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犬派のねこまんま 18である        byねこじゃらし

<ペットの名前・シリーズ編>


 吾輩が生まれた時、
 すでに わがもの顔で家にいた 黒猫の名前は 「ロク」 であった。
 初めて飼った シェパードの名前は、 住んでいた 村の名前 と同じだった。

 二頭目に飼った犬は、 真っ白い 紀州犬 だった。
 携帯電話のCMに出てくる お父さん犬の カイ君 と同じ犬種である。
 名前は 「ロク」 。 父の命名である。

 黒猫白犬に 同じ名前を付けるセンスが、 相変わらず分からない。
 黒猫の「ロク」は、 クロをさかさまにしたという。
 白犬の「ロク」は、 白いからクロの逆だと言う。
 
 いいかげんにして欲しい。 絶対に手抜きだ。

 分かってはいたのだが、 やはり 父親の影響とは恐ろしい。
 手のり文鳥の名前を、 うっかり 「のりちゃん」 にしてしまった。
 六匹だけ付けた 金魚 の名前も、 今考えると なかなか恥ずかしいものがある。
 発表を差し控えたい。
 この泥沼から抜け出すまでに、 けっこうな時間がかかった。


 犬だから ポチ
 猫だから タマ
 こういう手の抜き方は、 ある意味すがすがしい。
 我が父の ちょっとこじれたいいかげんさに比べると、 まっとうである。

 可愛らしい名前を付けたり、
 カタカナや横文字のお洒落な名前を付けたり、
 凝った名前を付けたりと、
 世の中には 色々な飼い主がいるものである。



 さて、 仕事先でよく一緒になる同業者がいた と思ってくれたまえ。
 少々昔の話になる。
 彼女の友人に、 捨て猫 を見つけると 拾ってしまう人物がいたそうな。
 裕福ではない独身女性なのに、 すでにその時、三匹の猫持ちであった。
 お気に入りの名前を付けたという。

 ある時、 二匹目に拾った猫が、 ケガをして 獣医 に駆けこんだ。
 獣医院では、 持ち主の名前は もちろん尋ねられるが、 ペットの名前も聞く。
 二匹目の猫は 「2号」 だった。
 獣医に告げて、 初めて 問題のある名前であることに気付いたらしい。

「二号さーん、 どうぞ」

 看護師が診察に呼べば、 返事をする飼い主は、 うら若き女性 である。
 近頃は あまり聞かなくなったが、 金持ちの愛人 をこう呼んで 揶揄(やゆ)した時代があった。
 1号は本妻、 という事なのであろう。

 獣医師と看護士が 困った様子になった。
 あたかも、 飼い主を ぶしつけな言い方で 呼んでしまったような、
 なんともいえない 微妙 な雰囲気が漂う。

 困った事に 2号 ばかりが、 ケガをしたり、 病気をしたり を一手に引き受けて、
 他の猫たちは すこぶる 丈夫 であるという。

 獣医に行くたびに、 困惑した様子で 名前を呼ばれる。
 かといって、 取り立てて話題にされないものを、 言い訳がましく説明するのも 難しく、
 いっそ、 できれば 最初の猫 が、
 無理なら 三番目の猫 が、
 ケガか 病気になってくれれば、 趣旨が分かってもらえるだろう とまで愚痴るようになった。

 最初の猫は 「ライダー」
 三番目の猫は 「V3」

 ここまでくれば、 分かる方には もうお分かりだろう。

 彼女は、 仮面ライダー のファンだったのだ。

 その後、 クウガアギト龍騎は 拾ったのだろうか。 ちょっと気になる。



 その話とは全く関係ない知り合いがいる。
 彼女は 友人に招かれて、 家を訪問した。

 けっこうなお金持ちで、 広い家だった。
 立派な客間に通されると、 ソファーの影から 一匹の が出てきた。
 なかなか可愛らしいコリー だったという。

 家主が 「リカおいで」 と呼べば、 しっぽを振って 懐いてくる。
 形は似ていても、 シェットランドシープドックではないから、 けっこう大きいが、
 コリーを室内で飼っても問題ないくらい 広い家だった。

 センスの良い おしゃれな屋敷で飼われるペットにふさわしい、 可愛らしい名前じゃないか、
 と訪問者は和み、
「リカちゃん、 リカちゃん」
 しきりに名前を呼んで、 かわいがった。

 そこへ 開いたドアから 別のコリー が顔を出した。
 おお、 二匹もいるのか、 と思う間もなく、 家主が 気付いて犬を呼んだ。

コクゴコクゴ もおいで、 お客さんよ」
 そこで訪問者は 「ん?」と思った。
 と見る間に、 もう一匹のコリーが……。

 さて、 飼い主はなんと呼んだかというと、
サンスウ も来たの」
 訪問者は、 ぶっ飛んだ。

「リカちゃん」 は 「理科ちゃん」 だった というわけだ。
 お勉強好きな飼い主だったらしい。

 次に飼うのは、 おそらく 「シャカイ」 だろう。



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コメント
631: by blackout on 2012/09/28 at 18:12:01

十人十色、とはこのことを言うんですなぁw

632:Re: blackout様 by しのぶもじずり on 2012/09/28 at 18:40:53 (コメント編集)

ほ~んとですね。
blackoutさんなら、ペットにどんな名前を付けますか?
カナミだったりして。

633: by 園長 on 2012/09/28 at 18:43:11 (コメント編集)

あはははっ(^▽^)笑ったわ~
2号は「さん」を付けると一気にアヤシくなるよねぇ。
リカちゃんのほうは 考えもしないような落ちだし
あー、楽しかった。

634:名前 by 夏音 on 2012/09/28 at 19:05:11 (コメント編集)

お父様のネーミングのセンスすばらしい・・・・私は全面的に支持いたします

むかし読んだ童話に出てきた犬の名前が、なぜか「必要十分条件」でした・・・・その時は意味がわからず・・・・今もわかんないけど

私の名前なんて、夏に生まれてもいないのに「夏音」・・・・父が風鈴好きだったというだけで、こーなりました

みなさん夏に生まれたと思い込み、いちいち説明するのがめんどうです

ところでしのぶもじずりさんの本名も、お父様の命名では?
やはり、グッドセンスなお名前なのでしょうね!

635:Re: 園長様 by しのぶもじずり on 2012/09/28 at 19:06:55 (コメント編集)

楽しんで頂けて良かったです。
これ、実話だというところがすごいですよね。

リカちゃんちに行った人は、ぶっ飛んだらしいです。
呼吸困難になりながら、話してくれました。

636: by lime on 2012/09/28 at 19:30:14 (コメント編集)

名前だけで、こんなに楽しめるとは。
そして今回も、シェパードの名が、どうしても気になります。
「さんすう」「りか」「こくご」・・・w
「ずが・こうさく」は、ないかな?

私の友人は自分の息子に「王子」と名付けましたが。
ちょっと子供が不憫になりました・・・。

637:Re: 名前 by しのぶもじずり on 2012/09/28 at 19:33:40 (コメント編集)

夏音さんいらっしゃいませ

「必要十分条件」では呼びにくかったでしょうね。お手も、おすわりもさせる気が起ない。

夏音さんの父上は、風鈴がお好きなのですね。
可愛らしい良い名前だと思いますよ。

私の名前は、母方の祖父が考えました。祖父の初孫だったので、父が頼んだっらしいです。
自分が頼んだくせに、たま~に文句を言ってました。

祖父が考えてくれた名前は気に入っていますが、戸籍名は気に入りません。
お七夜に神棚に上げた時は、漢字の名前だったのに、役所で、字が使えないからと断られ、
届を出しに行った祖母が、面倒になり、その場でひらがなにして提出してしまったのでした。
「そんなことなら、違う名前を考えたのに」祖父も気に入らなかったようです。
まったく、どいつもこいつも……。

なので、私の名前は、父が依頼→祖父が考え→役所が断り→祖母が変更 した名前なのです。

638:Re: lime様 by しのぶもじずり on 2012/09/28 at 20:12:41 (コメント編集)

ペットの名前は好き勝手ができるから、楽しいです。
人間の名前は、人生を左右する感じがしますよね。

アメリカ人では、「プリンス」という名前をけっこう聞くので、
「王子」も、そのうちに普通になるかもしれませんよ。
どうしても本人が嫌がったら、かなり手続きが面倒らしいですけど、
大人になってから変えられるみたいだし。

639: by blackout on 2012/09/29 at 00:29:34

>しのぶもじずりさん

さすがに小説の主人公の名前は付けないですねw
というか読んでくださってるんですね
「オチユクセカイ」をw

ちなみに、自分は動物があまり好きではないので、ペットを飼うことはないと思いますですw

640:Re: blackout様 by しのぶもじずり on 2012/09/29 at 10:50:28 (コメント編集)

「オチユクセカイ」は、最初が読めないので、いまだに、どうゆう話なのか良く分かっていません。
ごめん。

641: by ポール・ブリッツ on 2012/09/29 at 12:59:49 (コメント編集)

>ご友人のご友人

「タケシ」「ハヤト」「シロウ」と名付けていればそんな苦労もなかったのに(笑)

642:Re: ポール・ブリッツ様 by しのぶもじずり on 2012/09/29 at 13:18:18 (コメント編集)

それでは、ネタにならないじゃないですか。

643:まあ面白い(笑) by じゅべ です on 2012/09/29 at 15:41:54

またまた笑ってしまいました。
しのぶもじずりさんの文章は、
軽妙洒脱そのものですね。
天晴れ(あっぱれ)!

644:Re: まあ面白い(笑) by しのぶもじずり on 2012/09/29 at 18:21:46 (コメント編集)

じゅべさん いらっしゃい

笑って頂けて なによりです。
天晴れまで頂けるとは、恐縮です。

647: by 八少女 夕 on 2012/09/30 at 02:57:29 (コメント編集)

あはは。
このシリーズ、いいですねぇ。
タマとかポチとか、今だとかえって新鮮なのかも。
人間も複雑怪奇なのが流行っていますから、「花子」のインパクトが大きいように。

お父様、いい味を出していて、素敵ですねぇ。しのぶもじずりさんの、ほんわかとした茶目っ氣はお父様譲りなのですね。

648:Re: 八少女 夕様 by しのぶもじずり on 2012/09/30 at 11:36:42 (コメント編集)

こんにちは

何故か、親父の人気が上昇しています。こんなはずでは……。

番組の途中で、突然入るCMみたいなつもりで書き始めましたが、
CMも、ご好評を頂いているようで、有難いです。

649: by しのぶもじずり on 2012/09/30 at 11:40:37 (コメント編集)

じゅべ様 ありがとうございました。訂正しました。

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