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桃の缶詰


 《子どもの頃、病気になった時だけ食べさせてもらえた物があった。
 桃の缶詰である》
 そんな記憶を綴ってあるのを読んだ。

 あるよねえ。そういうの。
 病気にかかった辛い記憶が、
 いつの間にか、美味しい物を食べたうれしい思い出にすり替わっていたりする。

 病気の辛さに耐える子に与える親心だろう。
 熱があって食欲が弱っている時に、冷たく甘い桃の缶詰は食べやすい。
 缶詰だから季節を問わず手に入れられるのもポイントだ。

 最近は、生の果物が何かしらいつでも手に入るからか、
 果物の缶詰を久しく食べていない。
 昔は、パイナップルの缶詰やみかんの缶詰はそれなりに食べていた。
 白桃の桃缶は高級感があるせいか、特別な感じがする。

 それはともかく、桃である。

 昔は、桃を食べると精がつくと考えられていたらしい。
 川を流れてきた桃は、なんと桃太郎を産んだ。

 桃から産まれた桃太郎だが、
 子に恵まれない夫婦が、桃を食べて励んだ結果、子を作った。
 そういう元ネタがあったようだ。
 う〜む、バイアグラかな?
 産まれた桃太郎は、元気に育って鬼退治までするんだから、たいしたものだ。
 桃 すごい。

 他にも、夜のお楽しみの前に湯につかっている旦那に、
 お妾さんが、冷えた桃を用意するという話も小耳に挟んだことがある。
 旦那は、頑張ったんだか頑張らされたかしたのだろう。
 ということは、バイアグラより精力剤なのかなあ。
 どっちにしろ、桃は精がつくと伝えられていた。
 残念ながら、今のところ科学的根拠は無い。

 <桃色>と聞くと、エロい感じがするのも不思議に符合する。

 理想郷を桃源郷とも言う。
 なんてったって桃の源である。
 柔らかくて、自由で、元気になれる里なんだろう。
 病気の子どもも元気になれそうだ。てへっ。


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コメント
5037: by ユーアイネットショップ店長うちまる on 2022/12/10 at 04:50:10

以前、桃太郎伝説にもなった岡山県の奥津渓
に行ったことがあります。結構、山奥です。
そこからずっと下に降りる岡山市の近くになると吉備神社が。
桃で思い出しました。

5038:疑われる政治家や役人か多い今日に桃園の教え(笑) by sado jo on 2022/12/10 at 16:03:43 (コメント編集)

その昔、中国原産の桃は大きめの梅程度で今より小さく、不老長寿の仙薬として珍重されたそうです。
日本には早くから儀式用に輸入されていたらしく、奈良の纏向遺跡では300個以上の桃の種が出土しています。
なので仮に昔話の通りですと、桃から生まれたのは桃太郎ではなく一寸法師と言う事になりますね(笑)
ちなみに、誰しも不老長寿は憧れであり、古代中国では政治家や役人までが桃園で桃泥棒をやったそうです。
「李下に冠を正さず」…と言う中国の諺は、盗んだ桃を冠の中に隠したと疑われない様にせよ(品行方正の教え)だとか。

5039:Re: ユーアイネットショップ店長うちまる様 by しのぶもじずり on 2022/12/10 at 17:12:34 (コメント編集)

おお、行った事があるのですね。奥津渓。
桃は美味しいですよね。好きです。

5040:Re: 疑われる政治家や役人か多い今日に桃園の教え(笑) by しのぶもじずり on 2022/12/10 at 17:22:41 (コメント編集)

safo joさん、桃太郎と一寸法師をコラボするのは無理がありそうですよ。
やっぱ、すももももももももうち、なんですね。
李園でも、果物泥棒が出ますか。

スモモも桃も美味しいですが、近頃は昔ながらのハタンキョをあまり見かけなくなりました。
残念。

5041:おはようございます。 by ☆バーソ☆ on 2022/12/11 at 08:02:31 (コメント編集)

すもももももももものうちとつい日本人は言いたくなりますから
なんでもかんでもももがいいと中国では思われていたのでしょう
やまぐちももえのふとももがいいと思った人もいたはずでしょう
ももんがーだっていいんだと思った人だってむろんいたでしょう
しかし私の場合は幼少のみぎり病気のときはミカンの缶詰でした
ミカンは甘酸っぱくて切なくて人恋しくて元気になれそうでした
なおドンブリコというオノマトペは桃太郎の昔話だけに使えます

5042:Re: ☆バーソ☆様 by しのぶもじずり on 2022/12/11 at 16:36:32 (コメント編集)

うふっ、言っちゃいました。すもももももも……。

みかんの缶詰も美味しいですよね。
そいえば、去年買って食べました。
みかんの薄皮を塩酸?でしたっけ、強い酸で溶かして缶詰にしていると言う話が広まって、一気に人気薄になりました。
明らかに体の害になるなら、ロングセラーにならないと思うのですけどね。
砂糖や動物性脂肪も悪役にしてしまう時代ですから(笑)
体の調子が悪くなったら止めればいいだけでしょうに。
問題は、偏食と食べ過ぎでしょう。そう思います。

5043:FC2ブログ更新お疲れ様です。 by 横町 on 2022/12/12 at 04:27:52 (コメント編集)

桃🍑の缶詰と聞いて心ときめくものを感じます。そのような艶っぽい話もあるのですね。👂
建設業に携わった自分ですが、知り合いの鳶土工のK親方(故人:数十人の従業員を雇っていたと言います)が福島県いわき市の小名浜出張の際に飯場(作業員宿泊所)で、毎夜、桃の缶詰を食べていたとのことです。職業柄、ほとんどの人は酒を飲むわけですが、数十人の宿泊者の中で酒を飲まないのはたった3人であり、その中にK親方が入っていたと言います。

仕事が終わって食事を済ませると桃の缶詰を食べるのが楽しみだったと言っていました。
その親方は競馬が趣味でしたが、別なほうの道楽に関しては語らず仕舞で、今となっては、小名浜の例の遊興施設(ここは結構有名です)に行っていたのか否かは想像に委ねるのみです。K親方の息子さんとは今も付き合いがあり、たまにゴルフに行ったりしています。本日は余談を長々として大変失礼しました。

しのぶもじずりさん、今週もいい週となりますことを心からお祈りしています。ありがとうございます。

5044:Re: 横町様 こんにちは by しのぶもじずり on 2022/12/12 at 16:01:47 (コメント編集)

小名浜って昔から有名なところですよね。
桃の缶詰から良い思い出が出てきたなら良かったです。

何故か懐かしい桃缶。そういうことでしょうか。
私も久しぶりに食べたくなりました。もちろん桜桃じゃなくて白桃の桃缶です。

5045: by さえき奎(けい) on 2022/12/13 at 23:17:51 (コメント編集)

そうそう、風邪など引いて寝込んだ時には桃缶が食べられましたね(笑)。
子供心に、高熱で味がよくわからなくてもこんなに美味いんだから、健康な時に食べたらどんなにか美味いんだろうと思っていました(笑)。
大人になってからはネクタリン(油桃)が大好きになりました。

ちなみに『桃尻語訳 枕草子』は今でも愛読書です(笑)。

5046:Re: さえき奎様 by しのぶもじずり on 2022/12/14 at 16:29:25 (コメント編集)

さえきさんも「すもももももも……」の口ですか。
ネクタリンとかソルダムとか、すももにも色々種類があると知ったのは大人になってからでした。
子どもの頃はハタンキョしか知りませんでした。
あれは好きです。
高校生になってから麻疹にかかった時、うわごとにようにハタンキョを欲しがったらしいです。
季節外れで、親も困ったようです。食べられませんでした。

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