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九郎判官義経


 いきなりですが、昨年の大河「鎌倉殿の13人」で義経を演じた菅田将暉君。
 良かったわ〜。ファンになりました。

 日本人は判官贔屓が多い。とよく言われます。
 その判官贔屓の本家本元・元祖こそが、九郎判官義経。
 日本中から贔屓され続けた人です。

 数々の言い伝えが残っています。
 鞍馬山で修行していた少年時代、
 京の五条の橋の上、刀狩りをしていた弁慶に襲われるも、返り討ちにして家来にしました。
 絵本にも童謡にもなりました。

 長じては、鎌倉の兄頼朝の元に駆けつけ、
 一の谷では、鵯越の逆落としで平家の本陣を奇襲して大勝利。
 海戦になれば、舟から舟へと飛び移りながら敵を討っての八艘飛び。
 源氏に勝利をもたらしました。
 運動神経が抜群だったのでしょうね。
 <鵯越の逆落とし>といえば、おお、義経だな。
 <八艘飛び>といえば、うん、義経だね。
 というのが、長い間日本人の常識でした。

 それなのに一転。

 兄の頼朝に疑われて追われます。
 逃げる途中の安宅の関。
 通り抜ける為に弁慶の打った芝居に黙って付き合います。
 この辺りは、能の「安宅」や、歌舞伎十八番の「勧進帳」になりました。

 平泉まで落ち延びるも、頼った藤原秀衡が死亡。息子の泰衡に襲撃されて死にました。
 その時に、弁慶が最期まで義経を守ろうと仁王立ちしたままに死んだらしいです。
 そう伝えられています。

 その時に義経は死んだはずです。
 なんですが……。
 何故か、その後のことも伝わっています。
 遠野から青森へ、青森から北海道まで、義経が通ったと言う話が伝わっています。

 それどころか、北海道から大陸に渡ってジンギスカンになったという話まであります。
 そこまでいくと、さすがにデマでしょうと言いたくなります。
 デマでしょう。

 義経は小柄だったらしいです。
 ジンギスカンは大男だったらしいです。
 デマでしょう。

 とにかく伝説が多すぎます。
 多くは「義経記」のせいでしょうけど、多すぎます。
 たった一人の人間のことだとは思えなくなります。

 歴史上の人物だというのに、こいつは何なんだ。
 生身の人間が想像できません。
 私の想像力が全く追いつきません。

 助けてくれたのが「鎌倉殿の13人」の菅田将暉君でした。
 ああ、なるほど。腑に落ちた感じがしました。

 元気いっぱいで頑張ったのに、
 歴史の大渦に巻き込まれて、たった31歳ですり潰された。
 確かに悲劇の人なのですね。


 若い人の感性ってすばらしい。
 新鮮な感動を覚えました。


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コメント
5279: by とら次郎のとうちゃん on 2023/09/18 at 17:22:55

しのぶもじずりさま
判官贔屓ですね。日本人の一つのいい点であったんですけど。弱肉強食、いつから強ければいい世の中になったんでしょうか。私はとっても嘆かわしい世だと思ってるんですよ。プラスこの暑さもあり参ってます。

5280:Re: とら次郎のとうちゃん様 by しのぶもじずり on 2023/09/18 at 17:31:40 (コメント編集)

私は、弱肉強食よりも焼き肉定食が良いです。
九月の半ばを過ぎて、この暑さ。たまらないです。

5281: by ユーアイネットショップ店長うちまる on 2023/09/19 at 05:25:23

義経は美男子が演じてますが、その実、
ブ男と言われ、その意味でも頼朝から嫌われてたという説も。静御前も本当は頼朝が欲しかったのに義経に先に取られたとか所説ありますね。

5282:Re: ユーアイネットショップ店長うちまる様 by しのぶもじずり on 2023/09/19 at 07:23:02 (コメント編集)

私も、義経はチビで色黒の醜男で、弁慶は色白で長身の美男子だった、という説を聞いたことがあります。
義経の肖像画を見ても、美男子には見えないですものねえ(笑)

5283:FC2ブログ更新お疲れ様です。 by 横町 on 2023/09/19 at 17:46:41 (コメント編集)

尾ひれ、背ひれがつくと言う話は昔から枚挙に暇がありません。赤穂浪士や伊達騒動もその類と受け止めています。その中で事実を抽出するのは難しいですが、手っ取り早いのは歴史作家の作品を借りること(但し鵜呑みにしてはいけない)と受け止めています。

義経は本当に小柄だったのか?弁慶がでかかったのでそう見えただけでないのか?そんな視点も蔑ろには出来ない気がします。要は自分なりのフィルターを持ち、その目を細かくする努力をしているか?ということです。

歴史作家の作品をヒントとして、そこからは自分の見解を加える。歴史探訪にはそのようなスタンスが必要と受け止めています。磯田道史氏のような表現力の豊かな作家(教育者)は大きな拠り所と捉えています。

◎まとめ◎
おはからいにより本日も着目すべき記事に触れさせて頂きました。ありがとうございます。

5284:男の嫉妬ほど恐いものはない by sado jo on 2023/09/19 at 18:18:40 (コメント編集)

聖徳太子はなぜ後世の世で「聖人」と讃えられる様になったのか?
菅原道真はなぜ後世の世で 「天神様」として祀られる存在になったのか?
聖徳太子の死後に一族全員が殺された。右大臣にまで昇進した道真は冤罪で大宰府に流されて生涯を終えた。
その原因は「男の嫉妬」…太子も道真も出世しすぎて、地位を奪われそうになった蘇我氏や藤原氏の邪魔になった。
でもそのまま放置すると蘇我氏や藤原氏は庶民の憎まれ者になってしまう…そこで聖人に祀り上げ、神社を建てて奉った訳です。
手柄を立てて人気の出た弟に嫉妬して殺したはいいが、危うく悪者にされそうになった頼朝は義経を英雄に祀り上げて庶民の批判を交した。
<鵯越の逆落とし>も<八艘飛び>も史実にあらず。全て鎌倉幕府の脚色です…げに「男の嫉妬」は女のそれより遥かに恐ろしい!
ワグネルのプリゴジンも「出る杭」にさえならなきゃぁ、プーチンに殺される事はなかったのになぁ(笑)

5285:Re: 横町様 by しのぶもじずり on 2023/09/19 at 19:51:36 (コメント編集)

私は歴史研究家でもなく、歴史愛好家というほどの者ではありませんから、楽しめればOKなのです。
すいません。
今回の記事のメインテーマは、義経を演じた菅田将暉君が良かった。ということです。
数々の逸話をぶっ飛ばす勢いの良い演技でした。

歴史家の先生方の色々な説を読んだり聞いたりするのは、嫌いではないですけど、あくまで楽しみの範囲です。
自分で勝手に推理するのも楽しいですけど。

5286:Re: 男の嫉妬ほど恐いものはない by しのぶもじずり on 2023/09/19 at 20:11:07 (コメント編集)

わお、男の嫉妬は怖そうですね。
sado joさんも嫉妬深かったりしますか?

でました聖徳太子! 謎多き方ですよね。
私が一番不思議に思っているのは、何故 聖徳太子なのか。です。
遣隋使が持っていった手紙は聖徳太子が書いたそうじゃないですか。

有名な下りの「日出処の天子」が不思議です。
随の煬帝を「海西の菩薩天子」と書いてあります。
「天子」はトップのことじゃないの。
随の天子が皇帝なら、日本の天子は天皇じゃないの?

この時には、もしかして天皇になってたんじゃないの?
太子が天子と自称しても良いの?
なんかもやもやするので、どなたか検証してくれないかしら。ワクワク。

「八艘飛び」は目撃者の証言頼みですけど、鵯越の逆落としは検証されているようです。
場所は少しずれてるかもしれないけど、奇襲はしたようですよ。

5287:管理人のみ閲覧できます by on 2023/09/20 at 17:55:42

このコメントは管理人のみ閲覧できます

5288:Re: 鍵コメ様 by しのぶもじずり on 2023/09/21 at 16:15:14 (コメント編集)

知らんがな。

5289:管理人のみ閲覧できます by on 2023/09/22 at 18:18:59

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