原因と結果が逆です。これも風評被害でしょうか。
あれこれ放談 - 2020年10月30日 (金)
菊の季節です。
菊の花と言うと、「お葬式の花ですね」と言った人がいました。
残念です。
菊は四君子に数えられる高貴な花です。
だからこそ、功成り名を遂げた人を送るにふさわしい花とされたのでしょう。
香り高く、虫を寄せ付けないこともあったのかもしれません。
葬儀の会場ばかりか、棺の中でも故人を飾ることが多い。
お葬式の花と言われれば、間違いだとは言い切れません。
墓前や仏壇にも飾られるので、その印象が強いです。
でも、菊がお葬式用の花というわけではありません。
香り高く、故人を送るのにふさわしいと思われて、
葬儀に使われてきたのです。
原因があって、結果ができた。
その逆ではありません。
もう一つ、同じような目にあった花があります。
彼岸花とも曼珠沙華とも言われる花です。
とてもきれいなのに、「死人花」をはじめ、
「幽霊花」「地獄花」「葬式花」と、散々な別名があります。
かわいそう。
別名の多い花です。
私の聞いたのは、墓地に植えられていたからじゃないかという説です。
昔は、田舎では土葬だった。
彼岸花の球根には毒があって、モグラなどから墓地を守る為に植えたのでは。
その話をしてくれた人の故郷では、墓地の周りにいっぱい咲いていたそうです。
そこから、怖い別名が生まれたのかも。
そう言ってました。
墓地を、埋められた遺骸を守る為に植えられたのに、
墓地に咲く不吉な花にされてしまった。
まあ、これはあくまで一説らしいですけど。
他にも説があるらしいです。
いろんな名前を付けられ、言いたい放題言われているようです。
「疫病花」「鬼婆」「婆殺し」なんて別名までありますから、気の毒です。
美しい花だから、嫉妬されているのでしょうか。

