RSS

ごぼうで死刑

 「ためしてガッテン」でごぼうをやっていたので、
 ごぼうについて考えてみた。

 子どもの頃は美味しさが分からず、根っこじゃんとか思っていたものでした。
 が、チキンライスは美味しいけれど、
 鶏ごぼうライスはもっと美味しいと気がついてから、
 ごぼうが好きになりました。
 かぶのお吸い物に、ごぼうを少々入れたら、
 香り高いめっちゃ美味しいお吸い物になりました。
 煮物にごぼうが入っていると、煮汁が美味いです。


 ところが、ごぼうを食べさせたせいで、死刑になった人がいたらしいです。

 B級・C級戦犯の事を書いた上坂冬子の著作で知りました。
 捕虜に木の根を食べさせた。(木の根というのが、ごぼうです)
 トイレ掃除をさぼって罰を受けた。
 体調を壊したら、身体に火をつけられた。
 それらが捕虜虐待であると、捕虜収容所の所長が死刑になったらしい。

 上坂冬子は書いています。
 終戦間際では、日本中が食糧難だった。
 ごぼうを食べたくても食べられない日本人がたくさんいた。
 収容所の所長は、がんばって食糧を集めたのだろう。
 湿気の多い地域で、汲み取り便所を不潔にしたら病気になりやすい。
 「身体に火をつけられた」というのは、調べたらお灸だった。
 町一番の名人と評判のおばあさんを、収容所に引っ張って治療をした。
 医薬品もままならなかったのではないか。
 そういう事だった。

 上坂は、所長を糾弾した元米軍捕虜を訪ねて、オーストラリアに行く。
 捕虜仲間だった二人は、大きなスーパーマーケットを共同経営していた。
 従業員の中に、中国人のおばさんがレジで働いているのを見かける。
 事務所で取材をした上坂が、上記の件を説明しても、
 元捕虜の二人は激高して、まったく納得しない。
 上坂は、レジに居る中国人のおばさんを呼んで欲しいと頼む。
 姿を見かけたが言葉を交わしていない。見知らぬ人である。
 その中国人に、お灸の事を二人に説明してくれと頼んだ。
 おばさんは得意になって、東洋医術がどれほど素晴らしいか、
 お灸がどれほど優れた治療かを熱心に語った。


 元米軍捕虜は、
 食文化・医療を含めた文化の違いなんか考えた事も無かったんでしょうね。
 アメリカの田舎で暮らす青年であれば、
 考えなくても済んでいたのかもしれません。

 死刑になった所長はもちろんお気の毒ですが、
 この二人も、考えたら気の毒です。
 捕虜虐待を糾弾した正義の味方のつもりだったのでしょうに、
 捕虜の健康のために奔走した善意の人を、
 ものを知らないばかりに、感情に任せて死刑に追いやったのですから。
 その事実を、それなりに成功したであろう人生の終盤になって知ったのですから。

 出会ったのが戦争中でなければ、違う出会いがあったかもしれません。
 戦争は、困った正義を量産するんじゃないでしょうか。

 それはともかく、ごぼうは美味しいです。
 香りが良いです。


忖度と啐啄★★★頑固な人は科学者に向かないよね

にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
3834: by める on 2017/06/22 at 22:08:42

しのぶさん こんばんちーっす

ゴボウは大人の味ですねw

ゴボウを捕虜に食べさせて、虐待だ!!
って言われた人が居るってことだけは、
聞いたことがありましたが、
こんな続きがあろうとは・・・・・・へ~~

3835:http://barso.blog134.fc2.com/ by ☆バーソ☆ on 2017/06/23 at 08:37:41 (コメント編集)

ゴボウは、日本の他に、日本が統治していた一部の地域以外では食材と
しないそうで、確かに醤油味と味噌味以外ではちょっと合わない・・・
いや、ゴボウのサラダも案外おいしいので、要は工夫でしょうか。

ゴボウを捕虜に食べさせて刑罰を受けた話。こんな話もあるようです。
「牛蒡をオックス・テイル(牛の尾)、豆腐をロツン・ビーンズ(腐った豆)
と直訳したため、捕虜から不満が出た」。
直訳はいけませんね。通訳者にイングリッシュパワーがない証拠です。(笑)

駅伝で「ゴボウ抜き」と使われますが、あれは語法の間違いだと
聞いたような気がしますが、どうしてだったかは覚えていません。
ゴボウ抜きとは正反対のココロモチです。(^^ゞ

3836:Re: める様 by しのぶもじずり on 2017/06/23 at 18:17:34 (コメント編集)

初めて食べたのなら、木の根と思う気持ちは分かる(笑)
文化のすれ違いは、やっかいですね。
国や民族間のもめ事の多くは、それが原因じゃないかという気もします。
互いを理解しようとする気持ちは大事だよね。

3837:Re: http://barso.blog134.fc2.com/ by しのぶもじずり on 2017/06/23 at 18:22:41 (コメント編集)

通訳の問題でもありましたか。
ゴボウを抜いた事はないのですが、ズボッと一気に抜けるものだと思っていました。
残念。

3838:こんばんは by 花渡川 淳 on 2017/06/23 at 21:50:13

鰹節を出したら木屑を食べさせたと、捕虜虐待で戦犯。苦しんで死んで逝く兵を武士の情けで介錯。拳銃で撃ったのでしょうがこれもBC戦犯。現地人の証言だけで有罪になった日本人もいたようです。勿論、人違いでした。

日本人戦犯処刑の時も英国兵たちは笑っていました。
勝者による報復でしかなかったのでしょう。

私もゴボウが好きで、自分で栽培しています。煮物の他サラダ、ぬかみそ漬けもとてもおいひいですね(笑)。
上坂冬子さんは生前、産経新聞にエッセーを書いておられました。私の愉しみでした。いいお仕事をされました。

3839:Re: 花渡川様 こんばんは by しのぶもじずり on 2017/06/24 at 19:00:17 (コメント編集)

昨今は、TVで鰹節をえ絶賛する外国人を見るようになりました。
木屑だと思わないようです。
これも平和のおかげ?

食文化は難しそうです。
メンダーを無理に食べさせたら、虐待だーと騒ぐ日本人とか居そう(笑)
私も勘弁。

進駐軍には英国兵も居て、米国兵は、知り合うと気の良い奴が多かったけど、英国兵は冷たくて嫌な感じだったと言う人が居ました。
植民地をいっぱい持っていたので、差別意識が強かったのかも。

3840:牛蒡はてんぷらが一番 by miss.key on 2017/06/25 at 15:01:20 (コメント編集)

 ハリウッド映画とか見ていると思いますね。相手の立場に立って考える事が苦手なんだろうなって。自己主張が当たり前の国ではまず自分の価値観なんでしょう。相手に自分の価値観なんてわかる筈は無いのに、そう考えていて当たり前だと思ってしまうんでしょうなぁ。困ったものです。

3841:Re: 牛蒡はてんぷらが一番 by しのぶもじずり on 2017/06/25 at 18:17:06 (コメント編集)

miss.key様 
天ぷらYES! 

確かにハリウッド映画では、自己主張の多さに吃驚する事があります。
他人の言う事を聞かない人ばっかり出てくるものなあ。
映画はともかく、現実では、中途半端な正義の味方とか、始末に負えなかったりしますよねえ。

3842: by sado jo on 2017/06/25 at 19:02:04 (コメント編集)

薬草を煎じて懸命に病人を治療した女性が、教会の異端審問に掛けられて火あぶりにされた。
欧米ではそんな事が良くありました…理解不可能な事が悪魔の仕業なら、キリストの奇跡も悪魔の仕業ではないのか?
どうにも西洋人の理屈は矛盾だらけです><
キリストのみを唯一の神とする彼らの正義は、主観的な教条主義で、人の心中にあるものを度外視してる様です。
当のキリスト本人は「愛」と「許し」を説いたと記憶してますが(笑)

3843:Re:sado jo様 by しのぶもじずり on 2017/06/26 at 18:37:32 (コメント編集)

おお、魔女狩りですか。怖いですね。
宗教に救われた人や救われている人もたくさんいるでしょうが、
一神教の弱点は、思い込みで突っ走るところでしょうかしら。
多神教だと、色々な神様が喧嘩するので(笑)、いやでも多様性に満ちる事になります。

▼このエントリーにコメントを残す

   

プロフィール

しのぶもじずり

Author:しのぶもじずり
とりあえず女です。
コメントを頂けると、うれしいです。

最新記事

最新コメント

カテゴリ

検索フォーム

いらっしゃ~い

らんきんぐ

よかったら押してね
 にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ にほんブログ村 小説ブログへ
 

リンク

このブログをリンクに追加する   リンクフリーです

おきてがみ

FC2以外のブログからお越しの方、クリックで足跡が残せます。
「ことづて」は機能していませんので、ここにはコメントは残せません。

RSSリンクの表示

QRコード

QR

月別アーカイブ

フリーエリア