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赤瑪瑙奇譚 第六章――10



 メドリは ホジロが泊まっている宿に 行った。
 何かと物騒なことが続いているので、 念のために こっそりと忍び込む。
 覆面姿は 出来るだけ 人目にさらしたくはなかった。

 ホジロから ユキアが助けに現れた経緯を聞いて、
「ホジロさんて、 ぼうっとしているだけかと思ったら、 存外頼りになることもあるのですね」
 と言って、 メドリが、褒めた(?)

「あ、 ありがとう」
「そこで、 もう一つ お願いがあるのですが、 侍女の衣装を なんとか出来ませんでしょうか。
 あんなことがあったので、 迎賓館の警備が ますます厳しくなっていると思います。
 この姿では 帰れません」

「確かにそうだろうね。 分かった。 僕が ユキアのところに行って 貰ってくるよ。
 ところで噂は聞いた?  町中 すごい勢いで 広がってるよ」

「どんな噂か 知りませんけど、 そんなことより 早く衣装のほうを お願いします」
 緊急事態だというのに、 町の噂話を始めようとするホジロを、 メドリは ぎろりと睨んだ。
 頼りになると思ったのは、 勘違いだったに違いない と思いなおした。

「いいのかなあ、 ユキア姫の噂だよ」
 ホジロは、 めげずに呑気だ。

「ええーっ、 姫様の事なら、 何でも報告してくれなくては困ります。 勿体つけずに 早く教えてください」
 一転、 メドリは ホジロに詰め寄った。

 聞こうとしなかったのは そっちじゃないか、 とぶつぶつ言いながらも、 素直に話し出す ホジロだった。
「姫と コクウの第三王子 ツクヨリ殿下が、 相思相愛だって。
 馬に二人乗りして、 町中を道行してたって 大騒ぎさ。
 結婚するんじゃないか とまで言われてるよ」

「そんな馬鹿な……」
「ねっ、 ビックリだろ」
「……………………」
 メドリは、 開いた口が ふさがらない。

「これは早く対処しないと、 思った以上に 面倒なことになりかねないよ。
 噂って 尾ひれがついてくるから、 どんどんややこしいことに なるかもしれない。
 両国の計画に ケチがつく」

 弟の想い人を 兄が奪った などということにでもなれば、 花火どころではない。
 それなら、 結婚しないほうがましだ。

 そもそも、 第三王子との婚姻など ありえない。
 これは紛れもなく、 国と国との 政略なのだ。

 もしも、 ツクヨリが 皇太子にでもなれば、 話は別だが……。


                                 第七章につづく


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コメント
195: by ポール・ブリッツ on 2012/06/23 at 15:57:37 (コメント編集)

ツクヨミが真の黒幕だったら、ユキア姫がすらりと剣を抜き、悪党の額に「Z」の印を……って、「快傑ゾロ」じゃないですね(^^;)

これからが楽しみです。がんばれいいものチーム!

196:Re: ポール・ブリッツ様 by しのぶもじずり on 2012/06/23 at 16:26:44 (コメント編集)

やっぱり「ツクヨミ」って読んじゃいますよねぇ。
いまさら変えられないし、ツクヨリ君、どうしましょ。

> これからが楽しみです。がんばれいいものチーム!
なるほど、個人プレイがあんま無いか。チームですね。いまさら(^^ゞ

197: by 十二月一日 晩冬 on 2012/06/23 at 17:14:14

確かに花火どころじゃないですねww

ツクヨリさん来ますか、来ますか・・・そして7章へ
引きが絶妙です

198:Re: 十二月一日 晩冬様 by しのぶもじずり on 2012/06/23 at 18:31:33 (コメント編集)

晩冬さんのところのように ミステリーじゃないので、
わりと犯人は すぐに分かってしまいます。
これから ファンタジーっぽくなってきますよ。(やっとかよ)

3285: by 椿 on 2015/11/10 at 20:54:29

国際関係だけでなく、継承権争いも絡んでいるようですね。
ユンちゃんがどう泳ぎ切っていくか、楽しみです。

3286:Re: 椿様 by しのぶもじずり on 2015/11/11 at 19:00:35 (コメント編集)

あんまりややこしいことには なっていないと思います。
椿さんのとこみたいに、きっちりとミステリーにはなっていない気がします。
ミステリーを書くのは難しいっすよね。
でも、謎は欲しい。う〜む。

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