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蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――2

 ある日のこと、 星白が飼っていた鶏が 産み落としたものを、
 卵かけご飯にしようとして、 小鉢が 真っ二つに割れた。

 はじめは何だろうと思った。
 きれいだったから 机の上に置いて 眺めているだけだった。
 何がきっかけだったのかは思い出せないが、
 ふと思いついて 卵形宝珠の伝説が書かれた本を調べ、
 もしかしたら 宝珠なんじゃないかと思い始めた。
 それでもまだ何日かは 眺めて考えるだけだった。

 星白だって 男の子だ。
 世界を救う勇者とかに ちょっぴり憧れる。
 憧れたところで 到底自分には無理だと思っていたが、 宝珠があれば出来るかもしれない。
 伝説をさらに詳しく調べてみた結果、 大きな願いは一つでは無理だと知った。
 世界を救うのは、 間違いなく 大きな願いと言えるあろう。

 それなら どうしたら良いのだろう。
 そうだ!  全部集めれば良いかもう。
 最初の願いが決まった。
 だんだんとその気になっていた。
 半信半疑のまま 両手で捧げ、 思い切ってお 願いしてみることにした。

「全ての宝珠の元へ 我を導きたまえ」
 白い宝珠が閃光を放ち、 目の前がまぶしいくらいに明るくなった時には驚いた。
「嘘―、  本物みたいだ」
 突然 旅に行きたくなった。

 うわあ、 導かれちゃってるよ。
 ど、 ど、 どど、 どうしよう。
 こうなったら やってみるしかない。
 何より、 じっとしているのが落ち着かない。
 でも一人じゃ心細いので、 おじいちゃんに協力を頼んでみた。
 両親に、 世界を救うと言ったら、 絶対、 馬鹿にされて終わりだと思ったからだ。

「旅か、 いいなあ。 行こう」
 一郎は 二つ返事だった。
 だけど いざ旅をしてみると すごく大変で、
 おまけに 強力な競争相手まで出現していた。

 大丈夫だろうか、 僕。
 と、 不安がよぎる今日この頃。

 それでも、 車輪付台車をゴロゴロ引いて、
 蜻蛉羽の大地を進む 星白であった。


 宝珠に導かれて たどり着いたのは、
 良質の石を産出することで知られる 石切山の麓にある 石切村だった。
 大きな石屋の前に立ち止まる。

 庭で 四五歳の男の子と 二歳くらいの女の子が 元気に仲良く遊んでいた。
「ほほう、 可愛い嬢ちゃんだ」

「お、 おじいちゃん。 あの子は……」
 いくらなんでも若すぎるのでは、 という言葉を 星白は飲み込んだ。
 家の人に聞かれたら 危ない奴だと思われてしまう。
 しかも、 違うという保障もない。



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