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赤瑪瑙奇譚 第九章――6



 四人の刺客は、 声を追って、 さらに 奥へと進んでいった。

 庭に面した回廊に行き着き、 一つずつ 扉の中を確かめていく。

 次の部屋から、 コトリ、 物音がした。
 互いに目配せを交わして、 部屋に なだれ込んだが、 空だ。
 しかし、 奥の扉が 閉め残されたかのように、 わずかに 隙間を見せていた。
 三人が部屋の中に入り、 残る一人が 振り返って 辺りを確かめた。
 近くに人は居ない と思い、 後に続いて 部屋に足を踏み入れた時、
 ズトン、 物が落ちる大きな音と共に、 頑丈そうな格子戸が 入り口を塞いだ。

 急いで 奥の扉に取り付こうとしたが、 やはり 格子戸が行く手を阻んでいた。
 四人の侵入者は、 閉じ込められたのだ。

 二人が格子に取り付いて 動かそうとしたが、 びくともしない。
 かなり離れた 太い一本の庭木の陰から、 人影が現れた。

「仕掛けを用意して 待っていたぞ」
 カムライの声が 余裕たっぷりに響いた。
 すかさず 手裏剣が飛んだが、 木に隠れてかわす。

「無駄だ。 おとなしくしていろ。
 これだけ離れていれば、 かわすのはたやすい」
「くそっ!」
 飛距離が長くなれば、 見切るのが容易だ。

 前面にいた二人が、 悔しそうに 格子をつかんで 揺すろうとしている。
 と、 その二人の隙間から 二本の筒が覗き、 小さな 吹き矢が 飛び出た。

 見えないところからの 不意の攻撃、
 しかも、 かわすには 吹き矢は小さすぎた。

 人影が ぴたりと 動きを止めた。


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コメント
285:こんばんは by ハロゲンくん on 2012/07/14 at 20:17:28

初めまして。
コメント頂きありがとうございました。
実は、「ふくべえ爺さんとむくどり爺さん」という昔話を知りません。
ネットで調べてみましたが分かりませんでした。
恐縮ですがちょこっと教えて頂けると嬉しいです。

288:Re: ハロゲンくん様 by しのぶもじずり on 2012/07/14 at 22:27:15 (コメント編集)

いらっしゃいませ

> ネットで調べてみましたが分かりませんでした。
> 恐縮ですがちょこっと教えて頂けると嬉しいです。

ネットには出ていないかもしれません。お気に入りの昔話です。
日本昔話全集のようなものなら、載っていると思います。
ネタに使おうと考えているので、う~ん、どうしましょう。
それなりの長さがある話なので、簡単に説明するのは難しいですし、はしょり過ぎると面白くありません。

しばらくは内緒にさせてください。ゴメン

289: by lime on 2012/07/15 at 10:26:29 (コメント編集)

吹き矢は、誰かを射止めたのか。気になりますね。

カムライは無事に婚礼に出席できるのか・・・。



290:Re: lime様 by しのぶもじずり on 2012/07/15 at 11:07:11 (コメント編集)

ありがとうございます。
翌日に引っ張る予告編のような、有難いコメントです。

まさに、わたしが書きたかった。
次回 乞うご期待!

291: by ポール・ブリッツ on 2012/07/15 at 13:08:49 (コメント編集)

『嗚呼卑怯千万たる黒覆面の凶賊が吹き矢に、高貴なる王子の命はまさに危うし。雲は風を呼び風は嵐と変わる。地獄の悪鬼も恐れおののく陰謀の奸智の前に、快傑赤瑪瑙頭巾の正義の剣は抜かれるか。見よ! 次回!』

いえゆうべ、図書館から借りてきた戦前版の『鞍馬天狗』のDVDを見たのでついつい講釈風に(^^;)

期待しておりますよ!

292:Re: ポール・ブリッツ様 by しのぶもじずり on 2012/07/15 at 14:15:24 (コメント編集)

煽り宣伝 ありがとうございます。

もしかして勘違いをなさっているかもしれないと思い、念を押します。
この物語は「赤瑪瑙奇譚」であって、「怪傑赤瑪瑙頭巾」ではありません。
そこのところを、お含みおき頂けるとありがたいです。

ましてや、断じて「怪傑黒頭巾」でも、「鞍馬天狗」でもない事を、ここに宣言させて頂きます。
夜・露・死・苦!

293:管理人のみ閲覧できます by on 2012/07/15 at 14:22:29

このコメントは管理人のみ閲覧できます

294:Re: 鍵コメP様 by しのぶもじずり on 2012/07/15 at 15:38:36 (コメント編集)

オーバーランぎみなのは いつもの事じゃないですか。
へこむくらいなら、はじめからセーブすればいいものを。
ええい うっとおしい奴め!

とか書いたら、またへこみますか? 困ったなあ。

このシチュエーションに だんだん慣れてきている自分が、コワイ。

295:お手数をお掛けしました by ハロゲンくん on 2012/07/15 at 16:47:13

どうもお手数をお掛けして恐縮です。
そのうち、しのぶもじずりさんのこのブログで見せていただけたらと思います。
ありがとうございました。

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