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蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――11

 小鳥たちが 騒がしくさえずりだした。

 星白と一郎が、 音のする方角を見ると、
 騒いでいた小鳥たちが、 小さな羽根を広げて いっせいに空に飛び立つ。
 小鳥の群れが去ったところから、 真っ赤な草を掻き分けて 蜻蛉が近づいてきていた。

 後から 桜と八尺の姿も見える。
 蜻蛉は いつものように 四弦琴を背中に負い、 陽気に手を振った。
「お待たせー」

 待っていた二人の男は、 思わず嘆息する。
「来ちゃったのか」
「うわあ、 来ちゃいました」
 星白は、 ひとつ大きく呼吸をして進み出た。

「どうしても闘うんですね」
「あったりまえだ。
 勝負の方法は あたしが決めて良いんだったよな」
 星白の喉が、 唾を飲み込んでゴクンと動いた。

「はい。 剣ですか、 素手ですか。 それとも何か 他の武器ですか。
 何であろうと 負けるわけにはいきませんよ」
「うふふふ…………………… 『あっち向いてホイ』だ。
 三本勝負でいいぞ」
 蜻蛉以外の四人が、 全員 仰け反ってジタバタした。

「どうしたみんな。 勝負の方法は あたしが決めて良いんだろ」
「そ、 それは、 そう言いましたが…… ま…… まさか、 ええっ?」

 衝撃から立ち直る隙も与えられず、
 星白は あっさり全敗した。

 あまりにあっけない勝負となった。
 蜻蛉は、 まだ呆然としている星白から、 喜々として 四つの宝珠を毟(むし)り取った。
「ほれほれ、 早く渡さんかい」

 受け取った宝珠を 悦に入って眺め、 得意満面の蜻蛉が 高らかに宣言した。
「今日は、 あたしが世界征服を掴み取った 記念すべき日だ。
 蜻蛉ちゃん、 おめでとうございまーす。
 チャンチャカチャーン、 チャンチャンチャン、 チャンチャカチャーン、
 やったあ! ………… えっ?  なんじゃこりゃ」

 能天気に飛び跳ねていた蜻蛉の 一転ただならぬ様子に、
 他の四人が近寄り、 抱えられた宝珠を見た。



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コメント
1108: by lime on 2013/02/12 at 19:25:54 (コメント編集)

なんてこった。
世界が滅んだら、星白のせいだ~w

1109:Re: lime様 by しのぶもじずり on 2013/02/12 at 22:01:54 (コメント編集)

蜻蛉が世界を征服したら、滅亡決定でしょうかね。
やっぱり?

まるっきり信用の無い主人公って、どうなんでしょう。
この期に及んで、心配になってきました。
そうか、アンチヒロインって事で……。いまさらですが。

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