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天州晴神霊記 第八章――6

「あちき以外には しゃべってないと思うよ。
 でも、 ほら、 あの人は聞いちゃったかな」

 二人が、 写録に気付いた。
 神官が慌てる。
「困りましたね。 内緒にして頂けますか」

 写録は 落ち着いて話しかけた。
「私は 探偵をしている写録と申します。
 ご心配なく。 言いふらしたりはしません。
 亡くなったことは知っています。
 ただ、その時の様子を知りたいと依頼を受けましたので、調べています。
 依頼人以外には洩らしません。
 むしろ 他には洩らすな と依頼人からも言われていますから、
 教えて頂けませんでしょうか」

 神官は、 少し困った顔をしながらも、 思い当たる節があるかのように頷いた。
 故人の親族から依頼された とでも思ったらしい。

「私にも、 詳しいことは分かりませんが、
 大内裏の騒ぎの後、 しばらくしてから 様子がおかしくなり始めたのです。
 少し前には、 大神官様のお身の周りをお世話する役目について、
 張り切っていた矢先だったのですが……。
 そうだ、 奇御岳と鬼道門に縁談が進んでいると聞いた時の様子は、 ただ事ではなかったです。
 おかしいですよね。 普通は安心するのに。
 だから言ってやったのです。 心配事があるなら、 相談するように」

「どなたかに相談したのでしょうか」
「さあ、 分かりません。
 私がよく知っている神官には、 相談された者はいなかったようです。
 ただ、 死ぬ前日には、 だいぶ落ち着いたように見えたので、
 解決したのかと安堵したのですが、 分からないものですねえ。
 縄目の後が……、 ぐるりと残っていて……、 無残でした」
 ますます 謎は深まった。

「他に、 些細な事でも、
 直接かかわりの無さそうな事でも かまいません。
 いつもと変わっていたことがあったら、 それも教えて下さい」

「はあ、 関係ない事でもですか。
 大内裏騒動の翌々日あたりから、
 テルテル坊主に似た珍妙な小男が うろついていたことくらいでしょうか。
 そういえば、 首括りの後は見ませんねえ」

 首をつった枝は すぐに分かった。
 酷くこすれた痕が はっきりと残っていた。
 シゲ爺さんは、 発見しただけだということが判明した。

 次は、 阿古屋(あこや)のことを調べようと思い立った。
 四―九百八十七番の光石を盗んだのは 阿古屋だと分かっている。
 光石を盗む人間がめったに居ない事を考えれば、 関係があるのかもしれない。
 二五ノ目辻の光石が消えたと同時期に、 内裏を襲おうとしたのだ。
 詳しく調べてみる価値がある。

 他にも 事情聴取したい人間が居ることにも気が付いた。
 さて、 どうやったら会えるだろう。
 それが問題だった。
 肉体労働は とことん嫌いだ。



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コメント
1424: by 彦星 on 2013/06/27 at 21:34:26

(*・д・)ノ*:゚★こんばんヮ☆・゚:*:゚
ご訪問いただきまして温かいお言葉を
°・:,。★\(^-^ )♪ありがとう♪( ^-^)/★,。・:・°ございます。

天州晴神霊記♪頑張っていますね。☆ъ(*゚ー^)v♪
感想文は書けないけど・・・(*'‐'*) 笑^^
一番苦手な科目です。(*≧m≦*)ププッ^^
応援ポチッ☆彡

1425:Re: 彦星様 by しのぶもじずり on 2013/06/27 at 22:20:06 (コメント編集)

やっほーっ、
キラキラのコメントをありがとうございます。

無理は申しません。
来て頂いているだけで嬉しいです。

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とりあえず女です。
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