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赤瑪瑙奇譚 第三章――8



「ユン、 名前は ユン」

「ふむふむ、 それから?」
「えーと、 年齢はいくつだろう。 マホロバの民です、 多分。
 何処に住んでいるのかは、 ホジロに聞いたけど、 あ――っ、 はぐらかされた! 
 いつも覆面をしているので 顔は はっきりとは分かりませんが、
 声が 低めの 迫力のあるドスの利いた感じで、 ……で、 でも 剣の腕は なかなかのものです。
 性別は 女」

 王とウガヤは 顔を見合わせた。
「カムライ、 ふざけているのか」

 二人に説明しながら、 言っている本人が、 何も知らないことに あせっていた。
 そうだ、 ホジロを呼び戻そう。 いろいろ聞かなくちゃ。
 頭の中が ぐるぐるしていた。 人生の危機だ。

「押し倒した時の感触が、 しなやかで 締まりのある女鹿のようなのに、
 どこか ふんわりと やわらかくて……」
「押し倒したあ!」
 異口同音の 大声が 響く。

「運命を感じたんです。 ……あっ、 そうだ。 とても 柔らかな唇をしていて……」
「おお!  口付けをしたのだな。 あれっ?  覆面をしているのでは なかったのか?」
 聞いていた方も、 ますます訳がわからない。
 まさか 毒を 口で吸い取ってもらった とは思わない二人だった。

 カムライも 必死に あれこれ説明したが、
 どっちにしろ、 縁談は 引き返せないところまで 話が進んでいるのだ。


 煌(きら)びやかに仕立てられた 馬車に揺られ、 ユキアは 再びコクウに向かっていた。

 今回は 王の名代 で祝賀式典に列席する 国賓の姫として、
 仕組まれた 運命の出会いを演じる 女優として、
 華やかな衣装に 身を包み、 思い切り 目立つ為に……。


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by まとめwoネタ速neo on 2012/05/21 at 21:55:57

「ユン、 名前は ユン」「ふむふむ、 それから?」「えーと、 年齢はいくつだろう。 マホロバの民です、 多分。   何処に住んでいるのかは、 ホジロに聞いたけど、 あ――っ、 はぐ...

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コメント
96: by lime on 2012/05/22 at 09:18:27 (コメント編集)

なんか、いい感じになってきましたね。
すんなりと、この恋は実るのでしょうか。
でも、ユキアは、本当のところ、カムライをどう思ってるのでしょうね。

わたしは、好きだけど・・・(だれも訊いてないw)

97:Re: lime様 by しのぶもじずり on 2012/05/22 at 11:02:22 (コメント編集)

> なんか、いい感じになってきましたね。
ありがとうございます。ホッとしました。

じ、じ、実はぁ、私は朴念仁系の人間でして、
苦手なんですよう。恋愛シチュエーションの描写。
limeさんのように上手く書けない。うらやましいです。
色気を何とかしようと 
頑張ってます。

98: by ポール・ブリッツ on 2012/05/22 at 16:04:43

ハリウッドの恋愛コメディの数々を思い出しました。

いいですにゃ~。

99:Re: ポール・ブリッツ様 by しのぶもじずり on 2012/05/22 at 17:27:24 (コメント編集)

目指せ ハリウッド進出!!!

ハリウッドも、日本からネタを拾う事が多くなってきた印象があります。

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