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2015年02月のエントリー一覧

  • ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−15

     思い出した。 そのあとに 『どうしてこんな子を産んじゃったんだろう』 って言われたんだった。 少なくても三回は覚えてる。 そう言われた時の部屋の様子まで、ありありと浮かんできた。 ああ、劣等感の原因はこれだったのか。 ……でも、ヤキモチってなんだろう。 分からない。 もやもやして、苛々する。「それで自分でも オバカだと思い込んじゃったのね。 可哀想に。 でも それほど空っぽでもなかったわね。 ボラちゃん...

  • ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−14

    「おお、久しぶり」 寝ぼけたような 情けない声になってしまった。「ふふっ、私がいない間に、学内の知り合いが爆発的に増えたようだな」「そうかなあ。 変わらないよ」「いや増えた。 休み時間になると だれかれかまわず声をかけていて、入り込む隙間がなかった」「ごめん」 そうだ、火梛の様子を聞かなくちゃ。 迷惑をかけていないだろうか。「ユン、会いたかったぞ」 隣の黒縁眼鏡が言った。 開口一番、よく通る声で きっ...

  • ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−13

     翌日、星来は大学を休んだ。 連絡をしてみると、しばらく休むとのこと。 火梛も 姿を見せない。 何してるんだろう。 我が家には 平穏な日々が戻ってきたが、世間では大騒ぎだった。 二人と会えない日々の間にも コメダワラ事件は続いていたのだ。 あの料亭飯綱瑞祥庵が つぶれそうになっていた。 産地直送と謳っていた食材は、普通の市場から値切って仕入れたものだった。 最高級梅竹牛肉も、 余波(なごろ)地鶏も、 印...

  • 犬派のねこまんま 37である

    <賢い と おバカ> 生き物の頭の良さは、簡単に比較できるものではないとは思うものの、 それでも気になるのも 煩悩というやつかもしれない。 単純に考えれば、まず思いつくのは脳の大きさ。 鯨の脳はでかい。 種類に寄るが、人間の2〜7倍。 象の脳もでかい。人間の3倍くらいある。 オーストラリア辺りで、 鯨は頭のいい生き物だから、何が何でも保護しなくてはならない と言って、 過激に活動している人たちがいるよ...

  • ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−12

      まさか、本物? でも、出現の仕方が どうにも常識外れだし、 それに 火梛の様子を見ていると、 とんでもなく田舎で 電気も無い暮らしをしているようだし、 仮にも王家の末裔ともあろうものが、 歴史も暦も知らない 非文化的な育ち方をしているとは信じがたい。 考えれば考えるほど 火梛って現実離れしているよねえ。 「世界の動物―テレビ動物園」で見た イボイノシシのほうが、よほど現実味がある。 だけど どこかにい...

  • ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−11

     瑞祥庵に着いた。 店の人に案内されて進むと、いくつも角を曲がっていく。 複雑なつくりになっているが、 ボラボラ坊ちゃん邸とは違って ちゃんと理由がある。 お客さん同士が かち合わないようにする為だろう。 店の人も迷ってはいないから、複雑に見えても規則性があるのだ。 奥まった部屋に通されると、 案外腰の低いおじさんと 部下らしい若い女性が 出迎えてくれた。 火梛を見て 目を見張っている。 火梛が当然の...

  • 鍋についての補足

     認知症の人の脳をしらべたら、アルミが溜まっていたということらしいです。 そこから、ヨーロッパの何カ国かで、アルミ鍋が禁止されました。 スイス、カナダ、ベルギー、ハンガリー、フランス、エトセトラ。 だけど、 アルミを摂取する → アルミが脳に溜まる → 認知症になる という単純な図式ではない、ということは分かったみたいです。 何故そうなるのかは、まだ研究中なのではないでしょうか。 結果としての現象はある...

  • 鍋のせいに違いない

     とっても久しぶりに クリームシチューを作った。 ホワイトルウが ダマになってしまった。 なんとかごまかして食べた。 思うに、ステンレス鍋が いけないように思う。 ステンレスは料理には向かない。 わはっ、きっぱりと言ってしまったぞ。 ステンレスのヤカンは、沸くときの音が嫌いだ。 チリチリと神経質な音を立てる。 注ぐときには、注ぎ口からお湯がはねる。 危ないですぞ。 料理のド素人が言うのもなんだが、 ...

  • ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−10

     一応、おめかしをして出かけた。 結婚式と同じだろう。 平服でお越し下さい といわれても、普段着で出かけたら恥をかく。 迎えに来てくれた車に乗ると、火梛がいた。「その服、どうしたの」「星来の兄者(あにじゃ)に借りた」 仕事用ではない。 おしゃれな若者がデートで着るような 軽い衣装を纏った火梛は、 惜しげもなくカッコイイ。「昨日は迷子にならなかった?」「なった。 この町は方向感覚を狂わせる。 己は 野山で...

  • ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−9

    「本人には了承を得た。 殿下を家で預かりたい」 星来の話は 渡りに船だった。 渡りに船ではあるんだけれど、なんかつまんない。 面白くない……寂しい? のかなあ。 二人が並ぶと、それはもう絵に描いたような美男美女で、 文句のつけようが無いのが気に入らない。 あれっ、これって、もしかしてヤキモチ……かなあ。 だったら、たぶん初体験かも。 ……どっち。 …………私ってば、どっちに嫉妬したんだろう。 二人の間で すで...

  • やっぱ 春?

      いつのまにか、金魚草が咲いていました。  あれっ、春なの? やっぱ春?  寒いけどねえ〜。  もしかして、うちが変なのかしら。大河ドラマのタイトルバック★★★ユリオプスデイジー...

  • 犬派のねこまんま 36である

    <しつこいようだけど、カラスとハト ついでにスズメ> 我が輩の個人的見解を述べるとするならば、 ハトは馬鹿っぽい。 カラスは面白い。 完全に独断と偏見ではある。 ある日、我が輩が近所を歩いていたと思いたまえ。 すると、頭上すれすれにカラスが急降下してきた。 我が輩への威嚇であろう。 思うに、近くに 卵あるいはヒナを抱えた巣があったと推測できる。 人通りが少ない道ではあるが、住人はそれなりに通る。 ...

  • ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−8

     店長は不在だった。 もしも居たら、 火梛の変装を解いて見せびらかす誘惑に 勝てたかどうか自信が無い。 絶対に勝ってる。 何よりも声が良い。 星来は おしゃべり店員に声をかけて、早速物色に入った。 星来の質問に 即座に詳しい返事が返ってくるのはエライ。 おしゃべりも伊達じゃなかったんだ、「そうだ、これなんかどうですか。 材料も製法も 太古のものを復活させて作られています。 布に描かれた絹本は、裂けてし...

  • 豆まきの豆が好き

      「副豆」っていうんですか。 たぶん 煎り大豆でしょうね。 あれが好きです。 ぽりぽりやるのが良いです。 節分をすぎると、スーパーから消えるので、 忘れずに買うことにしています。 近頃は、ピーナッツを撒く地方もあるらしいですが、 大豆が良いなあ♪  鬼は外 鬼は外  福は内 福は内  天打ち 地打ち 四方打ち  鬼の目玉をぶっつぶせーっ 「福は内」しか言わない地方もあるらしいですが、 これは何処方...

  • ずぼらなユン、やぶれかぶれ 3−7

     火梛、はいつもどおりだった。 二百年前の彫刻も、三百年前の絵も、四百年前の焼き物さえ、 まるで 目新しいものを見るときと同じだ。 しきりに感心したり 喜んだりしている。 その様子は可愛らしいが、 いったい、いつの時代の王子様の設定なんだろうか。 展示品は まあまあだった。 私から見ると、どれも歴史を感じさせる重厚なものばかりで、 好き嫌いではなく 良い物という基準の収集に思えるが、 どうやら火梛には...

  • 大河ドラマのタイトルバック

     NHK大河ドラマのタイトルバックがきれいだったので、 万華鏡越しに撮ってみました。 うう〜、上手く行かない。お久しぶりの万華鏡★★★やっぱ春?...

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