2013年07月のエントリー一覧
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CM 第二段
【くれないの影】 二つ目の長編です。 特殊能力を持った少女が主人公です。 軽業一座に拾われた孤児、年齢も不詳。 お気楽に軽業をしながら旅を続けて、山深い里にやってきます。 そこからが、さあ大変! 拉致されるわ、 一座の安否も分からないわ、 無理やり役目を負わされて、わけが分からなくなるわ、 土蔵に閉じ込められた美少年を発見するわ、 怪しさ満載の帝の弟君が現れてちょっかいを出すわ、 えとせとら。 ...
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皆様のアイデアで
皆様のアイデアを取り入れて、再チャレンジしました。 帯です。 【赤瑪瑙奇譚】 しのぶもじずり ******************** 謎の14歳、ひーちゃんも 大絶賛!!! バトルとな、バトルとな、お姫様がバトルとな!! 目立ちたくはないのです。 でも、振りかかる火の粉は払わねばなりません。 赤瑪瑙頭巾参上! あ~れ~、姫様、むちゃはなりませぬ。 陰謀渦巻く隣国で、大国の姫君ユキ...
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ここでCMです
これで、 長編が4本、 短編が4本になりました。 暑いので、 ここらで一息入れて、 過去掲載作品の宣伝 などしようと思います。 最初の長編作品は 「赤瑪瑙奇譚」 です。 既に読んで下さった方、 ありがとうございます。 まだの方、 これからでも遅くはありませんぞ。 お時間のある時に、 是非、 覗いてみてください。 本文は、 上の青いところか、 左カラムの カテゴリーから入れますが、 それなりの長さがありますの...
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修正しました。
「迷惑な子ども――5」 説明不足なところを、少々修正しました。 それと、「短編の目次」に作品案内を書き加えました。 「道しるべ」さんのところに貼ってあったニコ動を思わず見入って、感動しました。 ソマリア沖に出動した自衛隊、カッコイイです。 シンガポールの船が海賊に襲われたシーンでは、手に汗を握ってしまいました。 ノンフィクションはすごい。 フィクションも負けてらんないなあ。...
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迷惑な子ども――7
五日目になると、 悪ガキは 昼過ぎにはやって来た。 ほとんど助手のように わがもの顔で陣取っている。 その内、 覗き込む客に、 申し込み台に置いてあったチラシを 渡したりもしはじめた。 まずいことをしそうな時は、 注意すると、 おとなしくいう事を聞く。 雇ったつもりはないのだが……。 高橋はというと、 余計な口出しはせず、 いつの間にか、 自然に 悪ガキとなじんでいた。 最終日、 旅館の女将さんが、 私も撮っ...
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迷惑な子ども――6
その後は、 特に悪さをするでもなく、 真剣に撮影を見学していた。 子どものくせに、 よく飽きずに見ていられたものだ。 旅館に戻って食堂に行けば、 一番乗りだった。「他の人が来る前に 食べちゃって」 女将が、 鯛の兜煮を出してきた。「一つしかないから 今のうちにね」 毎日残さず食べ、 お代わりすることに 気を良くしたようだった。 それからは、 目立たないようにだが、 毎食、 他の人よりおかずが一品増えた。 四...
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迷惑な子ども――5
調子よく働いて 夕方。 好事魔多し。「ねえ、 なにやってんの?」 足許に近いところから、 悪そうな声が聞こえた。 例の、 ちっちゃな悪ガキである。「写真を撮ってるんだよ」「ふううん、 じゃあ、 とって」「お母さんかお父さんに 申し込んでもらわないとね。 子どもを、 勝手には撮れないのよ」「ちぇっ、 しょうばいだからでしょ」「正解」 小学生になるやならずの年頃である。 それにしては、 言うことが いちいち生...
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迷惑な子ども――4
件の女の子は、 怒鳴られても悪びれることなく、 あかんべえをして 売り場を少しだけ離れた。 しかし、 生意気そうな顔で、 近くをウロウロしはじめ、 特に逃げるでもなく、 帰ろうとする素振りも無い。 垢じみて、 汚れのしみついた服で、 肩をそびやかせる。 怒鳴られるのも慣れている様子だ。 どうやら ここは、 困ったチャンのいる店のようだ。 数ヶ月前に行ったデパートでは、 子ども服売り場に隣接された 婦人服売...
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迷惑な子ども――3
テストを装って、 注意を引く為に、 ストロボを焚いてみる。「何をするんですか?」 興味を引かれて 寄って来たお客さんに、 セールストーク。「あら、 じゃあ、 子どもが学校から帰ったら 連れてこようかしら」「お待ちしています」 幸先が良さそうだ。 そうこうしているうちに、 最初のお客さんをゲット。 愛らしい幼児の笑顔をおさめることに成功した。 だが、 町はなかなか返ってこない。 いいかげん、 次の段取りを教...
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迷惑な子ども――2
翌朝は、 スタジオを組みたてる為に、 早めに出勤である。 気合を入れて、 どんぶり飯のお代わりも忘れない。 バイトの子は、 おとなしそうな女子高生だった。 本社からは 大学生を依頼してあるはずだが、 手違いだろうか。 女子高生は初めてだ。 いつもより やさしい笑顔をおまけに付けて、 仕事の説明をした。 手始めに、 店の出入り口で チラシを配ってもらうことにした。 出来なかった。 腰が引けてる。 恐る恐る出...
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迷惑な子ども――1
「部屋は、 空いてるっちゃ 空いてるんですけどね。 女の人が独りというのは……」 気の良さそうな旅館の女将は、 迷惑そうな表情を取り繕うこともせず、 それだけ言って、 押し黙った。 女将と言っても、 見た目は 普通のおばさんだ。「お部屋が空いているなら、 何とかお願いします。 決して 怪しい者ではありませんから。 ほら、 そこにマルダンがあるじゃないですか。 私、 そこで 一週間仕事をしなくちゃならないんです...
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次回作予告
次は、 短編に行きたいと思います。 題名は 「迷惑な子ども」 です。 前回の短編が 「泣きわめく子ども」 でしたが、 子どもシリーズ というわけではありません。 たまたまです。 実は、 自作の曲がありまして、 その曲とコラボした作品を書いてみよう と思ったのがきっかけでした。 曲と同時発表しようかな、 なあんて事も考えました。 ところが、 書いてみたら、 曲と全く合わない。 当初考えていたストーリーは 変え...
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あざーっす!
皆様、 お暑うございます。 暑くてダラダラしていたら、 アクセスが80000を越えました。 あざーっす! 日本では、 『八』は 数が多いことのたとえに使われてきました。 『八』が付いたら、 たくさんあると思っていい。 大江戸八百八町 ―― 時代劇では おなじみのフレーズです。 旗本八万騎 ―― なあんてのもありました。 京都は、八百八寺 ―― お寺だらけだものねえ。 大阪は、八百八橋 ―― 何回かしか行ったことが...
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ブログパーツを貼ってみた
<ブログ村のブログパーツを貼ってみた> pvポイントって何? おい、そこからかい。という人です。 調べました。 ページビューという意味らしいです。 よく分からんので、貼ってみました。 もしかしたらアクセスされたページの情報が得られるのかも、と思ったわけです。 どの記事が人気がある、とか。 違いました。 たぶん、FC2のトータルアクセス数みたいなものではないでしょか。 出てくるのは数字だけです。 ...
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あとがきのつもり
「天州晴神霊記」が完結しました。 誰が何と言おうと、完結です。 ブログ掲載作品の中で、最長の物語になりました。 予告でも触れましたように、一番凝ったのは題名です。 「あまつばるじんりょうき」 読めないかもしれませんが、そういうことですので、 いまさらですが、よろしくお願いします。 主役の斎布(ゆう)は、 最後まで頼りない主役でしたが、恋に恋するお子ちゃまです。 暖かい目で見てやってください。 これ...
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天州晴神霊記 終章――3
「だから、 何故 女装なのよ」「ちゃんと聞いてないのか。 両家の申し合わせで、 奇御岳には 女だけで行くことが決まったんだ。 向こうからは 男しか来ない。 だからだろ。 女装しないと 一緒に行けないもん」 志信が一緒なら、 楽しそうではある。 しかし、 男の子だとばれてしまわないかが すごく心配だ。 ばれたら 協定破りでひと悶着起こりそうだ。 ほとほとと足音がして、 八箭の介添えを務める玉襷(たまだすき)が来た...
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天州晴神霊記 終章――2
「重い……んですけ……ど。 まだ重ねる気ですか」「これで おしまいです」 花嫁たちは、 それぞれ 三人がかりの力技で 古式ゆかしい花嫁衣装を着付けされた。 身動きするのも ままならない。 昔の花嫁は 体力勝負だったらしい。 様子を見に来た一夜姫が、 斎布のボヤキを聞き咎めた。「今から弱音を吐いてなんとする。 勝負はこれからじゃ。 支度ができたようじゃの。 そなたらは下がってよいぞ」 着付けをした者たちが出てい...
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天州晴神霊記 終章 祝言――1
斎布は、 どん底まで落ち込んだ。 ほんのちょっぴり、 ドキドキしただけだ。 ワクワクにまでならなかった。 苦しいばかりで、 ちっとも楽しくなんかない。 いや、 楽しかったのかもしれないけれど、 訳が分からない。 物語で読むより、 恋は楽じゃない。 その上、 大問題があった。 仕方がなかったとはいえ、 霧呼紐が 意富美に切られて、 バラバラになってしまった。 代わりを作ってもらおうとしたら、 すぐには無理だ...
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あたりまえな日常は 歴史に残らない?
「今日は、 な~んにもありませんでした。 寝ます」 という記事を ブログで時折見かけます。 な~んにもない といっても、 24時間が消えてしまったわけではなく、 その人にとって、 いつもの日常があったはずです。 ただ、 記事にするほど目新しいことが起こらなかった、 という意味であることは 明白な訳です。 ドラマチックな一日ではなかった、 という意味でしょう。 とある 建設関係の老人は言いました。 映画やド...
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天州晴れ神霊記 人こそ見えね
悲恋から起こった戦は 思わぬ余波を生み、 国中に 不穏な空気を撒き散らしました。 星都にまで邪気がはびこるに至り、 事態を変えようとなさった 帝のお計らいをあざ笑うかのように、 さらに、 災難が降りかかり、 かなわぬ恋の恨みから 大内裏が破壊されるに及んで、 天州晴は 暗く沈んでしまったのでございます。 それでも、 その後に起こったかもしれない事態を思えば、 いったい 何ほどの事でございましょう。 それ...
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天州晴れ神霊記 第九章――10
何も起こらなかった。 見れば、 丸太には 一本の紐がぐるぐる巻きになっている。「瓶子からこぼれた水で、 霧呼紐がびしょ濡れになりました。 ちょうどよかったので、 邪気を祓っておきました。 何も残っていませんよ」 斎布が 静かに言う。 意富美は、 祭壇にあった剣を抜き、 一刀のもとに紐を切り落としたが、 煙一筋も出てこない。 斎布が言うとおりだ。 邪気の依り代に使われた丸太は、 ただの焦げた丸太になってい...
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天州晴神霊記 第九章――9
斎布は、 手に触れたものを夢中でつかみ、 仕方なく殴った。 斑は 動かなくなった。「あれ? 何故 こんなものが……」 斎布は、 手にしたものを見て呟いた。 気がつけば、 乱暴を働こうとした男たちは、 目的を果たすことなく、 床の そこかしこに転がっていた。 腕自慢であろうとも、 ごろつきが 四郎五郎と閼伽丸に適うわけがない。 騒々しい足音が、 慌ただしげに近付いてきた。 奥殿の前で止まる。 大勢の神官を引き...
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天州晴神霊記 第九章――8
と、 その時、 開くはずのない扉が 開いた。 火照(ほでり)の剣(つるぎ)を振り下ろした 閼伽丸が、 ゆっくりと開いてゆく扉から 姿を現した。「ばかな!」 驚愕する意富美の前に、 閼伽丸の後ろから、 四郎五郎と 斎布と 志信が現れた。 四郎五郎と閼伽丸は、 すかさず帝を背に庇い、 男たちに立ち塞がった。 斎布と志信は、 奥殿を、 もの珍しそうに奥へと進んだ。「間にあったなあ。 良かった。 斎土様に叱られなくて済...
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天州晴神霊記 第九章――7
その沈黙は、 長くはなかった。 意富美は 公然と顔を上げ、 うつろな目を見据えた。「後戻りは できないのです。 もう一度申し上げる。 陛下は、 天州晴には必要ない。 お気楽に笑っているだけで、 たいしたことはなさっていない」 真正面から弾劾した意富美に、 帝は 真剣なまなざしを向けた。「大神官のくせに、 何も分かっておらぬのだな。 帝の地位にあるとはいえ、 余一人で出来る事には限りがある。 天州晴の何もか...
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天州晴神霊記 第九章――6
「や、 やっちまって、 よ、 よござんすか」 奥殿の中では、 男の一人が ずいと前に出たのを、 意富美が制した。「あわてるな、 斑。 扉は開かぬ。 大神殿の秘儀だ。 手早く終わらせては、 有難味に欠ける。 陛下にお尋ねする。 奇御岳と鬼道門の縁談を、 陛下が取り持ったという話は真ですか」 帝は、 にこりと笑った。「その通りだ。 犬猿の両家が仲良しになれば、 都の不安も消える。 妙案だろ」「まったく、 余計な事ば...
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天州晴神霊記 第九章――5
斎布と志信は、 さっと 二手に分かれてかわし、 後ろから、 尻を蹴り上げたり、 脇腹を突いたりしながら、 ちょこまかと逃げまどった。 幼い頃から、 鳥や獣と一緒になって、 森の中を駆けずり回って育っている。 小回りの良さは 天下一品だ。 神官は、 日頃から修業として体を鍛えている。 体力にも体術にも それなりに自信を持っていた。 しかし、 二人の動きにいらだって、 力ずくでとらえようとしたところを、 もん...
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天州晴神霊記 第九章――4
「阿古屋のことは不憫に思う。 しかし、仇打ちとはやりすぎだ。 余にも思いがけぬ展開だったのだ」 帝は『おっさん』発言を、 聞かなかったことにしてやったようだ。 娘を失った男への気配りだ。 だが、 意富美は、 さらに表情を険しくしただけだった。 取り憑かれたようなかすれた声で、 話すことを止めない。「それだけが理由ではありません。 陛下のような ちゃらんぽらんな方が、 この国の頂に座しておられることに、 ...
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天州晴神霊記 第九章――3
帝は 面白くなさそうに、 口を尖らせた。「大胆な秘儀だな。 余を亡きものにするために、 仕掛けたのか。 はじめの話はどうなった。 阿古屋の恨みを 晴らしてくれるのではなかったのか。 大神官のくせに嘘つきだ」 飄々と応じて、 なじった。「嘘ではありませんぞ。 あれほどに恋焦がれていた娘を、 何故に拒まれた。 迎え入れておられれば、 こんな騒動にはならなかった。 黄泉の国で、 添い遂げられよ」「んーと、 失恋...
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天州晴神霊記 第九章――2
大神殿は 緊張に包まれていた。 ごくひそやかに進んできた行列の到着を待って、 大門の扉が開かれる。 石垣に隔絶された場所は、 都の喧騒を知らぬげに、 静寂が支配していた。 輿から降り立った帝を 大神官が出迎えた。「準備は整いました。 ご案内いたします」 ぞろぞろと後に続こうとしたお供の者たちを、 大神官が制した。「大切な秘儀です。 関係のない者どもが大勢いては、 気が乱れて邪魔になります。 ここから先は...
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天州晴神霊記 第九章 大神殿――1
大神殿から出てきた一行は、 闇夜の中、 二条通りに行きついた。 二四ノ目辻と二五ノ目辻の間にある部分である。 上位の神官らしい貫禄のある人物と、 行燈を下げて 真面目くさった顔をした平の神官。 後ろから、 大男と長身の男が気負いも怯えも無く、 黙々と続いていた。「最終試験だ。 北州神殿からの推薦状にあるように、 まこと妖魔を滅する腕があるかどうか、 確認する。 四郎五郎、 閼伽丸、 用意は良いか」 二人の...