
 舞踊学科の必修なのだ。
 その先生の研究室だったはずが、
 需要に応えて いつのまにか保健室と化していた。
 今では 寝台はもちろん、 一通りの薬まで取り揃っている。
 誰も研究室とは呼ばなくなって久しい。

 両側から支えて 鈴木さんを運んでいると、
 途中で 星来とばったり出会い、 手伝ってくれた。
 授業は どうしたんだろう。

 鈴木さんを寝台に寝かせたところで、 女がおもむろに態度を変えた。
「消えたわよね。 あの男(ひと)は何者なの。
 名画から抜け出たような 美しくも妖しい男は。
 教えてもらえるわよね。
 あんたみたいなケツの青いお子様に 独り占めはさせないわよ」
 両手を腰に当てて、 理不尽にも睨みつけてくる。

 名画から抜け出たような、 とは 上手い表現だ。
 確かに 現実離れした感じがある。
 胡枇に首都を移転する前まで 都だった于鉧(うけら)、
 そこに残る 于鉧城の奥深く、
 ひっそりと飾られた 大昔の肖像画に描かれた人物のようだ。
 着ているものも、 まるで時代劇みたいに古臭い。

 近頃は 懐古趣味に走り、 極々たまには あんな格好をしている人が居ないわけではない。
 彼も そんな類(たぐい)の 奇人の一人なのだろうか。
 それにしては迫真の演技だ。 迫力がありすぎるような気がする。

「さあ、 誰なんでしょう」
「とぼけても無駄よ。 白状するまで食らい付くわ」
「本当に知らないし、 私のお尻は 青くないです」
「いい度胸をしているわね。 私を相手にとぼけ通そうなんて」

 ただならぬ気迫に困っていると、
 いつものように 星来が助けに出てくれた。
「どなたか知りませんが、
 この子は、 知っていて上手にシラを切るなんて 器用な真似の出来る子じゃないです」
「それなら知っていることだけでいいわ、 話して頂戴」
 敵は スッポン並みに食い下がってきた。



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