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犬派のねこまんま 8である          byねこじゃらし

<もう どうにも止まらない>

 諸君は こんな場面を 見たことは無いだろうか。

 世間を騒がせる 大ニュース
 例えば、 飛行機の 墜落事故。
 機体は、 未だ 発見されていない。
 TVの報道番組に映るのは、 情報を求めて 集まって来た 乗客の家族たち。
 緊迫した場面である。

 そこに実況を伝えようと、 若いアナウンサーが マイクを持って 現れる。
 そうして、 彼は、 カメラに向かって、 へらへらと笑うのだ。

 吾輩は 見たことがある。

 例えば 大事件を起こして、 記者会見に 引っ張り出された責任者。
 笑っている場合ではない 状況にあるにもかかわらず、
 マスコミの記者たちに 取り囲まれて、 へらへらと笑うのだ。

 吾輩は 見たことがある。

 これを見た ほとんどの人は、 まず、 呆れる。
「なんだ こいつ」
 しかる後に、 怒る。
 そうして、 非難するに違いない。
 なんという不謹慎。
 辞任しろ!  いや、 クビだ!  自己批判しろ! 
 憤慨するに違いない。



 吾輩が  中学生だった頃の 話である。
 放課後、 クラスメイトと バレーボールに興じていた時のことだ。
 夕暮れ迫る 閑散とした運動場に、 突然校内放送が 流れた。
 クラスメイトの女の子を呼び出す 先生の声。

 だが、 校内には 暇な私たちだけだ。 その子は 見当たらない。
「何故 Aちゃんが呼び出し?  しかも、 こんな時間に」
「あっ、 あの子のお母さんが 病気で入院してるんだよ。 何か あったのかなあ」
 我らは、 不安を抱えながら、 そそくさと下校したのであった。


 翌朝、 開始のチャイムが鳴っても、 は来なかった。
 担任も遅れている。
 前日の心配を口に出したら、 不幸が確定してしまうような気がして、
 バレーボール仲間は 無言で 目を合わせるばかりだった。

 嫌な予感でいっぱいの所に、 は 鞄も持たずに現れた。
「先生は?」 と
「どうしたの?」 と、 事情を知らないクラスメイト。
「お母さんが 死んだから……」
 の家は、 学校のすぐ傍だ。 忌引き届けを出しに来たのだろうか。
 周りから 次々に 慰めの言葉が掛けられた。

 それは、 突然、吾輩の目の目で起こった。
 小学生の時に母親を亡くした が、 泣きながらに 抱きついたのだ。
 二人が抱き合って、喉も裂けんばかりの 号泣
 吾輩は、 為す術も無く 見ているしかなかった。
 クラス中が 固まったまま、 しーん とした。

 遅れてきた担任が現れたことで、 やっと 二人は落ち着き、
 短いやり取りの後、 いつもの時間が 戻ったように見えた。


 朝のショートホームルームは、 日直が前に出て 進行する事になっていた。
 まずいことに、 吾輩が日直 であった。
 教壇に上がり、 いつもの手順で SHR を仕切り始めた時、
 何故だか、 吾輩から へらへら と笑いがこぼれた。

 クラス中から 罵声 が飛んできた。

 罵声は聞こえている。 意味も分かる。
 だが、 へらへら 笑いが 止まらない。

 人間は、何が何だか分からなくなると、 無意識に笑い続けてしまうものらしい。

 大勢に取り囲まれて、 へらへら笑っている人間を見る時、
 吾輩は 小さく 呟く。
やっちまったな


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コメント
128: by コピーライト03 on 2012/06/08 at 19:55:07

ありますよね!!!
あの、不思議ですよね、僕もそういうこと何度もあって、自分でもよくわからないけど、突飛な行動というよりは、他人に明らかに非難されてしまう行動をとってしまう、ですね、記憶だと五回ぐらいあるかなあ、なんていうか、抑えられない、んですよね、傷つけようとおもってやっているわけではない、んですけど、周りに非難、中傷されてしまう行動をとってしまうですね、不思議ですよね、まあ、僕の場合は情けない行動のがおおかったかなあ、男の子なのにすぐ泣いてましたからねえ、泣かないと暴力に発展してしまうんですよね、それなのに、周りの女の子はお構いなく、「おめえ、何泣いてんだよ!!それ失礼だろうがよ!!男のくせに、だっせえな!!」、って、よく追い込みかけてきましたね、ははは、女の子は怖い怖い

129:Re: コピーライト03様 by しのぶもじずり on 2012/06/08 at 20:36:15 (コメント編集)

おお! コメントありがとうございます。
五回ですか。それはすごい! (オイ、そこか! と自分でつっこむ)

> ははは、女の子は怖い怖い
こっちは男の子の罵声が多かったようです。
女の子たちには、壊れているのが分かったのか、あるいは声にならないくらいあきれたのか……
どっちだったんでしょう。

130: by ポール・ブリッツ on 2012/06/08 at 22:31:15

人間、心理的に空白状態になると、顔の筋肉が弛緩して、へらへら笑いの顔になってしまうようですな。

それが人間のほんとうの顔らしいです。

131:Re: ポール・ブリッツ様 by しのぶもじずり on 2012/06/08 at 23:19:23 (コメント編集)

なった事のない人には、分かりにくかったと思います。
顔だけではなく、声を出して笑ってしまうのです。
誰がどう見ても、明らかに笑っている状態です。

航空機事故の例は、昔の実話です。
アナウンサー君は、こらえきれずに吹き出しながら、悲惨な状況を実況しました。

二つ目の例は、最近も見ました。
今頃、あの人は落ち込んでいるかもしれません。

132: by コピーライト03 on 2012/06/09 at 04:51:55

あの、私の場合は、ちょっと引くかもしれないんですけど、友達の御父さんが亡くなってしまい、そのお葬式のときに、余りにも、そのお友達が可哀想であったために、笑わせてあげよう、気晴らしさせようと思いましたね、で、その瞬間ちらっと、周りのおばちゃんの顔みたら、即、私の悪口をいっていました、あの、簡単にいうと、「あのガキが、また空気読まずに、他人の不幸を喜んでいる」、ですね、実際は違います、余りにも可哀想だったので、気晴らしをさせてあげようとおもったんですよね、ですが、一部の方たちからみると、「馬鹿にしている、人の不幸を喜んでいる」、なんですよね、しのぶさんの場合の時は私がそこにいたわけではないので、なんともいえませんけど、「緊張」、ですね、余りにも緊迫した環境下ですと、どういった行動をとればいいかわからなくなる、ですね、それに尚且つ、別に他人の両親が死んだから、その前後に笑ってはいけないという事は無いです、絶対に無いです、正直言って、他の人がその教壇に立っても、笑う可能性が高いです、それほど、緊迫した環境というものは、人間の心理に多大な影響を及ぼす、ですね、善悪ではないです、正直その生理現象は照れ笑いにちかいです、あの、さらにいうと、しのぶさんが可愛いから回りの女の子が常に嫉妬していて、それに感化した男性が、ブーイングとばした!!これ、実は嘘でも冗談でもないですよ、突き詰めるとこうだとおもいますね、私の場合も、恥ずかしながら、自分で言うのもなんですけど、当時は玉のように可愛く、学校でかなり、優しくてかわいい、尚且つお喋り上手で、ちょっと頭の良く、運動もそこそこできる男の子、でしたので、息子をもつ母親/先生からの嫉妬がとんでもなかったです、つまり、ほぼ人間が他人を罵倒する場合は、善悪/常識、問題ではなく、嫉妬です、ただそれだけです!!正直言って、しのぶさんが、もっと不細工な顔なら、「あーあ、またこいつは(笑)」、で、すみました!!コメディ化しましたね、ははは、でも、実際いまのよのなか、つきつめると、そんなもんですよ、ちなみに、そのニュースキャスターはただの馬鹿!!ははは、まあ、あれは仕事ですからね、不慣れだったんでしょう

133: by lime on 2012/06/09 at 08:18:07 (コメント編集)

それは、思い出しても痛い状況ですね。
私も、無きにしも非ず・・・。

同情して泣くと言う事ができない私は、たとえば失恋して泣いている女の子にもらい泣きしている女子たちの輪に入れずにいたりしました。
自分も同調して泣ければ、幸せなんでしょうが。(同情はするのに、涙腺が硬い)
私の涙腺は、他の女子と違うところにあるので、きっと冷たい人だと思われてきただろうな・・・と感じます。

日直だった猫じゃらしさんには、でも、すごく同調できます。
悲しい気持ちよりも、混乱の方が、大きくなっちゃう悲しさ。
人間とは、不器用ないきものです。
でも、器用な人よりも、不器用な人の方がかわいいのかも^^

ところで、ねこじゃらしさんは、涙もろい?

134:Re: コピーライト03様 by しのぶもじずり on 2012/06/09 at 12:10:53 (コメント編集)

私が可愛いという根拠の薄いコメ、ありがとうございます。
大正解! という事にしておきます。これで写真は絶対にUPできなくなりました。

コピーライト03様が玉のような男の子で、嫉妬を一身に集めた、という事は信じます。
聡明な美少年にとっても、人生は困難に満ちていると知りました。

「トークRPG:夢世界と地球」</a>を知らない人が このコメントを読んだら、吃驚するかもしれないですね。

135:Re: lime様 by しのぶもじずり on 2012/06/09 at 12:26:14 (コメント編集)

> それは、思い出しても痛い状況ですね。
よく覚えているところをみると、痛かったのでしょうが、貴重な体験だったとも思います。
そこそこ器用に生きている人にも、超絶不器用になる瞬間がきっと人生には何度かあるのだと思います。
不器用者に 愛の手を!

> ところで、ねこじゃらしさんは、涙もろい?
年々涙腺が緩くなっている気がします。昔は、こんなじゃなかった。

187: by ウゾ on 2012/06/20 at 15:22:08

 こんにちは。
死とは 関係ない 軽い話ですが…
大阪で 電車の事故があり かなりの時間電車が止まり 其の後やっと動き出したのですが
次の電車は何時出るのか分らないという状況で
其の為 ホームにいる人 皆が乗り込み 凄まじい状態で出発 
真夏の 蒸し暑い クーラー切れてる 凄まじい満員状態 ノロノロ運転と言う 最悪状態
其れなのに 途中の駅で 後三両を切り離すと 放送が入る。
電車内 爆笑がおこりましたよ。
酷すぎて 怒る気にもならない…

188:Re: ウゾ様 by しのぶもじずり on 2012/06/20 at 15:40:38 (コメント編集)

笑うしかない、という状況ですね。

> 酷すぎて 怒る気にもならない…
大変でしたね。でも、ご無事に生還なさったようで、お疲れさまでした。

実は、この文章のサブタイトル、はじめは、<もう 笑うしかない>だったのですが、
違うなと思い、これになりました。
ウゾさんの経験のほうがふさわしいです。  

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