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赤瑪瑙奇譚 第六章――4



「参りました。 予想もしない事ばかりが こうも立て続けに起きるとは……。
 まさか ユキア姫が さらわれるなど おかしすぎます。
 今、 マホロバを怒らせては、 奴らにとっても困るはず。
 姫に 万が一の事があれば、
 マホロバどころか、 同盟を結んでいる国々までもが ここを先途と攻め入ってくるのは確実。
 我が国など あっという間に 消え去ります」

「ウガヤ、 もしもの時は、 必ずや下手人を捕らえ、
 その首と一緒に、 我が首を マホロバに差し出せ」
「殿下!」
「何が目的かは知らぬが、 おそらく、 そうはなるまい。
 敵が それほど愚かな行為に走るとも思えぬ。
 私も死にたくはないから、 なんとしても 姫を救い出す」

 二人の会話を盗み聞いたユキアは、 額を押さえた。
 メドリが さらわれた。 それしか考えられない。

 気配を隠したままで 探りを入れていくうちに、 全貌が分かってきた。

 夕暮れも間近に迫るころ、 マホロバから来たという 三人の男たちが、 一つの大きな櫃(ひつ)を担いで来た。
 ユキア姫の滞在に必要な 追加の荷物を 運んで来た と言ったらしい。
 しばらく後に、 同じ櫃を 持って出ようとしたので、
 せっかく持ってきた物を 持ち帰るのか と聞いたところ、
 不用になったものを 先に返すのだと言い、 出て行ったと言う。

 おそらく、 その中に 閉じ込められていたのだろう。
 はじめから荷物は 余分に持ってきている。
 追加の必要は 全く無いし、 予定も無い。

 ユキアが出て行けば、 皆は安心するだろうが、 偽者と知られては、 メドリの命が危ない。
 ウガヤが言うように、 ユキアは 簡単には殺せないはずだ。
 ユキアだと思わせておくほうが 安全だろう。
 迎賓館を出て 櫃の行方を追うことにした。

 しかし、 何処を探せばいいのだろう。
 城下では 物流も盛んになってきたようで 、町中を行く 荷車や荷馬車は 珍しくない。
 その中から たった一つの櫃を追うことが 出来るだろうか。

「メドリ、 ごめんなさい。 でも 絶対に助けるからね」
 呟いて、ホジロの居る宿に向かった。


「ねえ、 わたしを さらって隠すとしたら、 何処が いいかしら」


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コメント
166:管理人のみ閲覧できます by on 2012/06/15 at 23:08:23

このコメントは管理人のみ閲覧できます

168:Re: 鍵コメP様 by しのぶもじずり on 2012/06/16 at 00:10:00 (コメント編集)

手紙ではないですから、この場合は無理です。
おとなしく言う事を聞きませんし。

鍵コメさんが何を書いたか、推理してもらいましょうか。

170: by lime on 2012/06/16 at 02:49:05 (コメント編集)

波乱につぐ波乱・・・。
メドリを無事に助けだせるといいんですが。
でも、冷静に推理するユキアは頼もしいです。
(カムライは、活躍するのでしょうか。)

現代版で、ユキアの推理物・・・とか、見たくなりました。

171:Re: lime様 by しのぶもじずり on 2012/06/16 at 11:32:59 (コメント編集)

推理小説を読むのは大好きですが、トリックとか自分では思いつきません。
一時期、時刻表をみるのを趣味にしていたことがありますが、アリバイトリックなんて、頭の片隅にも浮かびませんでした。各駅で、始発から最終列車まででどこまで行けるか、とかアホなことに費やしてました。
氷に毒を仕込むより、面白い氷やアイスキャンディーを作ることにしか興味が向かいません。
lime様のようにはいきませんて。
推理小説は無理っぽいです。

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