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2013年02月のエントリー一覧

  • 天州晴神霊記の目次

     <天州晴神霊記>  (あまつばるじんりょうき)      天州晴の都 星都は、都大路が五芒星の形になっている。魔を祓う聖なる都だ。   しかし、辺境にちで起きた紛争がこじれ、悲惨な結末を迎えたことから、不穏な空気に包まれた。   とばっちりを受けた領主の姫、斎布(ゆう)が、ごく個人的な理由から、   星都に平穏を取り戻そうと活躍する。          【登場人物紹介】           【...

  • 天州晴神霊記 第一章 妹背川 ――1

     帝の職場は 極光殿(きょっこうでん)。 内裏(だいり)を含む 大内裏の ほぼ中央に位置する。 テキトーにしか見えない勤務態度で、 朝も早よから 仕事をする帝の元にやってきたのは、 侍従を務める 中納言鹿杖(かぜつえ)である。 帝のお気に入りで、 参議の時に目を付けられて、 侍従に抜擢された。 三十歳にもならぬのに中納言とは、 異例の出世である。 帝の寵愛を一身に受けているからには、 美青年かと思えば然(さ)にあら...

  • 天州晴神霊記  序

           海辺の悲話 海辺に近く 領地を治める門多義(もんたぎ)と 喜谷部(きやぶ)の 二家がございました。 過ぎたことのように申しましたのは、 すでに 両家は跡形もなく 廃絶の憂き目に遭ってございます。 両家は 歴史のある旧家で、 勇猛果敢な、 ただならぬ由緒のあるお家柄でございましたが、 両家の間に横たわる 悪しき因縁の深さもまた、 ただならぬものにございました。 隣り合った領地を治めながら、 仲の悪さは...

  • 次回作について

      題名は 「天州晴神霊記」 です。  「あまつばるじんりょうき」 と読んでください。  この作品は、 最初に題名が決まりました。  私にしては珍しいです。  まず、 題名だけが決まりました。 他は五里霧中、 から書き始めました。  歌舞伎とか 文楽とかの演目が、 かっこいいなと思ったのです。  「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」  「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」  「壺坂霊験記(つぼさ...

  • お菓子だよ

      食いしん坊サッチィ改 零式ひーちゃん文庫 のひーちゃに、  私が甘いもの好きだとばれてしまい、 お菓子の記事を書くように とリクエストされました。  食べ物に関して書くのは得意じゃないので、 どうなる事やらです。  珍しいお菓子を食べている訳でもないです。  オーソドックスなものが好き。  というか、 甘けりゃ何でもいい、 というスタンスなので、 作るものも普通です。  シフォンケーキ、 プリン、 ホ...

  • へべれけな人たち  1

     <ありがとうの洪水大作戦>  私鉄の小さな駅から、 二人の若者が吐き出された。  疲れた様子で歩き出す。 「今日は ずいぶん長引いたな」  物慣れた様子の、 いまどきの若者風が言い、 「でも、 面白かった」  おとなしそうな、 ごく普通が答える。  名前は ショウとマサヤ ということにしておこう。  ショウが 「一杯飲んで帰らないか」と、 誘う。 「飲むなら、 駅の反対側に出ればよかったね。 こっちに飲む...

  • 日本てどんな国?

     何年前のことだったろうか。 あるテレビ番組で 、ヨーロッパの小学校を紹介していた。 何処の国だったかは覚えていない。 すまん。 日本についての授業をしていた。 授業が終わったところで、 取材記者が子どもたちに質問をした。「日本は どんな国だと思いますか?」 子どもたちが思い思いに、 返事をする中に、 一人の女の子が答えた。「日本は 大きな国です」 吃驚した。 この子は勉強が足りないな、 と思った日本人も...

  • 泣きわめく子ども  7(完)

     いさ子は号泣した。 廊下の真中で 泣きわめく子を見た級友たちは、 訳も分からずうろたえる。 女子の学級委員が、 皆におされて慰めにかかろうとした。「どうしたの?  大丈夫?」 泣き声が大きくなっただけだった。 困り果てた級友の何人かが、 「先生を呼んでこよう」と 駆けだす頃には、 他の教室からも、 泣き声に驚いた子どもたちが、 ぞくぞくと飛び出してきていた。 ぐるりと取り囲んで、 目を丸くする。 駆けつ...

  • 泣きわめく子ども  6

     恵比の授業は、 三年間の間に 段取りが出来上がっていた。 細かい指示をしなくても、 生徒たちは 段取りに従って動く。 いさ子は、 それが分からず、 たまに うろうろしてしまう。 その日、 国語の授業が新しい章に入った。「読んで、 読めない漢字があったら、 ノートに書きなさい」 いさ子は、 教科書で、 読めない漢字に出会うことがほとんどなかった。 月に一度、 書店から届く、子供向けの文学全集と漫画雑誌の各一冊...

  • 泣きわめく子ども  5

     いさ子は 教科書を開いた。 もらった教科書は、 お下がりとは思えないほど きれいだった。 新品の本を開いた時の感じがしないから、 誰かが使ったのだろうが、 どのページにも癖がなく、 シミ一つ無い。 自分では 絶対に手に入れられない本だと思った。 どんな上級生なのか知らないが、  元の持ち主に、 声をかけられなかったろう という気がした。 授業が始まった。 恵比先生が前よりも勢いよく、 授業を進めていき、 ...

  • 泣きわめく子ども  4

     学校に呼び出されたヒロは、 不機嫌だった。 面倒な事はご免だ。 いさ子が、 呼び出されるような不始末をしたのか という怯えもあった。 嫌々やってきた職員室で、 娘と並んで立つ前に、 バン と音高く教科書が投げ出された。「教科書を手に入れるおつもりが無いようなので、  私が知り合いの上級生に頼んで もらっておきました。 使ってください」 恵比は、 頭から角が生えそうなほどに睨んだ。「分団の上級生にもらいな...

  • 泣きわめく子ども  3

     小学校の敷地には 大きな段差があった。 山を切り崩して建てたのだろう。 真新しい校舎が二棟、 段差を挟んで建っている。 上の段にある 小さめの校舎には、 一年生から三年生までの教室がある。 下の段の 大きめな校舎は、 四年生から六年生までの教室になっている。 共に三階建で、 小さい校舎の一階と 大きい校舎の二階が 渡り廊下でつながれていた。 いさ子は、 大きい校舎に行ったことが、 まだほとんどない。 渡り...

  • 泣きわめく子ども  2

     いさ子が登校する朝になっても、 教科書は手に入っていなかった。 向こう三軒両隣に、 小学生を持つ家庭は無い。 そういう繋がりも無いようだった。 まだ、 近所づきあいを広げる余裕はない。 下の子を入れる幼稚園も探さなくてはならない。 田舎には、 幼稚園なんかはなから無かったから、 ヒロには勝手が分からない。「いさ子、 分団の上級生に頼んで、 教科書を譲ってもらいなさい」 新興住宅地には 様々な人間が集まっ...

  • 泣きわめく子ども  1

     ヒロは 自分の名前が嫌いだった。 マツ、 ウメ、 トヨ、 サト、 カタカナ二文字の名前は、 親戚にも、 近所にも 年寄りしかいない。 古臭い前時代的な名前を 憎んでさえいた。 勝手に子を付け、 寛子という漢字を当てて、 今風に名乗っている。 役所や公的な手続きで必要になる書類は、 全部夫が引き受けているから、 ヒロには何の問題もない。 今回、 夫の仕事の都合で、 雪深い田舎から 大都市の新興住宅地に引っ越すにあ...

  • 教えてください

     「あとがきかもしれないもの」の字が、 一部重なっているというご指摘を頂きました。 まだおかしくなっていますでしょうか。 自分のパソコンでは 分かりません。 そのほかにも 変なところがありましたら、 教えて頂けると助かります。...

  • 記事がだいぶ増えました。嬉しいです。

     昨日の「あとがきかもしれないもの」で324個目の記事になりました。 失敗して消しちゃったのが2個くらいあったような気がしますが、 それを引いても、320個以上はアップしたことになります。 大晦日以外は毎日、なにかしらアップしています。 よくやった自分。 そろそろ毎日はきつくなったかもう。  と弱音を吐いてみる。 時々休むかもしれませんが、よろしくお付き合いくださいませ。 今日はこれだけ。明日から...

  • あとがきかもしれないもの ―― 蜻蛉の願いはキンキラキン

    ピカレスクロマン…… になりませんでしたね。 悪ガキとクソ婆の腹黒珍道中 かな。「蜻蛉に願いはキンキラキン」は 作者が好きなものを 見境なく放り込んであります。 第一章は 落語です。 「壺算」て言いましたかね。 羽織を値切る話です。 後半部だけを さらにひねりましたから、 そんなに分からなかったと思います。 第二章は 小さなイベントです。 運動会、 村祭り、 のど自慢大会、 学園祭ノリです。  替え歌は好きです...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章―12 最終回

     赤い宝珠が 滲むようにかすんでいる。 ゆらりゆらりと瞬きながら、 紅焔草の草原に溶け出すかのごとく 流れて消えた。「ギャーッ、 嘘―。 何で、 何で消えちゃったの」 蜻蛉が ひきつけを起こしそうになっていた。「……あっ」 心当たりがあるらしい声に反応して、 みんなが一郎の顔を見た。「二歳八ヶ月、 今日で九ヶ月……」 やっぱり意味不明な面々が、 視線で一郎を問い詰める。「あっ、 分かった。 365×2+30×9=1...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――11

     小鳥たちが 騒がしくさえずりだした。 星白と一郎が、 音のする方角を見ると、 騒いでいた小鳥たちが、 小さな羽根を広げて いっせいに空に飛び立つ。 小鳥の群れが去ったところから、 真っ赤な草を掻き分けて 蜻蛉が近づいてきていた。 後から 桜と八尺の姿も見える。 蜻蛉は いつものように 四弦琴を背中に負い、 陽気に手を振った。「お待たせー」 待っていた二人の男は、 思わず嘆息する。「来ちゃったのか」「うわあ...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――10

     部屋に戻っても、 クネクネとブツブツは止まらない。「そうだ!  旅の安全は 宝珠にお願いしてあるんだった。 出たとこ勝負でも何とかならないかなあ」「怪我はしないかもしれない。 でも、 勝てるとは限らない。 そもそも、 旅の安全と 自分から吹っかけた決闘と 同じには出来ないだろう。 別物だと思うぞ」 そのくらいのことは、 桜は すでに検討済みだった。「ふにゃ」と 妙な音を出して、 蜻蛉は撃沈した。 クネクネ...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――9

     しばらく歩くうちに 正気に戻ったのか、 蜻蛉が、 ぼさぼさ頭をさらにかき乱した。「うわあ、 あたしもしかして、 えらい事を口走っちゃった?」「どうも、 そのようだ」「うーん、 どうしたら良いんだろう」「まともな戦いで おまえが星白に勝てるとは思えん。 尻尾を巻いて逃げるか」「…………………………嫌だ」 蜻蛉は なおも頭をかきむしりながら、 ぶちぶちと意味不明の呟きを漏らして歩いていたが、 一軒の農家を目にすると、 ...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――8

    「待たせたな。 ここが終点か」 立ち止まった二人の間を、 時ならぬつむじ風が吹きぬけた。「星白君。 君の持っている四つの宝珠をくれ。 そうしたら全部揃う。 それを並べて、 踊る妖精を呼び出し、 あたしが世界を征服するのだ。  わっはっはっは」 蜻蛉の高笑いを耳にして、 星白の表情が引き締まった。「渡せません。 世界が誰かに征服されるなんて認めません。 特に 蜻蛉さんが世界をどうするのかなんて、 考えただけで ...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――7

    「最初に聞いたときは、 こりゃ無理だと思ったが、 あんたなら 世界を救えるかもしれない。 ガンバレや。 少なくとも 俺らは助かった」 石屋は 冗談でもない口ぶりで言った。「なあ、 あの櫓、 よく出来ているから真似して作っても良いだろうか」「もちろんかまいません。 役に立って僕も嬉しいです」 ちょっぴり自信がついた星白は、 にっこり笑った。「また世界を救いに旅立つんだろうが、 この先に草原があってな。 この辺...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――6

    「だろ。 間抜けな感じがして嫌なんだよね。 無理難題とか押し付けてさ、 出来たら くれてやろうじゃないか、 って言いたいわけよ。 そのほうが格好つくし。 でも 思いつかないんだ。 なんか無いか、 無理難題」「うーん。 逆立ちして 三回まわってワンていうのは?」 丈夫で長持ち主婦が、 てきと―に言ってのける。 こんなことで グダグダ長話をされてはかなわない。 さっさと夕飯をすませて欲しい。「簡単に出来ちゃいま...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――5

     宝珠の祈りが効いているのだろう。 一百は 元気なのはもちろん、 びっくりするほど悪運が強くて 怪我一つしない。 父親としては、 娘には無事に育ってほしいのだ。「それは大丈夫です。 一度叶えられたお願いは、 宝珠を手放してもそのままです」 すかさず星白が請合う。「本当なのか。 心配だなあ。 せっかく元気に育っているのに」「あのう、 麻本呂婆王国の南に 広大な砂ばかりの荒地があることは知っていますか」 突然 ...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――4

    「お願いがあって 待たせていただきました」 声を聞きつけて 先ほどの主婦が出てくると、 成り行きを説明した。 家の中に通された星白は、 卵形宝珠のこと、 全部集めようとして旅に出たこと、 いま四つ集まったことを熱心に話し、 最後に こう締めくくった。「世界を救う為に、 是非、 是非、 お手持ちの宝珠を譲ってください。 お願いします」 二人のいかつい男たちは 目を点にした。 そして ゆっくり顔を見合わせ、 なん...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――3

    「宝珠は この家の中にあるみたいです」 星白は 急いで話題を変えた。 蜻蛉の家に 訳も分からず引き寄せられた時は、 まだ慣れていなくて 意味不明でうろついてしまったが、 今なら分かる。 使命感のように湧き上がるこの感じは 宝珠に間違いない。「人様の家だ。 勝手に探すわけにはいくまい。 どうする」「理由を説明して お願いします」「そうか」「ごめんくださーい」 いきなりのお宅訪問となった。 呼びかけに応じて出...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章――2

     ある日のこと、 星白が飼っていた鶏が 産み落としたものを、 卵かけご飯にしようとして、 小鉢が 真っ二つに割れた。 はじめは何だろうと思った。 きれいだったから 机の上に置いて 眺めているだけだった。 何がきっかけだったのかは思い出せないが、 ふと思いついて 卵形宝珠の伝説が書かれた本を調べ、 もしかしたら 宝珠なんじゃないかと思い始めた。 それでもまだ何日かは 眺めて考えるだけだった。 星白だって 男の...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第十章 紅野の決闘――1

     一方、 知恵熱がなんとか治まった星白も、 蜻蛉羽王国を目指して 旅を再開した。 多少知恵のついた星白は、 小さな車輪を付けた台車を作り、 「星白博士の万物考察記全十三巻」を載せ、 紐を付けて引っ張ることにした。 引けない時用に、 背負子のように背負うことも出来る工夫がされている。 山里の村では 材料も 道具も不自由しなかった。 港に着いてみると、 穏やかならざる空気が港町を支配している。 船が海賊に襲わ...

  • 記事の微調整中です

       いらっしゃいませ   テンプレートを替えて、字が大きくなったのは良いんですけど、   画面のバランスがヘンなところができてしまいました。   字の大きさが変わると、印象が違っちゃいますね。   そういうことで、せっせと微調整に励んでいます。   今日は 物語あるいは雑文 の更新をさぼります。   明日は更新できると思います。 たぶん   どちらさまも またのお越しを心より お待ちします。...

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Author:しのぶもじずり
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