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蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――8


「待たせたな。 ここが終点か」
 立ち止まった二人の間を、 時ならぬつむじ風が吹きぬけた。

「星白君。 君の持っている四つの宝珠をくれ。 そうしたら全部揃う。
 それを並べて、 踊る妖精を呼び出し、 あたしが世界を征服するのだ。
 わっはっはっは」
 蜻蛉の高笑いを耳にして、 星白の表情が引き締まった。

「渡せません。 世界が誰かに征服されるなんて認めません。
 特に 蜻蛉さんが世界をどうするのかなんて、 考えただけで 心配で夜も眠れません」
 まっとうな判断である。

「え――っ、 なにそれ。
 ねえ、 お・ね・が・い、 頂戴。 ウフン」
 ウィンクして お色気攻撃に切り替えたが、 もちろん全く通じない。
 ………… 無理。

「駄目です。 絶対に あなたには渡せません」
「ケチ!」
「いえ、 そういう問題では……」
「なによ、 くれたって良いじゃないの。 こんだけあたしが頼んでんのよ。 頂戴よ」
「駄目です。 ぜえーったいに駄目」
「なら、 腕ずくでも取り上げるわよ」
「やれるものなら、 やってみろ!」

「この分からず屋。 決闘だ!」
「受けてやる」
「言ったわね。 決闘よ、 決闘!  いつどこでするか決めなさいよ」
 売り言葉に買い言葉で、 二人とも完全に頭に血が上っていた。

「では、 明日の正午この場所で。 勝負のやり方は 蜻蛉さんが決めてください」
「分かった。 負けて吠え面かくなよ」
「それは蜻蛉さんのほうです。 手加減はしません」

 桜が片手で目を覆い、 指の隙間から ちらりと覗いて嘆息する。
「あああ、 勢いに任せて とんでもないことを……」
 一郎も呆然としていた。
「あんなにムキになった星白を始めて見た。
 思っていたよりも、 やる気満々ではないか。
 あの、 いつもぼうっとして、 気の弱いだけの孫がなあ……」

 当の二人は 憤然と踵を返し、 互いに背を向けて歩み去った。




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コメント
1102: by 晩冬 on 2013/02/10 at 00:55:09

遂に終わりますね。
出来れば100超を期待していたんですが、終幕は近いようで

1103:Re: 十二月一日 晩冬様 by しのぶもじずり on 2013/02/10 at 10:54:56 (コメント編集)

そうなんですよ~。
お宝探しにしては、あっさり進みすぎました。

簡単に、次から次に見つかっちゃうし、もっと紆余曲折があった方が、それらしかったかもしれません。
千日縛りなので、のんびりできないことにしたんですけど、
それにしても……サクサク進んだ感がありましたかしら。

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