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姫様爆走中 3

 気づかれるほど近くに行かなくても 盗み聞きができる能力を生かして、
 すっかり事情を把握した丙姫は、 敢然として立ち上がった。
「けしからん」

「何が起こったのですか。 私たちにも教えてくださいな」
「気になりますう」
 小梅と小菊にせがまれて、
 丙姫は 気前よく盗み聞きの成果を披露した。
「各地を荒らしまわっておった凶悪犯が、
 役人に追われ、 我らが領地に逃げ込んだらしい」
「きゃあ、 こわ~い」
「甲姫様の門出だというのに、 面倒ですね」

「そうなのじゃ。 わらわは、 心おきなく祝いの歌を歌いたい。
 皆の拍手喝采を 憂いなく浴びたい。
 どこぞの凶悪犯などに 台無しにされてたまるものか。
 さっさととっ捕まえてやるわ。 うあっはっはっは」
「ま、まさか姫様が、 御自ら とっ捕まえる気ではないでしょうね」
「誰かが捕まえますでしょ」
 小菊と小梅は、 一応止めようとした。

「いや、 人任せには出来ぬ。
 心配で、 音をはずかもしれない」
「たいして変わらないと思いますが」
「はい~」
 小梅と小菊が、 火に油を注いだ。
「戦闘準備じゃ。
 祝言の宴が始まるまでに、 片付けるわよ」
「でもう、 どうやって探すのですかあ~。
 領内を くまなく探されますかあ~」

 丙姫は、 人差し指を立て、 得意そうに細かく振った。
「チチチチ、 自慢じゃないけど、 我が九十谷の領地は、 たいそう狭い。
 その上、 険しい山と谷ばかりじゃ。
 凶悪犯といえども、 足を踏み入れることができる場所は限られる。
 そうは思わぬか。 速攻逮捕じゃ」
 丙姫は 裾を跳ね上げ、 勢いよく走りだした。
 言い出したら、 もう止まらない。
 二人の腰元は 追いかけるでもなく、 どこかに行ってしまった。
 野放しである。



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コメント
2500: by 小奈鳩ユウ on 2014/09/19 at 22:20:37 (コメント編集)

はじめまして(^_^)

面白く読ませて頂いています♪
周囲の丙姫への扱い、いいですねw

剛手が ごーごーがーがー とやって
誰かの具合がよくなる?のも楽しみですw
(もう、17日から剛手のくだりを拾いたくてウズウズしてましたw どなたも拾わないのでw)

2501:Re: 小奈鳩ユウ様 by しのぶもじずり on 2014/09/20 at 08:59:19 (コメント編集)

いらっしゃいませ。うれしいです。

宮澤先生ごめんなさい(スライディング土下座)
ゴーシュもとい、剛手も登場予定です。
スケジュール 入ってます。
ごめんなさい♪♪♪♬♩
今はそれしか言えません。

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