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私の文章修業 12

<描写>

 説明ではなく、 描写しよう。
 説明文は 面白くありません。
 製品取扱説明書は、 箇条書きにしたり、 図を使ったり、
 色を使ったりして 読みやすいように工夫してあります。
 字だけで びっしり書いてあったら、 おそらく、読む気にもならないと思います。
 貴重な論文なら、 面白くなくても 頑張って読んでくれる人は居るでしょうが、
 物語は、 読みやすく面白くなければ なかなか読んでもらえません。

 また、 説明文が長々と続くと、 物語は止まってしまいます。
 近頃のアニメで、 登場人物が長々と説明したりするものがあります。
 アニメなら 絵を動かせるので、 止まっていることが気にならないかもしれませんが、
 文章だけだと、 明らかに止まってしまうか、 少なくとも流れが悪くなります。
 ミステリーで、 探偵が謎解きするシーンは、
 事件が次々に起こるシーンよりも、 動きが少ない分、
 飽きずに読んでもらうのは 難しそうです。

 【天気は晴れ、 空気は乾燥している】
 これはこれで 使い方がありますが、
 【洗濯物は すっかり乾いて、 日差しの中で揺れている】
 だと、 生活感があり、 風がある事まで分かっちゃいます。
 揺れているのが 鯉のぼりなら、 季節は五月の初めごろ。
 カーテンなら、 室内。
 大漁旗なら、 海の上。
 そういう事まで さりげなく提示できます。
 しかも、 雰囲気まで醸し出せます。

 描写することで、 背景を 芝居の書きわりではなく、
 演技のできる名脇役として 使うことができるのです。
 雨や風や雷のような 自然現象にも、 良い仕事をしてもらいましょう。

 もちろん、 登場人物にも 良い演技をしてもらいたい。
 【驚いた】よりも、
 【目をぱちぱちさせた】【眼を見開いた】【体をのけぞらせた】【腰を抜かした】の方が、
 驚き具合まで解ります。
 【へたり込んで身動きしない】【まるでマネキン人形のように固まった】
 【あたふたと駆けまわった】【跳びあがった】【大声で叫んだ】
 驚き方も いろいろです。
 人物の性格まで 描写できます。
 逆に描写の中に、 【少しだけ驚いた】というように、 ぽーんと説明を入れると、
 冷静な感じが際立つんじゃないでしょうか。

 安易な形容詞で片づけないこと。
 もちろん、 片付けてもいい場合があるけど、
 ここぞという時は、 描写によってイメージさせよう。
 【きれいな花が咲いていた】 という状況を、
 どのように描写したら 具体的にイメージしてもらえるかを考えよう。
 色や匂いや、 吹いている風や、 景色なんかが分かるように、
 言葉によるコラージュで 浮かび上がらせてみよう。
 読者にイメージさせ、 感情までも喚起できれば 上等です。

 描写が上手い人が書いたものを読むと、
 全く知らない競技の試合でも、 手に汗握って読めたりします。
 知らない世界が、 イメージとして 目の前に広がるのです。
 試合が進むにつれて、 ポイントごとに ちょっとした説明があれば、
 前もっての詳しいルール説明など、 むしろ要らないのです。
 だらだらと競技の説明をされた時点で、 読者は飽きてしまいます。
 物語ではなく、 競技そのものに興味を持ったのなら、
 専門のルールブックを捜すでしょう。

 読者は 作者よりも頭が良い と思ったほうが良い。
 道理や理屈で勝負しても しょうがない。
 作者が勝負するべきは、 物語から想起される情動です。
 ときめきです。
 くだらない説明にページを割くのは やめましょう。

 女が何をした。
 その女はどんな人生を送ってきた女で、 どういう状態にある。
 男はどう言った。
 男はこれから何々をすることを考えていた。
 みたいな状況だけをただ説明しても、 面白くないのです。
 描写をすることで、 登場人物が、 物語の中で 生き生きと動き、
 その人生を生きなくては つまらないのです。

 描写力を養うには、 観察でしょうね。
 人間も世界も面白いです。
 気が向いたら、 言葉でスケッチしてみるのも面白いかも。
 絵を見たり、 音楽を聞いたりして、 言葉でどう描写するかを考えるのとかも。
 上手く描写できれば、 「あるある」 と面白がってもらえたり、
 「言われてみればそうかも」 「ええーっ、そんなことが!」
 と 楽しんでもらえたりできると思います。

 偉そーに書いちゃいましたよ。 ど~しましょう。
 修業じゃ、 修業じゃ。


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