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蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――7



「わたしが探してこよう。 二人は食事をしていなさい」
 桜のあまりに珍しいせりふに、 星白と一郎は、 見開いた目を見合わせた。

「それなら 僕が探しに行きます」
「わたしも 可愛い蜻蛉ちゃんが心配だ。 探すでござる」
 二人とも 何が起きているのかさっぱり理解できないながら、 一歩も引かない。
 桜が止めようとしたが 無駄だった。

 三人での大捜索が始まってしまった。
 何処を探せばいいのか判断もつかないまま、 皆で小屋を出て あたりを見回す。

 桜は 蜻蛉に失せ物探しのまじないをかけた。
 ひろみ爺さんの牧場でやったのと、同じやり方だ。
 星白は ちょっと首をかしげ、 不思議そうに桜の後姿を見送った後、
 周囲を見渡しながら ゆっくりと正確に追う形で歩き出した。
 一郎は、 二人とは別の方向に走り出す。

「おーい、 蜻蛉さーん。 何処ですかー」
「蜻蛉ちゃーん、 何処でござるかー」
 男二人が呼びかける声をうしろに聞いて、 桜は急ぐ。

 やがて 木の間を抜けて 古びてこじんまりした祠が現れた。
 立ち止まった桜の前に、
 祠の背後から おなじみの、 今回は 黄色い光が流れ出た。
 黄色宝珠を手に入れた蜻蛉が、 早速願いを口にしたのだろう。

 すぐに、 ゴソゴソと音がしたかと思うと、
 片袖に破れ目を作り、 土に汚れた手を払いながら 蜻蛉が出てきた。

「お願いを間違えたりしていないだろうな」
 桜の声に気づいた蜻蛉が、 目を見開く。

(何だ、 そのびっくりした顔は。 まさか、 やっちゃったのか)
 桜が 思わず怒鳴ろうとした瞬間、 蜻蛉が騒いだ。
「開口一番にソレかよ!  あたしが どんだけバカだと思ってるんだ」

「悪い、 ちょっと思った」



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