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蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――3


「宝珠は この家の中にあるみたいです」
 星白は 急いで話題を変えた。

 蜻蛉の家に 訳も分からず引き寄せられた時は、
 まだ慣れていなくて 意味不明でうろついてしまったが、
 今なら分かる。
 使命感のように湧き上がるこの感じは 宝珠に間違いない。

「人様の家だ。 勝手に探すわけにはいくまい。 どうする」
「理由を説明して お願いします」
「そうか」

「ごめんくださーい」
 いきなりのお宅訪問となった。
 呼びかけに応じて出てきたのは、 庭で遊んでいる子どもたちの母親だろうか、
 丈夫で長持ちしそうな主婦だった。
「突然お邪魔しますが、 僕は星白と言います」
「拙者は星白の祖父、 一郎と申す」

「はあ…… どういうご用件でしょうか」
 女は、 現れた見慣れぬ訪問者たちに戸惑っていた。
「えーと、 えーと、 あっそうだ」
 星白は 懐から 白い卵形宝珠をあわてて取り出して、 前に突き出す。

「さらに唐突ですが、
 これと似た物が お宅にあるはずなのです。 ご存知ありませんか」
 主婦は ちょっと首を傾げて考えたが、 すぐに、 ああと頷いた。
「ありますよ。 色は違いますが。 それが何か……」
「僕に譲ってください。 お願いします」
「あら、 何でまたあんなものを」
「深―い事情がありまして、 是非譲っていただきたいのです。
 実は……」
「ちょっと待って、 その話は長いの」
「少し長いかも」

「今、 うちの親方が まだ仕事中なのよ。
 あたしゃ あんな物は くれてやっても良いと思うけど、
 勝手に上げちゃって 怒られたら嫌だから、 一応 親方に言ってやって頂戴。
 しばらくしたら戻ってくるから 待ってて」

 主人の留守中に家に上り込む訳にもいかず、 庭先で待つことにしたが、
 思ったより時間がかかった。

 やがて、 がっしりとよく似た体格をした二人の男が現れた。
 近づくにつれ、 年齢が親子ほども違うことが見て取れる。
 親子だった。

「あんたら 何か用かね」
 息子の方が 星白たちに気づいて声を掛けてきた。



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