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蜻蛉の願いはキンキラキン 第三章――8



「はーい おやぶん、 なあに?」

「うっ………… か、 可愛い。
 右手に握るトンカチも 良く似合う。 あっ、 にっこり笑ってる。
 食べちゃいたいくらい可愛い。 ……駄目だ、 俺には出来ねえ」

 心の葛藤に悩む親分の頭に、 赤麿が 無造作に放り投げた金槌が落ち、
 飛び散る火花と星に、 赤麿が大喜びで 無邪気にはしゃいだ。

 堂々巡りの話し合いと、
 見事に悪党どもの弱点を突いた赤麿の破壊攻撃が 半日続いた。


 そして、 二人分の足音と のんきな声がやってきた。
「あっ、 こんなところに小屋がある。 きっとここだよ」

 三人の悪党と赤麿までが、 ぴたりと声と動きを止めた。
 シーンとした小屋の外を、
 気配を隠すでもなく、 足音と草木を掻き分ける音が近づいてくる。
「くそっ、 まだ相談がまとまってねえ。 とりあえず追い払うぞ」

 三号が、 それまでの頼り無さをかなぐり捨てたように 素早く動き、
 梁(はり)の上から 三本の剣を下ろして それぞれに渡した。
 剣を携えた三号の様子が 一変した。
(さっき、 やめておいて良かった)
 桜と蜻蛉は 胸をなでおろす。

「親分、 隠れ家が割れたとあっちゃあ、 帰さねえほうがいい。
 ぶっ殺しましょう」
 三号が 別人格になっている。

 三人が 一斉に外に飛び出していった。
 怒号とともに 戦いの音が響く。
「蜻蛉、 宝珠をお札で包め。 逃げるぞ」
 五人の戦いが河原に向かったのを機に、二人はまんまと逃げた。

 山道を 木土(もくど)に向かって走る。
 が、 行く手を阻(はば)むように 十数人の男たちが、 反対方向からやってきた。

「どうしたんですか、 あわてて」
 地方を巡回途中の 州警邏隊だった。

「あっ、 ちょうどいいところに、 ありがたい。 誘拐事件です。
 地主の孫が 誘拐されました。
 この先の河原で、 犯人たちが 仲間割れの切り合いをしています。 早く!」

 桜の報告に、 警邏隊は すかさず現場に急いだ。
 さすがに頼もしい。



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コメント
850: by まるこ on 2012/11/20 at 17:46:30 (コメント編集)

こんにちは!
お知らせです。

ブログをお引っ越ししました★
急でご迷惑おかけします。
ぼちぼち整えていくのでまたお暇な時にのぞきに来てやってくださいませませ♪

853:Re: まるこ様 by しのぶもじずり on 2012/11/21 at 00:28:27 (コメント編集)

ご連絡をありがとうございます。

お引っ越し先に おじゃましてきました。
急がず、ぼちぼちで良いと思います。
また伺いますとも。

1245: by LandM on 2013/04/08 at 06:25:01

なかなかこういうタイミングでは捕まらないものですけどね。そもそも誘拐団は隠れ家は何個か用意するものですけどね。最近じゃ、日本も名義貸しがやりやすいですから、結構普通のアパートの部屋が使用されるときも多いですしね。

1247:Re: LandM様 by しのぶもじずり on 2013/04/08 at 11:09:21 (コメント編集)

雑な悪党どもで すいません。
隠れ家は 一個しかありません。
こいつらに 計画性を期待しないでください。

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