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赤瑪瑙奇譚  序章


 ――昔々、 あるところに、 マホロバ王国と名乗る 豊かな大国が ありましたとさ――

 時の王ホヒコデ王の 世継ぎ、 美丈夫の誉れ高い ウナサカ王子と、
 マホロバに咲く大輪の花 と呼ばれた妃テフリ姫の間に
 待望の第一子が 誕生した。

 その知らせは 祝砲によって 民に届けられた。
 一発ならば姫、二発ならば王子、祝砲は二度轟いた。
 
 国中が 喜びに沸きかえり、 未曾有の 大騒ぎを 巻き起こした。
 この国始まって以来の ドンチャン騒ぎ、 と歴史書に載るほどの 事件になった。
 数刻の後、 大砲は手違いだった。
 お生まれになったのは 姫。 と 訂正されたが、
 もはや騒ぎは 誰にも止められることなく、三日三晩の お祭り騒ぎへと 突入していった。

 興奮のあまり 心臓麻痺で 死亡した者一名、 飲みすぎによる墜落などの 重傷者五名、
 意識不明になった 酔っぱらい多数、
 勢いで結ばれた男女、 おそらくは そうとう多数……。


 その半年後、 ウナサカ王子の側室 アリソに 月足らずで 姫が誕生した。
 妻の妊娠中に 他の女に走る夫は 珍しくはない。
 祝砲は一つ。 間違いなく鳴り、
 半年前の ドンチャン騒ぎを反省した民は、
 華やかな中にも 節度を持って 静かに 大人しく祝うことにした。
 
 さらに三年後、 テフリ姫に 王子が誕生した。
 民は 三年前の 反省を踏まえて、 二つ轟いた祝砲にも 慌てる事無く対処し、
 一国の世継ぎの 誕生に相応しい、 厳粛な祝いを 盛大に執り行った。
 
 八ヵ月後、 アリソに 王子が誕生した。
 またか という苦笑と共に、 少し飽きてきていた民は 適当に祝った。
 地味だった。


 これら 誕生時にまつわる話は、
 大人たちによって 面白おかしく 王子と 王女たちにも 繰り返し伝えられ、
 彼らの成長に 影響を与えることになる。


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コメント
21: by hikokichi on 2012/04/26 at 11:49:02

こんにちは。だいぶ横書きに慣れてきました。
まだ頭の中に情景が浮かぶまでにはなっていませんが。

22:すごい! by fate on 2012/04/26 at 19:31:22

なんか、世界昔話の語りを聞いているようです。
姫と王子。
王国のお世継ぎ誕生秘話はどこでも賑やかですな。

今後、どのように展開していくのかわくわくします~

23:Re: タイトルなし by しのぶもじずり on 2012/04/26 at 20:32:27 (コメント編集)

> こんにちは。だいぶ横書きに慣れてきました。

読み手様の 慣れに甘えるのは、忸怩たるものがありますが、
今は おすがりするしかありません。

どうぞ よしなに。 

24:Re: すごい! by しのぶもじずり on 2012/04/26 at 20:40:13 (コメント編集)

> なんか、世界昔話の語りを聞いているようです。
すいません。そこまで たいそうではないかも。

私的には、冒険ファンタジーのつもりです。
気軽に 読んでやって頂ければ うれしいです。

142: by LandM(才条 蓮) on 2012/06/10 at 16:47:21

おそらく初めましてです。
場末でファンタジー小説をかかせていただいているLandMの才条 蓮です。童話みたいな語り口調が上手くで面白いな・・・と思いました。私ではこういうのは書けないので羨ましいですね。
また寄らせて頂きますね。

144:Re: LandM様 by しのぶもじずり on 2012/06/10 at 18:00:46 (コメント編集)

> おそらく初めましてです。
はじめまして! 新米ブロガーのブログにようこそ。
コメントしてくださって ありがとうございます

> 童話みたいな語り口調が上手くで面白いな・・・と思いました。
うれしいです。軽いファンタジーの感じが出せているでしょうか。

> また寄らせて頂きますね。
お待ちしています。

1048: by デジャヴ on 2013/01/18 at 01:56:44

こんばんは。
『クロウ日記』を読んでいたので、今作『赤瑪瑙奇譚』に親しみを持ちつつ、読み始めることができそうです。
長編とのことですので、じっくり味わいながら読み進めようと思います。どんな展開になるのか予想もつかないので楽しみです!
それにしても・・・四番目に誕生した子が不憫でしかたないです。もっと祝ってあげてほしかった(笑)

1049:Re: デジャヴ様 by しのぶもじずり on 2013/01/18 at 18:04:23 (コメント編集)

いらっしゃいませ。

> それにしても・・・四番目に誕生した子が不憫でしかたないです。もっと祝ってあげてほしかった(笑)
世間の風は、そんなものですって。
兄弟が多いと、下の子ほど写真とか、記念品とかが減っていきます。
親だって例外ではありません。
その代わり自由です。
親や世間の縛りが緩いです。そんな気がします。

またのお越しをお待ちしています。


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