2020年07月のエントリー一覧
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短編 早見先生 (二)
次の週になって、二年十三組に音楽の時間がやってきた。 「この後、音楽鑑賞の予定だったんだけど、レコードを忘れました」 早見教諭は、ぼそぼそとした声で、きっぱりと言い切った。 「先生、お話、お話」 「先週の続きー」 生徒たちは、教科書を閉じた。 授業をする雰囲気など、すっからかんに無い。 「終戦の日は知っているか」と教諭。 「八月十五日。そのくらいは常識だって」 と生徒たちが口々に言う。 早見教諭...
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「おきてがみ」が起動しません。
「おきてがみ」から来てくださっている方へ <データベースエラーの可能性があります> と言う表示が出て、アクセスできません。申し訳ないです。 こちらから訪問できない状態です。 来てくださった方、すみません。「小だぬき」様、「モモユニ」様、来てくださってありがとうございます。 「おきてがみ」が戻ったら、改めてお伺いします。...
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短編 早見先生 (一)
とっても久しぶりの物語です。 短編です。 ファンタジーではありません。 タイトルは、シンプルにしました。 (一) 「この二年十三組は、他のクラスより授業が進んでいるんだよね」 音楽室の教壇で、早見教諭は言った。 身だしなみが悪いわけでもなく、趣味がおかしいわけでもないのに、よれっとして見える。 年齢は、生徒たちの親よりも上だろう。 小柄で、前歯が乱杭ぎみなのもあってか貧相に見える。 夏休...
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コビットって何だっけ?
皆さんはご存知なんでしょうけど、 私は、何? と思ってしまいました。 近頃世界中で猛威を振るっている アレ です。 でも、私が見聞きする範囲では、「新型コロナ」ばかりです。 コビットなんて、とんと聞きません。見ません。 中国に遠慮しているのか、 「武漢ウィルス」や「武漢インフルエンザ」では、まずいようで、 ほとんどのマスコミは「新型コロナ」と呼んでます。 地名がついているのがまずいというなら、 ...
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丿乀
今回のタイトルは、洒落でも冗談でもなく、立派な熟語です。 Eテレで、千利休を題材にした番組を見ていたら、 ノ貫という人物が出てきました。 茶人だそうです。 秀吉が催した北野大茶湯の野点で、直径一間半の朱塗りの大傘を立てたり、 利休を茶会に招いて、途中に落とし穴を作って、泥だらけにしたり、 好んで安物の茶器を使ったりと、変わり者だったらしいです。 雪駄の意匠もこの人だという説があります。 ノ貫 ...