FC2ブログ
RSS

蜻蛉の願いはキンキラキン 第一章――2



「知ってるもん。 昔、 見つけたことがある」
 いかにも たいしたことがなさそうな言い方だ。
 もし、 嘘でからかっているなら、 桜の性格からして、 大げさに言いたてるはずだ。
 蜻蛉は、そう判断した。

「なにい!  見せろ!  今すぐ見たい」
 身を乗り出して叫んだ。 だが、 桜の態度は、 相変わらず素気無い。
「だめ」
「くそばばあ、 出し惜しみか!」
「もう無い。 あれには 消費期限があるのだ。 消えた」
「そんな話は聞いてないぞ。 消費期限てなんだよ」
 蜻蛉は、 ちょっと疑った。
 新しいからかい方を 開発したのかもしれない。

「ふん、 なんも知らんのだな。 小娘だから仕方ない。 教えてやろう。
 人の手に渡ってから 千日経つと、 全部消えてしまうのだ。
 全てを集めた者がいないのは、 そのせいだな」
 蜻蛉は、 確かに 何も知らなかったことに改めて気づいた。
 さすがに 情報収集の必要を感じる。

「ふ―ん、 一つきりだっだのか?」
 今のところ、 情報源は 目の前に居る桜しかない。
「そうだ。 たまたま手に入れた物以外。 どうしようもなかった。
 か弱い乙女に なにが出来よう」
「異議あり!」
「異議申し立てを却下する。
 全部集めるには、 コツがある。 後から気づいた」
 桜がここにきて、 もったいぶった態度に出た。

「教えろ、 コツを教えてくれ」
「そこらの金持ちに嫁入りする程度なら、 一つで充分だぞ」
 乗り気になった蜻蛉をじらす桜。

 蜻蛉は、 不気味な笑みを浮かべて、 目を輝かせた。
「そんなんじゃなく、 あたし自身が大金持ちになって、 好き放題に 世間を牛耳(ぎゅうじ)るのだ。
 わっはっはっはっは」
 腰に手を当てての高笑いだ。
 世間の皆さまは、こんなのに牛耳られたくないと思うことだろう。

 桜は、 何かを目論むように 目を細めた。
「どうしようかな、 まあ、 教えてやらんでもない。
 なんなら 手助けしてやらんでもない」
「お願い!  いえ、 お願いします、 桜様。 桜大明神」
 本当に 手を合わせて拝みだした。
 桜は さんざんじらした挙句に、 さりげなく つぶやいてみせる。
「最近、 ちょっと肩がこっていてな、 何をするにもおっくうになっていかん」
 ささっと、 後に回って、 肩を揉みだす蜻蛉。
 完全に操られていた。

「おお、 いい気持ちだ。 上手いぞ。 気の利く娘は好きかも」
 こうして、 蜻蛉は 三日三晩、
 肩をはじめ、 腰やら 脚やら 体中を揉まされたのだった。
 しょっちゅうやらされているので、 案外得意だ。
 上手だとおだてられて、 本気になって揉みほぐす。
 いいかげんに気付け と言いたくなった頃、 桜が おもむろに口を開いた。

「まず、 最初のお願いが肝心だな。 そこで間違えてはならん」

「おう、 そうだった。 ちょっと待って」
 蜻蛉はあわてて、 小さな手帳に覚書を書き始めた。



戻る★★★次へ

トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
778: by LandM on 2012/11/03 at 20:27:06

願いごとは間違えるのもあれですけど、シンプルなのも大切ですよね。複雑だと、あまり願いごとの思いがぶれると聞きますけどね。・・・誰から聞いたんだろう。自分も神社で願いごとは1週間に一回はしてますけどね。願掛けは必要ですからね。

779:Re: LandM様 by しのぶもじずり on 2012/11/03 at 23:00:27 (コメント編集)

この物語の場合、魔法のアイテムへの願い事ですから、単純にできています。
具体的でシンプル。宝珠は複雑なお願いは 受け付けないことになってます。(笑)
神仏への願い事とは 別物だと考えています。

▼このエントリーにコメントを残す

   

プロフィール

しのぶもじずり

Author:しのぶもじずり
とりあえず女です。
コメントを頂けると、うれしいです。

最新記事

最新コメント

カテゴリ

検索フォーム

いらっしゃ~い

らんきんぐ

よかったら押してね
 にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ にほんブログ村 小説ブログへ
 

リンク

このブログをリンクに追加する   リンクフリーです

おきてがみ

FC2以外のブログからお越しの方、クリックで足跡が残せます。
「ことづて」は機能していませんので、ここにはコメントは残せません。

RSSリンクの表示

QRコード

QR

月別アーカイブ

フリーエリア