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「普通」の「家」

 近所の書店が消えたのは、七〜八年前ほど前だったろうか。
 その後、古本屋が消え、書店が消え、古本屋が消えた。

 書店を眺めていると、思いがけない出会いがある。
 それまでは全く関心が無かった分野の本との突然の出会いである。
 ほほう、こんなの知らなかったなあ、とはまったりすることもあるし、
 さりげない一期一会もある。

 ネットの検索では、なかなかそういう出会いは無いように感じる。


 そんな感じで、ある日、
 書店に並ぶ住宅雑誌を手に取った。
 なんでだろ。
 いつもなら素通りするコーナーだ。
 パラパラとページをめくると、
 住宅設計のコンテストのようなものがあるらしく、
 受賞作品の写真と見取り図が掲載されていた。
 その中の一つに、見覚えがあった。

 しっかりと見直したが、よーく知ってる家だった。

 親がマンションを購入した時、出来上がるまでの期間、
 近くに仮住まいの家を借りたことがあった。
 父の知り合いからの伝で借りたらしい。
 私は学校の寮に入ったので、住んだのは両親と妹の三人。
 私は長期休暇の時に一緒に住んだ。
 
 さる金持ちが、結婚する息子夫婦のために用意した家だったとか。
 特注だったんだろうなあ。
 しかーし、普通の家族には、とんでもなく不便な家だった。

 収納部屋が、寝室からも居間からも直接入れない。
 入り口が狭い通路に面しているので、
 大きなものの出し入れが大変だ。
 布団の出し入れが大仕事だった。
 新婚夫婦用だから、寝室は大きな輸入ベッドが二台塞いでいる。
 大人が三人以上住むことは考慮に入っていない。

 風呂場は家の真ん中にあった。
 しかも、檜風呂。
 ほぼ一日中換気扇を回した。

 短期間と分かっていたからの我慢である。
 ずっと住んだら、ノイローゼになりそうな使い勝手の悪さだった。
 ぱっと見はお洒落なんだけどねえ。
 だってコンテストの受賞作だもん。
 私は、早々に寮に帰った。

 「普通」って偉大だと思った。
 長い間の経験の成果だ。
 普通の家は良い!

 ふと思った。
 「家相」は、使い勝手の良さの公約数を纏めたものじゃなかろうかと。
 普通の家の集大成ではないのかと。


 以前聞いた話である。
 とある人が家相に凝っていたそうな。
 その一家がオーストラリアに住むことになり、家を建てたそうな。
 もちろん、バリバリに良い家相にした。
 ところが、ものすごく住み難い家だったらしい。

 だってほら、オーストラリアって南半球だから。
 気候も違うけど、日光の方向が違うから。
 日本の家相は通用しなかったらしい。
 あ〜あ。



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4031: by sado jo on 2018/09/22 at 14:03:42 (コメント編集)

ある帰国子女の女の子が、自分が話をすると相手の顔が段々険しくなってくるので不思議に思ったそうです。
そしてある時、周りのみんなが普通に使えている敬語を、自分が使えていなかった事に気がつきました(笑)
外国では普通の女の子だった彼女は、日本では普通ではなかった…普通の基準とはいったい何でしょうか?
「新潮45」で「LGBT(性的少数者)に権利があるなら、痴漢にも権利がある」と言った評論家がいたそうです。
はて?痴漢は犯罪ですが、LGBTは犯罪ではないはず…いつから日本はLGBTと痴漢が普通に同列になったのか?(笑)

4032:Re: sado jo様 by しのぶもじずり on 2018/09/22 at 18:40:57 (コメント編集)

「普通」って難しいですよね。
でも、とっても大事な概念でもあると思います。
人間は社会的な生物ですから。

「普通」は一つではないのでしょう。
いろんな「普通」があるのでしょう。
LGBTの人たちの普通はきっと私とは違うのだと思いますが、
説明してもらわないと分かりません。
理解できない「普通」は怖いこともあります。
もしも、LGBTの外見上ごつい男性に
「心は乙女だから、一緒に入浴しましょう」
なんて言われたら、逃げます。
私の「普通」ではないからです。
その評論家は、そういう怖い目にあったことがあるのかもしれません(笑)

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