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天州晴神霊記 第七章――3


 しかし、 あれから毎日待っていたのだろうか。
「ば、 馬鹿じゃないの。 返事を待てないわけ」
 またぎくしゃくしそうになって、 落ち着こうと 斎布は大きく深呼吸をした。

「何処に行くのだ。 次の作戦実行か」
 『天州晴に平穏を作戦』なら、 まあ、 当たっていなくはない。
「二五ノ目辻の光石を調べに行きます」
 青梅が 仕事の途中とは思えない のんびりした様子で答えた。
 あずきとつないだ手を まだ揺らしている。
「ようし、 今度こそ犯人を捕まえる」
 張り切って 同行するつもりだ。
 面倒なのか、 誰も詳しい説明をしようとしない。
 二人増えた。

 明かりをもった雅彦君を先頭に、
 遠足気分風の青梅と いやいや手を繋がれているあずき。
 心なしか ぎくしゃくと動いている斎布。
 やる気満々の四朗五郎に、
 何を考えているのかさっぱり分からない閼伽丸 の総勢六人が
 二五ノ目辻にたどり着いた頃には、 月が昇り始めていた。
 鋭く尖った三日月だ。

 と、 その時。
 六人が辺りを見回す余裕もなく、
「み~つ~け~たあ~」
 べとべとと粘つくような 不気味な声が、 闇の中から響き、
 次いで 痩せこけた男が姿を現した。

「ぎゃああああああああああ」
 青梅が あられもない悲鳴を上げ、 あずきの手を振り払って、 即座に遁走を図る。
 二条大路をはずれの方角に向って 爆走した。
 五人が呆れて見ていると、 間もなく逆走して戻ってくる。
 そして、 叫んだ。
「出たあー。 妖魔だあ~。 助けてー」
「あちきは、 不味いわよ~」
 間髪をいれず、 追いかけていた男も 叫ぶ。

 斎布が 霧呼紐を引き抜きざまに振るうが、
 それより早く 四朗五郎が抜刀して待ち構えた。

 青梅と彼を追いかけた不気味な生き物――管虫医師に続いて ゆらりと現れた妖魔は、
 あっけなく 四朗五郎に切り伏せられて消えた。
「出ましたねえ。 護衛に付いて来てもらって良かった。
 それは破魔の剣ですか。 ついでに 管虫先生も退治しちゃってください」
「破魔の剣ではない。 退魔の剣だ。
 管虫先生とは、 ネバネバ男のことか」
 青梅と四朗五郎のやりとりを ただ聞いて突っ立っていた斎布の袖が 乱暴に引っ張られた。
「何?」

「き、 き、 き、 消えてます。
 光石が一つ 消えてます」



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コメント
1360: by 彦星 on 2013/06/03 at 19:21:54 (コメント編集)

(*・д・)ノ*:゚★こんばんヮ☆・゚:*:゚
ご訪問頂きまして温かいお言葉を
°・:,。★\(^-^ )♪ありがとう♪( ^-^)/★,。・:・°ございます。

いつも楽しく拝見しています。
応援ポチッ☆彡

明日はギンリョウソウちゃんを載せますよん(*'‐'*) 笑^^

1361:Re: 彦星様 by しのぶもじずり on 2013/06/03 at 19:27:33 (コメント編集)

> (*・д・)ノ*:゚★こんばんヮ☆・゚:*:゚
おお!!!
ギンリョウソウが登場しますかあ。
すっごく楽しみです。

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