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犬派のねこまんま 20である     byねこじゃらし

<電波な話>


 ある日のこと、 吾輩の中から、 一つの物語 が湧きあがってくるのを感じた。
 出だしからクライマックスまで、 鮮やかに浮かび上がってきたのである。
 特に、 クライマックスからエンディングにかけては、 想像するだけでも感動 できる良い話であった。
 吾輩は すっかりその気になり、 原稿用紙を用意したのであった。
 書く前から既に、物語は吾輩の中にほぼ出来上がっていた。

 そうしたある晩のことである。
 吾輩はのんびりと、 菓子などつまみながらテレビを眺めていたと思いたまえ。
 テレビでは、ドラマ を放送していたのであった。
 特に気合を入れて見たい番組という訳でもなく、 日常の夜の 憩いの時間になるはずであった。

 が、 途中で、 吾輩は愕然とすることになる。
 ドラマが進むにつれて、 菓子など食べている場合ではなくなった。
 吾輩が考えた物語が、 ほぼそのままテレビドラマになって放送されていた。
 感動のクライマックスは、 吾輩の物よりも、少しばかり薄味になってはいたが、
 主要人物の女の名前まで、吾輩が考えた物と同じだ。

 盗作された、と思った。

 ただ一つ重要な問題があった。
 吾輩は、まだ一行も書いていなかったのだ。

 
 頭の中を盗まれた! 
 そんなはずはないのだが、 そう思いたくなるほど そっくりだった。

 何かを作ると、 案外 珍しくはない体験であろう。


 さて、 それよりもっと子どもの頃、
 マンガ雑誌で アイドルグループの衣装デザイン画を募集した。
 吾輩も送り、見事に落選 した。

 それから半年余り後、
 別のアイドルクループの新曲用衣装が発表になり、驚いた
 吾輩のデザイン画と細部まで酷似していた。
 飾りボタンの数まで同じである。

 その話を職場でした時である。
「ああ、 あたしも、 おんなじ。 盗作されたかと思った」という人が居た。
 彼女は、CMのキャッチコピーの公募に応募して落選
 やはり半年後くらいに、 自分が応募して落選したのと同じもの が、
 他の企業のキャッチコピーとして、テレビCM にガンガン流れ出したので 驚いたそうだ。

 当人たちにとっては、 タイミングがタイミングだけに、 盗まれた感が否めない。
 だがしかし、 思い出して欲しい。
 吾輩が 書いてもいない物語を盗まれた事を。

 非難を恐れず、 一つ変な事を書く。

 ある晩、 夢を見た。 パチンコ屋の夢である。
 店内には、 大音量で歌が流れていた。 その頃、 人気絶頂の女性歌手の声だった。
 夢の中の吾輩は、 パチンコをしながら、 その歌を一緒に口ずさんだ。

 2~3ヶ月後
 テレビの音楽番組。 翌日発売の新曲を、特別に披露するという。
 吾輩は、 何気なく、 リフレインされるサビの部分を一緒に歌った
 夢の中で パチンコをしながら散々歌った曲だったからだ。
 さすがに 全曲を歌えたわけではないが、 我ながら、 びっくりである。

 なんで、 こんなことが……。


 世界の歴史をみると、
 同時代に、 全く離れた地域で、
 似たような、 あるいは同じ発明や発見があった事が、 案外あるものである。
 例えば、 数学でいえば、 関孝和(1642~1708)と ライプニッツ(1646~1716)
 ほぼ同時代の日本とヨーロッパで、 似たような計算方法を編み出した。

 発明王エジソンは、いろんな人と発明がかぶっている。
 電話はグラハム・ベルと、白熱電球はジョゼフ・スワンと、etc.
 白熱電球の特許申請をした日に至っては、ほんの数日の差だったとか。


 ところで、 話はすっかり飛んでしまうが、 日本は、 猿研究で偉大な功績を残している。
「イモ洗い猿」 というのを 聞いたことはおありだろうか。
 さる絶海の孤島に、 猿の群れ が生息していた。
 ある時、 一匹のメス猿が イモを海水で洗って食べた。
 泥は落ちるし、 ほんのり塩味が付いて 良い感じである。
 そのメス猿は、 グルメだったのかもしれない。 すっかりはまった。
 やがて、 子どもたちも母を真似て、 イモを海水で洗ってから食べるようになり、
 その一家から派生したイモ洗いの習慣は、 島にあまねく定着した。

 何故、 ここまで詳しく分かっているかというと、
 日本人研究者たちは、 観察だけで猿の個体識別ができるらしい。
 外国の研究者には 難しい事なのだとか。
 日本人研究者たちには、 猿顔の知人 がたくさん居たのかもしれない。

 さーて、 お立会い。 その島から離れた場所に、 別の島があったとさ。
 あ~ら不思議
 二つの島には 全く往来が無いにもかかわらず、
 イモ洗いの習慣が いつの間にか伝染していたのであった。

 そう!  猿だって同じ時期に、 同じことを考えつくのである。

 誰かが考えたことが、 正体不明の電波のようなものになって、 飛び交っているのかもしれない。

 だから、みんなで楽しいことを考えようよ!

 う~む、 我ながら 怪しいことを書いてしまった。
 電波のようなものを信じるか、 信じないかは あなた次第だ。



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by まっとめBLOG速報 on 2012/10/23 at 08:06:38

<電波な話> ある日のこと、 吾輩の中から、 一つの物語 が湧きあがってくるのを感じた。 出だしからク

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コメント
720: by ポール・ブリッツ on 2012/10/22 at 19:16:00 (コメント編集)

そういうことがあった場合、わたしは、

「ああ、わたしと同じようなことを考える人って、世の中に掃いて捨てるほどいるんだなあ」

と反省するようにしています。

反省ついでにネタにして、前に「頭の中がのぞかれている」というショートショートを書いたなあ。転んでもただでは起きんもんね。(^^)

721:Re: ポール・ブリッツ様 by しのぶもじずり on 2012/10/22 at 20:04:17 (コメント編集)

私は、驚きますけど反省はしません。

他人と違っていればそれで良いのか、とも思います。
むしろ、同じことを考えている人がいたことが面白い。
ここに書いた例でいえば、プロと同じレベルの発想があったことが自慢?

それにね。そっくりでもやっぱり違うところも面白い。
関孝和とライプニッツは同じじゃないし。
エジソンの考えた電話とベルが考えた電話、エジソンの白熱電球とスワンの電球は同じじゃない。

「イモ洗い猿」すっごく面白くないですか。

722: by blackout on 2012/10/22 at 21:43:53

逆に、自分は目の付け所が微妙にずれているみたいで(汗)

思いつくことは、その時期では異端扱いされますw

が、しかし

5年ぐらい経つと、その異端だったものが当たり前になってるっていうw

もちろん、当たり前になっているときは、すでに飽きてるっていうw

723:Re: blackout様 by しのぶもじずり on 2012/10/22 at 23:08:58 (コメント編集)

へえ~、そうなんですか。

762:経験ありますねえ by じゅべです on 2012/11/01 at 17:22:17

最近驚いたのが、自分が作った曲とそっくりな曲を、ようつべで南米のピアニストが弾いてたことです。
まあ、達郎さんの意見だと起こりうる話だといつかのサンデーソングブックでおっしゃってましたけどね。

いつか読んだSFにこういうのがありました。
10匹のサルに毎日、毎日タイプライターを打たせる。
数10万年後には、世界中の小説が再現できるというもの。
これを思い出しましたぁ(笑)。

ちなみに第五の力(伝送能力)は、信じております。

763:Re: 経験ありますねえ by しのぶもじずり on 2012/11/01 at 17:53:34 (コメント編集)

「第五の力」というのですか?
ちなみに、第一から第四まではどういう力なのでしょうか。

ジュベさんはそう言うのに詳しそうですね。
「重なりすぎる偶然」みたいなこともありますよね。物語で使うと嘘っぽくなってしまうほどの。
人間は、まだまだ世界の秘密にたどりついていないと感じます。

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