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蛇足ながら勝手な解説

 前の記事で、万葉集の最初の歌の勝手な解釈を書きました。
 勝手すぎて分り難い部分があるかと思い、蛇足ながら説明してみます。

 天皇の御製歌(すめらみことのおおみうた)

 泊瀬(はつせ)の朝倉の宮に 天の下(あめのもと)知らしめしし天皇
  《前記事で「雄略天皇の御歌と伝えられていますが、はっきりとは書いてない」
   と書きましたが間違えていました。訂正します。
   泊瀬の朝倉宮で天下を治めた天皇は、雄略天皇のことらしいです》

 籠(こ)もよ み籠もち 
  《籠を持って それも良い籠を持って》

 掘串(ふくし)もよ み掘串もち
  《シャベルを持って できの良いシャベルを持って》

 この丘に 菜摘ます子 
  《この丘で 菜を摘み 食を得て暮らす いとしげな人よ》

 家聞かな 告(の)らさね
  《どこの家の人だろう。聞かせて欲しい。
   家を聞き名を聞くのは、当時の妻問い つまりプロポーズの定番だったらしいが、
   あえて、本来の言葉通りの意味かもしれないと考えた。
   何故なら、<家聞かな 名告らさね>のほうが、歌の調子が収まる気がする。
   それなのに、家だけ聞いて、名を聞いていない。
   なんかおかしい。プロポーズじゃないんじゃないの。
   いよっ、名推理! なんちゃって(笑)
   丁寧な言葉遣いから、敬意を表している雰囲気がある。
   一族を起こして良い暮らしをしているのだろ、という感じかなと思った》  
 
 そらみつ 大和の国は
  《「そらみつ」は、大和にかかる枕詞。
   たぶん、空満つ。天に知らしめる→天下の という意味かな》

 おしなべて 吾こそをれ 
  《圧(お)して 並(な)べて、つまりは征服して、吾こそが居る》

 しきなべて 吾こそませ
  《布(し)いて 並べて、つまりは統治している吾こそが居る》

 吾こそは告らめ 家をも名をも
  《どうだ、これほどの吾こそが 伴侶を求めよう。
   吾と共に 来て欲しい》


 こんな勝手な解釈をしてみました。
 プロポーズを装った建国宣言という感じがしないだろうか。
 しないかなあ。
 してくれるとうれしいなあ♪

 余計に分り難くなってなければ良いけど。


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コメント
5031: by ユーアイネットショップ店長うちまる on 2022/11/17 at 03:56:46

楽しく拝見させていただきましたよ。

5032:Re: ユーアイネットショップ店長うちまる様 by しのぶもじずり on 2022/11/17 at 16:34:13 (コメント編集)

楽しんでいただけたならうれしいです。
いつもありがとうございます。

5033:祝詞を思わせる万葉の起源は、宗教国家:邪馬台国(ヤマト)からか? by sado jo on 2022/11/17 at 16:46:36 (コメント編集)

雄略天皇は稲荷山古墳の出土鉄剣にその名と西暦471年の統治年代が刻まれ、初めて考古学的に実在が確認された大君です。
宋書には倭王武の名で記載されてますのでまず間違いない。しかし、5世紀に大和王権が成立していたなら、それ以前に日本を纏めた大君がいた事になり、それは誰なのか?が古代日本史の議論の的になっています。
仮に神武天皇を祖先だとすると、それは中国でさえ王権が存在しない紀元前の春秋戦国時代となり、有力視される第10代崇神天皇でも稲作が始まったばかりの一世紀の弥生時代になります。
日本書紀で見ると、神功皇后などの伝説的逸話の多い第15代応神天皇がちょうど邪馬台国の時代と重なる事から、この時期に日本の統一が為されたのではなかろうかと思われます…従って事実上の初代天皇は応神か?
それだと呪術師的な教祖である中国名:卑弥呼は神功皇后と言う事になり、応神天皇はその弟、又は夫になります…日本と言う国の不思議は国家統一に伴う古代の戦乱の痕跡が一向に見つからない事です。
もし邪馬台国が宗教国家であり、宗教によって国が纏められたなら戦乱は起きなかったはずで、現代の神社の神主と巫女の関係…皇室の儀礼衣装の起源も古代邪馬台国に求める事ができて日本史は一貫して筋が通ると思いますが如何でしょうか?

5034:Re: 祝詞を思わせる万葉の起源は、宗教国家:邪馬台国(ヤマト)からか? by しのぶもじずり on 2022/11/17 at 17:48:17 (コメント編集)

sado jo様 いらっしゃい。
邪馬台国は何処だ!
興味深いお話をありがとうございます。
古代史のロマンですね。

青森にある三内丸山遺跡は紀元前三世紀あたりの遺跡らしいですが、周辺の遺跡を含めて戦乱の跡がないらしいです。
文物の交流の痕跡はあるようなので、戦にならず、上手く交流していたのでしょう。
戦争しなくてもやっていける世界だってあると思うと、うれしいです。
おい、古代の日本を見習えよ。そう言ってやりたい。

5035:ようは知らんけど by miss.key on 2022/12/04 at 21:46:44 (コメント編集)

「誰それの娘」。もちろん名が無かったとは思わないけど、昔々の女性について文献にはこう綴られる。つまり、「どこそこの家の娘」かを聞けば事足りたのではなかろうか。若しくは、文芸に於いてはそう描くのが習わしと言うか常道だったのではないかと、思ったりする。

5036:Re: ようは知らんけど by しのぶもじずり on 2022/12/05 at 16:58:58 (コメント編集)

sado jo様 ども。
それが<正統>な解釈なのでしょうね。
良い推理だと思ったんだけどなあ。

でも、儒教の影響もまだうすいと思われ、西洋思想と無縁だと思われる時代です。
家の財産は女性が相続しららしいですし、女性の名前はヒ・ミ・ツ。
聞いてしまった人には守秘義務があったみたい。
名前を聞いたら逃げられない(笑)

そんな事を思ったり。

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