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2013年11月のエントリー一覧

  • 世界は けっこうハードボイルド

     今週、特定秘密保持法案が、 衆議院を通過しました。 参議院で 揉めているみたいです。 私は 細かい内容は、 よく分かってません。 たぶん。 法律は 運用の仕方も大切でしょう。 でも、 一言 良いですか? 今頃? 今まで 国家の秘密を保護する法律が 無かったの? 今は昔、 東西冷戦時代というのがあったそうな。 ソビエト連邦とアメリカ合衆国が、 冷たく睨みあっていたそうな。 その頃、 日本はスパイ天国だった、 と...

  • 薬種狩り 十八の1

     穂田里は籠を引き寄せ、 中に入っている布袋に 無造作に 天狗苺を放り入れると、 二人に近寄った。「早く森を出よう」「間もなく日が暮れる。 ここで夜を明かした方が良い」 衣都の言うとおり、 空が夕暮れ色に染まり出していた。「僕も、 この理不尽な森からは 一刻も早く出たい」 それまでは 衣都の案内にまかせていた二人が、 異議を差し挟み、 いささかもめた。 穂田里の袋は開けっぱなしで、 天狗苺が はみ出している...

  • 薬種狩り 十七の6

     リーン、 右から 鈴の音が聞こえる。 リーン リーン、 左から 鈴の音が届く。 リーン リーン 足元から湧いてくる。 リーン リーン リーン、 天から 鈴の音が降り注ぐ。「迷子鈴だ。 しかし、 何処だ。 森じゅうから響いてくる」 しかめっ面で文句を言ってみたが、 状況は変わらない。 戻って来た衣都も その音を聞いた。 前と思えば 後ろ、 後ろかと思えば 前から聞こえる鈴の音は、 耳を澄ませば澄ますほど たどれない...

  • 小菊が咲きました

     小さな菊をドアップにしてみました。 秋深し...

  • 薬種狩り 十七の5

    「近づかないで頂戴。 腹が立つわ」 他人には言わないだろう言葉を、 その人は 平気で玲に投げつける。 言葉が凶器になると 知らないはずは無いのに、 息子になら 何を言っても許されると思っているのだろうか。 泣いてしまったら、 負ける。 感情的になったら、 自分が壊れる。 恐怖からだろうか、 怒りゆえだろうか、 玲の身体が小刻みに震えた。「痛い!」 玲は 思いっきり耳を引っ張られた。《やっ、 すまん。 衣都は ...

  • 薬種狩り 十七の4

    「じいちゃん……」 言葉を途切らせた穂田里を、 祖父は じろりと睨んだ。「どうした。 言いたい事も言えんのか。 図体ばかり大きくなりおって、 ちっとも変っておらんな。 情けない。 わしが一丁もんでやる。 掛かって来い。 手加減はせんぞ」 自信たっぷりに 木刀を構えた。 いつも叩きのめされて、 一度も勝てなかった相手だ。 辛い記憶と 悔しい想いが どっと押し寄せる。 冗談じゃない。 勝てる気がしない。 すたこら...

  • お花です

    がんばってま~す大きくすると、アラが目立つので、このくらいで。とりあえず、お花ですよ~ん。...

  • デジカメ悪戦苦闘中

    デジカメに苦戦中です。画像があれば、ブログがさらに楽しめるかもと思ったのでした。「初めて買うので、分かりやすく、扱いやすく、値段も安いのを」と言って買いました。まさに、そういう代物です。シャッターを押せば、撮れるっちゃ撮れるんですが、小さくて軽すぎるので、手ぶれをしまくりです。悩みどころなのが、何処にピントを合わせるつもりなのか理解できないことです。人間や顔は 問題ないのですが、物を撮ろうとすると...

  • 薬種狩り 十七の3

     穂田里を探して 木々の間を歩いていた衣都の前に、 駄狗が現れた。 ずっとそうだったように、 ぶっきらぼうに促す。「来い」 赤い実をつけた七竈《ななかまど《を曲がり、 盗人萩《ぬすびとはぎ《が混じる草叢を踏み分けて進む。 此処は『死者の森』だ。 生きているなら、 駄狗は盗人萩を避ける。 種が衣類にくっ付いて 面倒だからだ。 衣都は恐れることなく、 後を追った。「悪かったな。 おまえを連れて歩いたのは、 俺...

  • 薬種狩り 十七の2

     いつまでたっても 穂田里は戻って来ない。 迷子鈴も鳴らない。「探してくる。 ここに居ろ」 衣都が穂田里を追って、 木陰に消えた。 玲は 取り残された。 あまり 愉快な気分ではない。 多くの人間を飲み込んだ 『死者の森』なのだ。 植生を無視した 尋常ならざる光景が 目の前にある。 しかも、 気がつけば、 白樺の幹に寄り添うようにして立つ 華やかな女人まで居た。 森の住人だろうか。 人間が 森の中で跡形もなく...

  • 薬種狩り 十七の1

     樒《しきみ《の陰で 用を済ませた穂田里に、 鋭い声が掛かった。「何をしておる。 さっさと付いて来んか。 急げ!」 穂田里は従った。 知っている声だ。 その声には逆らえない。 条件反射で動いてしまった。 前を走る人影に遅れまいと 必死に駆けた。 それも悲しいかな 条件反射だ。 やっと人影が立ち止って 振り向く。「この軟弱者めがあ!  武官になりそこねおって」 祖父だ。 幼い頃から厳しくしごかれていたから、...

  • 薬種狩り 十六の4

     更に二日後、 擬宝珠《ぎぼうし《を掻き分けた先に、 紫がかった夏枯草《うるき《しかないのを見て がっかりした穂田里が、 一息つこうと腰をのばして 顔を上げた時、 視界の中を、 ふわふわひゅるりと漂ってくる物を捉えた。「おお、 『風吹き蔓《かずら《』だ」 風吹き蔓は、 真珠のように淡い光沢を持った白い実をいくつも付けて、 ゆったりと流れていた。 時折 光の加減か、 その実が 虹色の輝きに染まる。 うっとり...

  • 薬種狩り 十六の3

     しかし、 夜が明けてみると、 葛の蔓は きれいさっぱり消滅していた。 大事な道標《みちしるべ《だ。 簡単に取れるようでは意味が無いから、 しっかりと結びつけておいた。 それなのに どこにも無い。 下の地面に落ちてもいなければ、 周囲の木にも引っかかってはいない。 いつもの印が 役に立たないという事だ。 いったい どうして無くなったのだろう。 道に迷わせようとする何者かが 取り去ったのだろうか と考えて、...

  • 犬派のねこまんま  その30である

    <ウサギは寂しがりやなのさ> ウサギは 寂しいと死んでしまう。 そういう伝説だか、 神話だか、 ファンタジーだかを お聞きになった事があるだろうか。 まことしやかに伝えられているが、 真偽のほどは分からない。 ただし、 寂しがりやというのは、 本当であると思われる。 少なくとも、 耕助に関しては 真実と言わざるを得ない。 なにかっちゃまとわりつく。 ベランダの戸を開けると、 すぐに飛びついてくる。 ある時、...

  • 薬種狩り 十六の2

     天狗苺があったとしても、 探し当てるのは大変だ。 いちいち 掻き分けなくてはならない。 ざっと眺めただけでは、 何処に何があるのか見当がつかない。 いつもは 無駄に陽気な穂田里も、 やけにおとなしい。 そうは言っても 探さなくてはならない。 その為に はるばるとやって来たのだ。 三人は 黙々と下草を掻き分けた。 しっかりとした地面に わざわざ植えたかのように生えているから、 探しにくくはない。 しかし あ...

  • 薬種狩り 十六の1

     度々やって来れる場所ではない。 天狗苺を見つけたら、 出来る限り たくさん採って帰りたい。 衣都は 自前で薬草を入れる袋と背負子を持参しているが、 穂田里と玲は 籠を調達する事にした。 籠を背負った玲の姿が 全く似合っていないが、 準備はできた。 そんな二人から少し離れて、 衣都は声を潜めた。「天狗様。 頼みがある」《今度は何じゃ》 衣都の頼み事を聞いた天狗は 逡巡した。《うむう、 それで良いのか》「おれ...

  • 薬種狩り 十五の5

    《岩をつないだ線の内側だけに 霊気が渦巻いておる。 あふれ出ないから、 あんなにも 霊気が濃いのじゃろう》 八福を無視して、 天狗が続ける。「そうだ、 森番、 森で消えてしまった人間が 何人くらいいるのか、 教えて欲しいのだが」 玲が思い出して尋ねた。 それくらいは役に立つのだろう。「なーんにん、 数えない。 んー、 んー、 バオバの木がー知ってる」「困ったな。 僕たちは どうやってバオバに聞けばいい。 あい...

  • 薬種狩り 十五の4

     番頭から聞きだした森番の小屋は、 村はずれにある 丘の頂上だという。 ふらふらと道を外れそうになる 穂田里の進行方向を 修正しながら登った。「丘というには高すぎる。 これでは山だ」 文句を言いながら登るのは、 もちろん玲だ。 頭脳派の自分が 何故こんな羽目になったのか と腹立たしいが、 ここまで来たからには、 天狗苺を諦めるつもりは無かった。 危険な事は嫌いだが、 一度手を付けたことを途中で放り出すのは ...

  • 薔薇が咲きました

    薔薇が咲きました。一本の切り花から挿し木をして、まだ咲いていないのを含め、八つの花がつきました。薔薇の花の、八倍返しです。元を取りました(笑)...

  • 安全な国が良いなあ

     下校途中の中学生が誘拐される、という事件が起こりました。 報道によると、どうやら行き当たりばったりに誘拐したらしい。 いよいよ、日本の治安が悪くなったという感じがして、怖いです。 平成12年に、九州でバスジャック事件がありました。 犯人は、当時17歳の少年です。 バスの乗客が人質になり、死者も出て、大きな事件になりました。 その時、海外のメディアは、事件そのものより、 乗客の中に 小学一年生の子...

  • 薬種狩り 十五の3

    「森番が居るのか。 それなら話が早い。 その小屋に案内しろ」 さっそく立ち上がろうとした穂田里だったが、 それを押しとどめるように 番頭は手をひらひらさせる。「いえ、 なんと申しましょうか、 それが ちっとも早くございませんのでして。 八福の親が他界した時に、 暮らしの道を考えてやらねばならず……」「森番の生い立ちは いらない。 番頭さんより話が遅いのか」 穂田里に突っ込まれて 話の継ぎ穂を失った番頭に、 玲...

  • 薬種狩り 十五の2

    「で、 ほとんど戻って来ないという事は、 森から無事に戻った者も居るのだな。 違うか」 玲は 冷静に話を戻した。「あ、 はい。 確かに ごくごくわずかながら 戻った方がいらっしゃいましたが、 無事に というわけでは全くございません。 恐ろしいことに、 まるで別人のように すっかり様子が変わってしまわれました」 番頭は 痛ましそうに眉をひそめ、 寒気を追い払うかのように ふるりと身を震わせた。 古くから『死者...

  • 薬種狩り 十五の1

     しばらく南に進むと 集落に出た。 そこから川を下って 海に出る。 『死者の森』まで、 陸路だけでは 大きく回り道をしなくてはならなくなる。 途中まで海路を使った方が いくらか早い。 旅の空に夕陽が、 つるべ落としに沈むようになっていった。 水行十日、 陸行二十日。 だいたいそんくらいの日数を掛けて 『死者の森』にほど近い村に着いた。 意外にちゃんとした宿屋もあり、 旅で消耗した体に一息つかせる事が出来た...

  • 薬種狩り 十四の5

    「天狗が何か言ったのか。 通訳しろ」 と 玲がうるさく騒ぐが、 唇を尖らせて考え込んでいる衣都が 答えないから、 仕方なく 穂田里が説明していた。 だから 二人は、 衣都の小さな呟きを聞き逃した。 やっと事情を飲み込んだ玲が、 衣都に向きなおる。「衣都、 一人で勝手な事をするな。 穂田里の言うとおりだ。 君が居なければ 役目を果たせない。 何でも僕たちに相談しろ。 衣都にとって大切な事なら、 僕らが協力する。...

  • 薬種狩り 十四の4

     三人で橋を引き上げ、 衣都は 杭から赤い小袋を取り戻した。 村では、 宴会が最高潮に達しているようだった。 柿の木の根元に転がる丸太に 腰を下ろし、 促されるままに 衣都はポツリポツリと話をした。「草楽堂が 父さんの弔いをしてくれた。 でも、 覚えていない。 俺の弔いをするつもりだった。 父さんの夢は 『東原の悪魔』 を仕留めることだった。 ここで、 あいつを見つけた」 唇を尖らせて、 訥々《とつとつ《と...

  • 誰?

    誰、 ということもないです。なんとなく描いて 、スケッチブックにあったものです。スキャナーがなくても 、デジカメで複写すれば、いろんな画像が載せられるな と思い、やってみました。なんとかなりそうです。絵は 好きなのですが、ちっちゃな頃から、「お前の絵は、 独創性も、 面白みも、 全く無いな」と言われ続けて育ちました。ずうずうしい所業です。ある時、そのように言い続けた父が描いた絵を 見る機会がありました。独...

  • どひゃあ! 人肉カプセル?

     ネットをウロウロしていたら、 「人肉カプセル」 というのを見つけました。 事件が発覚したのは 昨年らしいですが、 私は 今頃見つけました。 中国のどこやらで、 死産など、 もしくは 生まれたての赤ん坊を 粉末にして、 カプセルを作っているらしい。 それを 韓国に 薬として密輸したらしい。 密輸が、 いまだに止まらないとか。 飲んでいる人が居るんでしょうね。 記事を読んで、 ぶったまげました。 現在連載中の ...

  • 薬種狩り 十四の3

     衣都は 視界の中に、 二つの光点を捉えた。 来た。 光は 時に方向を変えながらも 徐々に近づいてくる。 山刀の握りを確かめ、 衣都は待った。 ぎりぎりまで待ち、 不意を襲って 喉笛を掻き切る。 勝機は、 おそらく そこにしかない。 風の無い夜だ。 じっと動かなければ 、気付かれずに待ち伏せができる。 目当ての獲物は 確実に近づいてきていた。 あと少し。 間合いを測って 息を詰める。 と、 衣都の後ろから 小さ...

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Author:しのぶもじずり
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