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何故にホトトギス


 有名な川柳がある。川柳でいいらしい。

 鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス (信長)
 鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス (秀吉)
 鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス (家康)

 三英傑がそろって、ホトトギスの鳴き声を聞きたいらしい(笑)
 ホトトギスの声って、そんなに良いものなのだろうか。
 疑問だ。

 古くから「テッペンカケタカ」と表現されている。
 近代になって「トッキョキョカキョク」特許許可局。
 切羽詰まったような金属的でせわしない鳴き声だ。
 そんなに良いもんだろうか。
 のんびりとしたウグイスの声の方が好きだけどな。

 ウグイスといえば、ホトトギスはウグイスに托卵する。
 ウグイスの巣の卵を蹴落とし、そこに卵を産む。
 知らぬが仏のウグイスは、懸命に卵を温め、ひなを育てる。
 ホトトギスは育児放棄だ。悪いやっちゃ。

 ホトトギスには、いろんな漢字表記がある。
 不如帰 時鳥 杜鵑 杜宇 田鵑 蜀魂 郭公 子規
 これ全部ホトトギスである。
 中国の故事に由来するらしい。

 昔、蜀が廃れた時、杜宇という男が農業を振興して立て直した。
 死んだ後も魂となり農業を始める時期になると鳴いて知らせた。
 だから杜宇で、蜀魂で、田鵑で、時鳥。
 ところが、他国に襲われて滅びてしまった。
 ホトトギスは帰るところが無いと嘆いた。
 だから不如帰。

 日本では、古くは郭公と表記されていた。
 万葉集なんかに出てくる郭公はホトトギスのことだ。
 ホトトギスはカッコウの仲間でもあるらしい。

 子規は、よう知らんけど、正岡子規という俳人が居る。
 結核に冒され、血を吐いた時から、子規と名のった。
 自虐ネタっぽい。

 鳴いて血を吐くホトトギス。そんな表現をされている。
 鳴く時に口を開けると、口の中が赤い。
 そのせいらしい。
 切羽詰まったような鳴き方も関係してそうだ。

 奇しくも信長の妹 お市の辞世にもある。
  さらぬだに 打ちぬる程も 夏の夜の
  別れを誘ふ 郭公(ほととぎす)かな

 足利義輝の辞世では不如帰になっている。
  五月雨は 露か涙か 不如帰 我が名をあげよ 雲の上まで

 滅亡を連想される鳥でもあるらしい。

 他種を蹂躙して利用し、
 国を興して農業の始まりの時を告げ、
 滅亡して嘆く。

 そんな鳥らしい。
 どんな鳥やねん。

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コメント
5127: by sado jo on 2023/03/25 at 17:34:32 (コメント編集)

ホトトギスは小型のカッコウ(カッコウ科)なので当然ながら托卵する習性があります。
季語の通り夏鳥です…昔の戦は春の種撒きや秋の刈入れ時(そんな時期にしたら百姓が反乱する)を避けて、夏季に行なわれていました。
なので信長・秀吉・家康の三英傑が戦場でホトトギスにまみえる事も不自然ではありません。しかし…
 他種を蹂躙して利用し(ロシア人)
 国を興して農業の始まりの時を告げ(ピョートル大帝)
 滅亡して嘆く(プーチンかな?)
となれば…寒い冬の国の国鳥に制定した方が相応しい様な気もします
まさにロクな指導者が出ないあの国で「テッペンカケタカ(天辺欠けたか)」と嘆いているのがお似合いです(笑)

5128: by ユーアイネットショップ店長うちまる on 2023/03/26 at 08:02:57

数日前に公園で鶯の鳴き声に
思わず立ち留まりました。

5129: by ユーアイネットショップ店長うちまる on 2023/03/26 at 08:03:44

数日前に公園で鶯の鳴き声に
思わず立ち留まりました。

5130: by ユーアイネットショップ店長うちまる on 2023/03/26 at 08:04:28

数日前に公園で鶯の鳴き声に
思わず立ち留まりました。
可愛いです。

5131:Re: sado jo様 by しのぶもじずり on 2023/03/26 at 16:25:43 (コメント編集)

いやあ、ホトトギスもいろんなものに喩えたら大変ですよね。
勝手にそんなことにされても、自分ただの鳥だし。
動物会議に異議申し立てをするかも(笑)

♪キツネはずるくはないんだと
 ロバはのろまじゃないんだと

5132:Re: ユーアイネットショップ店長うちまる様 by しのぶもじずり on 2023/03/26 at 16:29:12 (コメント編集)

おー、鶯が鳴きましたかあ。
春ですな。春ですな。

5133:天辺賭けたか by miss.key on 2023/03/29 at 12:55:38 (コメント編集)

 一度男に生まれたからにゃ、天下目指さずいられよか。ってな具合でホトトギスに準えた天下への道。ある者は運命に抗いきれず志途絶え、ある者はすんでのところで志半ばに、ある者はたがえて足踏み外し、ある者は志果たすも憂いを残して、ある者は棚からぼた餅で。
 さて、歴史の傍観者ホトトギスさんは今日何を見ていらっしゃるのでありませう。とりあえず時代錯誤の馬鹿二人が側だけのお山の頂上に居座っておられますが。

5135:Re: 天辺賭けたか by しのぶもじずり on 2023/03/29 at 16:25:31 (コメント編集)

miss.keyさんは、「天辺賭けたか」と解きましたか。
「天辺翔たか」とか「天辺欠けたか」とかもあるようです。
どちらにしろ、問題にされるのは天辺なのですね。
煩悩ですかな。

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