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蜻蛉の願いはキンキラキン  第一章――5



《閉店大売出し!  店内すべて驚きの安売り価格!  もってけ泥棒!》

 黒々と書かれた へたくそだが 勢いだけは感じられる文字。
 建物自体が傾いて 倒れかけた古道具屋の前で、 二人は固まっていた。
 しかし、 桜の感じる波動は、 今や最高の高まりで 打ち震えていた。
 ここにあると信じるしか道はない。

「蜻蛉、 金は いくら持っている」
「聞くだけ野暮、 って言葉を知っているか? 
 部屋にある 豚さんの貯金箱にあるのが 全財産だよ」
 へらへらお気楽に答える。

「豚の貯金箱には いくら入っているかを聞いている。
 もしも、 売り物になっているなら、 買うしかしょうがない。
 欲しがっているのは お前だからな」
「ええーっ、 桜さんが何とかしてくれるんじゃないのか。
 豚さんには 申し訳程度しか入ってないよ」
 堂々と言ってしまう。

「申し訳程度とは、 どの程度なんだ」
「大きな顔で、 世間様に、 貯金があります と言ったら、 申し訳ない程度」
 桜は ため息をついた。
「仕方がない。 貸しだな」
「分かった。 世界を征服したら、 すぐ返す」

 しかしながら、 桜だって たかが田舎のまじない師である。
 たいして持ってはいない。
「売り物だったら、 出来る限り値切るしかないか。
 その時は、 交渉するから、 余計な口を挟むなよ。
 そのまま、 家に帰りつくまで、 一言も口をきくな」
「わかった」
「どう分かった」
「負けて欲しい、 と目で訴える」
 全然 分かっていなかった。

「目当ての物があっても、 欲しそうな顔をするな。
 全く買う気がないふりをしろ。
『たまたま立ち寄ったけど、 見るだけだし―、 でも 安かったら、 買っちゃうかもー。
 どうしよーかなー』 という態度を貫け」

「桜さん、 気持ち悪い声になってる」
 尻を蹴飛ばされて、 涙目になっている蜻蛉と、
 精いっぱい さりげなさを装った桜は、 古道具屋の店内に入った。



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コメント
746: by lime on 2012/10/28 at 21:24:39 (コメント編集)

願いが叶う宝が本当に、骨董屋に売ってあったら・・・。
大金叩いても買ってしまいますね。
(すぐ、騙されるタイプです)

でも、本当に売ってあるのなら、買っちゃいますね。
芝居、できそうにないです^^; 興奮して。

747:Re: lime様 by しのぶもじずり on 2012/10/28 at 23:52:44 (コメント編集)

> 願いが叶う宝が本当に、骨董屋に売ってあったら・・・。
> 大金叩いても買ってしまいますね。
> (すぐ、騙されるタイプです)
騙されちゃ駄目ですよ。

ちょっとお手軽すぎましたかね。
最初の一つですし、主人公がアレですから、多めに見えやってください。

748: by 彦星 on 2012/10/30 at 16:46:14

(* ^-^)ノ(* ^-^)ノこんばんわぁ♪

いつもご訪問頂きまして♪ありがとうございます。
応援♪~ポチッ☆彡×3

749:Re: 彦星様 by しのぶもじずり on 2012/10/30 at 18:00:46 (コメント編集)

いらっしゃいませ。こんばんは

いつもきれいな写真で楽しませて頂いています。
ほ~んとに、すっごく綺麗で、見ているだけで楽しいです。
ありがとうございます。
私も、午前中に伺った時、ポチさせていただきました。

いつも拝見するだけで、コメントも残せず、失礼しています。

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