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犬派のねこまんま 3である          byねこじゃらし

<犬派なのに いきなり猫>

 吾輩が、 人生で 初めてペットに遭遇したのは、 であった。

 ううむ、 犬派は 何処に行ったのだろう。

 しかも、 船乗りが喜びそうな、 真っ黒な 鴉猫であった。
 くっきりとした金色の目を持ち、 ほっそりとした 短毛の黒猫
 江戸川乱歩の挿絵になりそうな だ。
 夏目漱石 ではない。
 もちろん、 赤川次郎 でもない。

 漱石の猫は、 灰色に斑入り。

 赤川猫のホームズは、 雄の三毛
 致死遺伝子が 発動しなかった、 世にも珍しい 奇跡の稀少種だ。
 金で買おうとすると、 めちゃくちゃ高い。
 金目銀目と どっちが高いのだろう。 というくらい高い。

 蛇足を加えるなら、
 片目が黄色、 もう一方の目が 青い目の猫を 「金目銀目」 と呼ぶ。
 幸運の猫 と言う事になっているらしい。
 本当に 幸運を引き寄せるかどうかは 知らない。 興味も無い。

 お忘れかもしれないが、
 
 吾輩は 犬派 である。


 我が家の黒猫の名前は、 ロクといった。
 お気づきだろう。 ロクは 黒のさかさまである。
 イージーなネーミング といえよう。

 祖母が 近所から貰ってきた とか。
 母親がペルシャ猫なので、 父親はどうであろうとも ペルシャのハーフだからと貰ったらしいが、
 思いっきり短毛の ほっそりしただった。
 どこがペルシャだ、 と祖母は 愚痴っていたらしい。
 今の吾輩なら、 「子猫のうちに気が付けよ」 と突っ込むところだが、
 当時は 吾輩もいとけない幼子。
 そういうまねが できるようになるまでは、まだまだ 長い年月が 必要だった。

 さて、 は 赤ん坊が 嫌いである。

 あまつさえ、 ちやほやと 可愛がられていた スターの座を、
 吾輩の誕生によって 一気に奪われた訳であるからして、 面白かろうはずは ない。
 吾輩は吾輩で、 分別の全く無い お年頃である。
 ペットを可愛がることなど できようはずもない。
 吾輩とロクは、 ボロ家の中で テリトリー争いを 繰り広げていたのであった。

 おそらく 猫派にならなかった原因は ここにある。


 父は 建設会社の土木部に勤めており、 なにかと 忙しい日々を送っていた。
 出張で 家を空けることがよくあったが、 可愛い娘の顔を見たさに 早く仕事をこなしたのか、
 予定よりも 早く帰ることが たまにあった。
 そんな時である。 ロクが 家中を走り回って 報せるのである。

「この様子だと、 今夜帰ってくるね」
 祖母が言うとおり、 必ず 父は帰ってきた。
 予知能力なのか❣  未だに 不思議である。

 恋の逃避行 だったのだろうか、 ある日、 ロクは 突然姿を消した。

 それから 2年後くらいに、 いきなり 汚くなった姿で 戻ってきたのだ。
 ガリガリに痩せて 様子が変わっていたが、 首に巻かれていた 布切れで 判明した。
 従姉が 巻きつけた時 真っ赤だった布切れは、 すっかり赤黒く変色していたが、
 よく取れなかったものである。


 余談だが、 父が出張中だと聞いた 近所のおばさんが よく言っては、
 母と 笑い合っていた 言葉がある。

「亭主元気で 留守が良い」

 調子の良いリズムが面白く、
 でも 留守が良いなんてヘン、 大人って解からなーい、 と思ったことであった。
 今ではよ~く解かる

 あの言葉が、 後にコマーシャルでヒットし、
 流行語になるとは、 この時 思いもしなかった。
 思うに、 昔から 女たちの間に、 こっそりと伝えられていた
 男衆には内緒 の冗談だったのだろうが、
 コマーシャリズムによって、 白日の下に 晒される日が 来ようとは……。 


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コメント
33: by ポール・ブリッツ on 2012/04/29 at 17:31:40 (コメント編集)

あの、わたし、なにか、お心を傷つけるようなこと、書いてしまったでしょうか。

もしそうだとしたら、お詫びしたいのですが……。

34:Re: タイトルなし by しのぶもじずり on 2012/04/29 at 18:04:13 (コメント編集)

> あの、わたし、なにか、お心を傷つけるようなこと、書いてしまったでしょうか。

えっ?????????????????????????
私こそ 何か やっちゃういましたか?

分からないので、何故 そうなったのか 教えてください。

あまり神経が細かい方ではないので、怒っているように感じたことがあったら、こちらこそごめんなさいです。

35:管理人のみ閲覧できます by on 2012/04/29 at 18:57:19

このコメントは管理人のみ閲覧できます

36:Re: 鍵コメ様 by しのぶもじずり on 2012/04/29 at 19:24:01 (コメント編集)

私の気まぐれな行動で、振り回してしまったみたいで、すんません。<m(__)m>

懲りずに、お付き合いくださるとうれしいです。 言訳はそちらに伺います。

44:いいですねぇ by あかね on 2012/05/04 at 12:11:09

しのぶもじずりさんのこういうエッセイ、内容ももちろん面白いのですが、文章に独特の味があってとっても素敵です。

私は子どものころには猫が怖くて、猫好きの母が、こんなことではよくないと、近所で猫をもらってきたのです。

最初のうちはその猫も怖かったものですが、それから徐々に猫派になりました。

あと、「亭主元気で留守がいい」
大賛成。実感ありまくりでございます。

46:Re: あかね様 by しのぶもじずり on 2012/05/04 at 15:37:55 (コメント編集)

> しのぶもじずりさんのこういうエッセイ、内容ももちろん面白いのですが、文章に独特の味があってとっても素敵です。

ありがとうございます。どんどん褒めてください(^v^)

調子に乗ったので、本日の更新は「犬派のねこまんま」に決定しました>

56: by 園長 on 2012/05/06 at 17:41:10 (コメント編集)

しのぶもじずりさん、こんにちはっ
犬派、猫派ってよくいいますよね。
私はどっちかというと・・・ケモノ派です。
毛が生えてる動物はほとんど全部好き♪
でも
亭主は確かに元気で留守がいいわ(笑)

57:Re: 園長様 by しのぶもじずり on 2012/05/06 at 18:30:00 (コメント編集)

いらっしゃいませ。

ブログの世界では どうも猫が多いような気がします。
イギリスは愛犬家が多いイメージですが、実際は、日本のほうが犬のペット率(?)は高いそうで、
世界でも珍しい方になるらしいです。犬 頑張れ! と思います。

園長さんの所の猫ちゃんたちを見ると、やっぱり可愛いと思いますけどね。

> 亭主は確かに元気で留守がいいわ(笑)
上手いですよねえ、コレ。

599: by LandM on 2012/09/22 at 15:17:20

確かに猫はチヤホラされますからね。
それを考えると赤ん坊は最大のライバルかもしれませんねえ・・・と思ったりしますね。

600:Re: LandM様 by しのぶもじずり on 2012/09/22 at 16:39:15 (コメント編集)

犬は、けっこう赤ん坊が平気なんですけどね。
ひどいことをされても、じっと耐えてたりする。

猫は、たいてい、すぐに逃げ出します。

狼に育てられた子供がいましたが、
虎や豹に育てられた子供はいないようですから、そういうものなのでしょう。

802: by on 2012/11/09 at 01:56:17 (コメント編集)

>「亭主元気で 留守が良い」

なんだか、身につまされます。
恋愛の最初は、1秒でも離れるのがイヤとか・・。
それが、いつも傍に、慣れると、こうなるww

なんとなくですが・・
最初のうぶな人が犬?後の放置タイプが猫?
そんな気がします。
☆彡☆彡

803:Re: 雫様 by しのぶもじずり on 2012/11/09 at 10:52:06 (コメント編集)

同じ人間が途中で変わってしまう説ですね。
新しい。

> >「亭主元気で 留守が良い」
「元気で」というところがミソなのだと思います。
元気にどこやら飛び回って楽しそうなら、それで良い。という大きな愛?
……かもしれません。

ありがとうございました。

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