話半分で聞きましょう
あれこれ放談 - 2017年08月15日 (火)
毎朝、新聞持参で出勤する人が居ました。
通勤途中や休憩時間に読んでいました。
家で読む時間がなかったのか気分なのか、
たまに、新聞持参で出勤する人が居ました。
その日は、もう一人。
新聞持参で出勤した人が居ました。
奇しくも、それぞれ違う新聞社のものでした。
一面のトップ記事は、三社とも同じ。
年配の婦人が、
銀行でお金を下ろして出たところをひったくり被害に遭ったという事件です。
大きな活字の見出しがありましたが、
A紙は、被害金額三百万円、
B紙は、三十万円、
C紙は、百三十万円と報じていました。
同じ事件です。
三人は気づいて、互いに見出しを比べ、笑い出しました。
近くに居た人たちも覗き込んで、大笑いになりました。
だって、三大新聞の一面トップ記事の大見出しです。
大爆笑です。
新聞の信頼度は、そんなものです。
昭和の話です。
ある大学教授が、無作為に選んだ新聞から、
固有名詞、地名、数字などの、
誰が調査しても確認が取れる言葉だけを抽出し、
学生たちを使って、調べました。
結果、正確に記載されていたのは、半分を切るどころか、
三割ほどだったそうです。
固有名詞、地名、数字でさえ、その程度だったのです。
他は、推して知るべし、って事でしょう。
よく通る道の近くに、火災が起きた事がありました。
ほとんど全焼です。
小さな記事になりました。
記事よると、
全焼した家の主人○○さんは、
総檜作りで、新しく建てたら○千万円かかる建物だった。
と肩を落とした。
なあんて書いてありました。
でも、近所を通る人たちは知っていました。
倒壊寸前のボロ家だったと。
家を失った人の心境としては、そうなんでしょうけど、
客観性に欠けています。
火事があった日は、木枯らしの吹く寒い日で、
庭先でたき火をする○○さんが目撃されています。
木枯らしの吹く日にたき火。
総檜作りの○千万円。
保険金詐欺の自宅放火じゃないのか、と言い出す人も居ました。
誤報ばかりじゃなく、客観性に乏しい記事も、
時にはいらぬ騒動のもとになります。
ひったくり事件は、他人事だったから爆笑できましたが、
当事者が面倒な事になっていなければ良いのに、と心配になりました。
<実際の被害が三百万円で、家族がB新聞しか読まなかった場合>
三百万円盗られたと言ってたけど、三十万円じゃないか。
二百七十万円をどうした。
そんな風に疑われていなければ良いなあ。
<実際の被害額が三十万円で、近所の事情通がA新聞だった場合>
孫の高校の入学金を出してやると聞いたけど、
三百万円ということは、裏口入学?
なんて噂をされていなければ良いなあ。
私たちは、くれぐれも丸ごと信じてはいけません。
三割程度と思っておくべきです。 ねっ。
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