犬派のねこまんま 13である byねこじゃらし
犬派のねこまんま - 2012年07月30日 (月)
<ふたたびの 金魚>
前回、 途中で 牛に乗っ取られたので 、再び金魚である。
夏は、 金魚の季節なのだ。
池は 屋外にあった為、 木の葉やその他、 何処からか飛んでくる物などが入り、 汚れたりする。
水が濁ると、 せっかくの金魚が 見えにくい。
ある日、 父が 池の掃除を思い立った。
カルキを含む水道水は、 人間が飲むためには 安全で有難いが、 いきなり金魚では、 死んでしまう。
まず、 入れ替え用の水を 確保しなくてはならない。
チオ硫酸ナトリウムをぶち込む というやり方があるが、 直射日光に一日さらせば、 大丈夫。
そこで登場したのが、 子ども用ビニールプール。
空気を入れて 膨らませる、 あの 丸いやつである。
前日に 水道水で満たし、 ひなたに放置する。
翌日になったら、 金魚を捕まえて ビニールプールに移す。
すぐにつかまってくれる子もいれば、 指名手配を受けたかの如く、 逃亡劇に邁進する子もいる。
捕獲に要する時間は、 多めに見積もっておきたい。
白いビニールプールの底に 金魚が映えて、 ブロブパーツより、 はるかにきれいである。
心誘われるままに、 吾輩は 水着に着替えたのであった。
じゃじゃーん
おもむろに ビニールプールに入る。
バシャバシャ暴れて 金魚を押しつぶしたくはない。 そおっと入る。
そうして、 吾輩は 金魚のお城 と化すのであった。
膝を曲げて 洞窟にし、 両手で輪を作り、 片肘を曲げて 水中橋のつもり。
かなり 無理のある体勢である。
金魚のお城をやるのも大変なのだ。
両手で作った輪を、 是非ともくぐってもらいたい。
期待を込めて、 城を続ける吾輩だった。
近くを泳ぐ金魚に 「ほれ、 くぐれ」 呼びかけて、 じっと見つめてみる。
おお!!! くぐった。 金魚の「輪くぐり」 である。
感動した。
その子は、 気に入ってくれたのか、 もう一度 くぐってくれた。
金魚すくい でゲットした 六匹のうちの一匹である。
苦労して手に入れただけの事はある。
見物料を取るには 少々地味だが、 個人的には、 十分な満足感である。
世界広しと雖も、 金魚に 輪くぐりさせることに 情熱を燃やす人間が、 さほど多くいるとは 考えにくい。
ここで、 おおいに自慢することにした。
吾輩は、 両手で作った輪を 金魚にくぐらせる事に 成功したのだ!!!
その間に、 父は 妹に手伝わせて 池の掃除をしていた。
当然、 金魚と一緒に 水浴びしているとしか見えない吾輩に、 どなり声が飛ぶ。
「遊んでないで、 お前も手伝え」
しかし、 吾輩にとっては、 そんなの関係ない!
世界的な偉業を成し遂げたかのような 満足感を、 独り 静かに かみしめていたのであった。
あとから、 散々に 文句を言われましたともさ。
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前回、 途中で 牛に乗っ取られたので 、再び金魚である。
夏は、 金魚の季節なのだ。
池は 屋外にあった為、 木の葉やその他、 何処からか飛んでくる物などが入り、 汚れたりする。
水が濁ると、 せっかくの金魚が 見えにくい。
ある日、 父が 池の掃除を思い立った。
カルキを含む水道水は、 人間が飲むためには 安全で有難いが、 いきなり金魚では、 死んでしまう。
まず、 入れ替え用の水を 確保しなくてはならない。
チオ硫酸ナトリウムをぶち込む というやり方があるが、 直射日光に一日さらせば、 大丈夫。
そこで登場したのが、 子ども用ビニールプール。
空気を入れて 膨らませる、 あの 丸いやつである。
前日に 水道水で満たし、 ひなたに放置する。
翌日になったら、 金魚を捕まえて ビニールプールに移す。
すぐにつかまってくれる子もいれば、 指名手配を受けたかの如く、 逃亡劇に邁進する子もいる。
捕獲に要する時間は、 多めに見積もっておきたい。
白いビニールプールの底に 金魚が映えて、 ブロブパーツより、 はるかにきれいである。
心誘われるままに、 吾輩は 水着に着替えたのであった。
じゃじゃーん
おもむろに ビニールプールに入る。
バシャバシャ暴れて 金魚を押しつぶしたくはない。 そおっと入る。
そうして、 吾輩は 金魚のお城 と化すのであった。
膝を曲げて 洞窟にし、 両手で輪を作り、 片肘を曲げて 水中橋のつもり。
かなり 無理のある体勢である。
金魚のお城をやるのも大変なのだ。
両手で作った輪を、 是非ともくぐってもらいたい。
期待を込めて、 城を続ける吾輩だった。
近くを泳ぐ金魚に 「ほれ、 くぐれ」 呼びかけて、 じっと見つめてみる。
おお!!! くぐった。 金魚の「輪くぐり」 である。
感動した。
その子は、 気に入ってくれたのか、 もう一度 くぐってくれた。
金魚すくい でゲットした 六匹のうちの一匹である。
苦労して手に入れただけの事はある。
見物料を取るには 少々地味だが、 個人的には、 十分な満足感である。
世界広しと雖も、 金魚に 輪くぐりさせることに 情熱を燃やす人間が、 さほど多くいるとは 考えにくい。
ここで、 おおいに自慢することにした。
吾輩は、 両手で作った輪を 金魚にくぐらせる事に 成功したのだ!!!
その間に、 父は 妹に手伝わせて 池の掃除をしていた。
当然、 金魚と一緒に 水浴びしているとしか見えない吾輩に、 どなり声が飛ぶ。
「遊んでないで、 お前も手伝え」
しかし、 吾輩にとっては、 そんなの関係ない!
世界的な偉業を成し遂げたかのような 満足感を、 独り 静かに かみしめていたのであった。
あとから、 散々に 文句を言われましたともさ。
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