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蜻蛉の願いはキンキラキン  第一章――4



「えっ?  何が?  どういうこと?」

「なんだ。 何もわかってないのか。 わたしが卵形宝珠に願ったことは何だ?」
「えーと、 たいしたことない霊力」
「そう、 わたしのたいしたことない霊力は 宝珠の霊力なのだ。
 ……って たいしたことなくないわい!」

「まあまあ、 それで?」
「近くに在るぞ。 昔わたしが持っていた宝珠が。
 共鳴しているのだろう。 ビンビン感じるのだ」
 桜は、 両手の掌を前にかざして目を瞑り、
 何かを感じているように、 あたりを探る仕草をした。
 少しだけ疑うような目つきをした後、 蜻蛉は 腕組みをして考える。

「桜さん、 もしそういうことなら、 最初のお願いが 端折れるんじゃないのか」
 姑息な手段を考えることにおいてのみ、 蜻蛉は おバカではなくなる時がある。
 ほんのたまに ではあるが……。
「残念だが、 わたしが感じるのは、 昔持っていたのと同じものだけだと思う。
 踊る妖精を出すには、 八つ要るのだから、 全部違う力のはずだ。
 他の宝珠は 多分わからん気がする。
 もっとも、 一つで良いというなら 止めはせんがな」

 からかうような桜の視線にさらされ、 蜻蛉の目に 新たな闘志がみなぎった。
「いや、 全部だ。 あたしの狙いは 世界征服なんだからな。
 目先のことに とらわれるわけにはいかない。
 ふっふっふっふ、 うわっはっはっは、 かっかっかっかっ」
 世界征服を目論(もくろ)む 悪者の図。

「それなら 復唱するぞ。
 最初の願いで、 他の七つを手に入れるように頼むこと。
 宝珠を手にしたら、 願い事をするまでは、 余計なことを言わないこと」
「うん、 注意一秒 怪我一生。 沈黙は金。 早寝早起きは 三文の得。 そういうことだな」
「まっ、 いっか。 では出かけるぞ。
 いざ、 ときめきの波動を追いかけて出発!」



「なあ、 桜さん。 まさかとは思うが、
 卵形宝珠って、 潰れかけた古道具屋に売っているものなのか」
 二人がやってきたのは、 何件かの店が並ぶ通り、
 田舎町の、 しいて言えば 一番にぎやかなところだ。
 自宅から ゆらりゆらりと進む桜について 歩いてきてみれば、
 ボロボロの古道具屋の前だった。
 営業しているのが不思議なくらいの寂れようだが、
 雑な看板が新しいから、 一応やってはいるのだろう。

「何処に現れるかわからんというから、 そういうことも あるんじゃないか」
 答える桜にも、 一抹の不安がよぎるのは 否(いな)めない。



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コメント
739: by 晩冬 on 2012/10/27 at 22:18:51

ムスカと一瞬ダブった(笑)この掛け合いの調子で進むのかな。ツボです。

740:Re: 十二月一日 晩冬様 by しのぶもじずり on 2012/10/27 at 22:49:19 (コメント編集)

ムスカって、ラピュタに出てくるおっさんですか。

孫娘と婆さん という組み合わせをやって見たかったのです。
あまり難しいことを考えて書いていません。

744: by ポール・ブリッツ on 2012/10/28 at 00:28:07 (コメント編集)

道具屋「これは宝珠ではない。賢者の石というものじゃ」

蜻蛉「それでいい。くれ」

道具屋「だめじゃ。賢者の石じゃから、売れるのも賢者オンリーじゃ。アホには売れん」

……なんちゃって(^^;)

745:Re: ポール・ブリッツ様 by しのぶもじずり on 2012/10/28 at 11:23:14 (コメント編集)

> 道具屋「これは宝珠ではない。賢者の石というものじゃ」

蜻蛉「何それ。わけ分かんないものは、いらな~い」
ってなりそうです。

830: by LandM on 2012/11/14 at 07:40:23

宝珠の力の制限があるんですね。
まあ、あれですね。某龍玉物語ですね。一つ集めても願いは叶わないけど、7つ集めれば何でも願いごとが叶う!!
っていう。。。

831:Re: LandM様 by しのぶもじずり on 2012/11/14 at 10:41:24 (コメント編集)

いらっしゃいませ
ドラ〇ンボールか、とも言われました。

そもそも設定が、もっとゆるいです。いろんな意味で。

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