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2013年01月のエントリー一覧

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第九章――8

    「あっ、 軽くんたちは降りるの?  あたしは 蜻蛉羽の和平薙(やわなぎ)まで乗っていくんだ」「へえ、 優雅なんだね。 直行便の…… なんて言ったっけ…… あっ 「ランランかもめ丸」じゃなくて、 わざわざ遠回りして この船で行くなんて。 じゃあ、 お別れだね」「うん、 残念だ」 瞬く間に海鳥の姿が増え、 「田板十八号」は 港に入っていった。 港には 真菰国と真砂州の旗が海風にハタハタと翻っている。 確かに逆戻りしてし...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第九章――7

     そうこうしているうちに 船員たちが駆けつけ、 悪党どもは摑まって、 港に着くまで 船倉の小部屋に閉じ込めておくことになった。 痲本呂婆からの使者というのは、 真っ赤な嘘だと判明した。 泥棒を捕まえたお礼にと、 蜻蛉は空いてしまった一等船室を提供され、 もう 入道雲でごまかさなくても 上甲板に上がれる身分に昇格した。 飛早戈(ひそか)と軽彦の兄弟とも 仲良しになった。 二人は 修行の旅をしているらしい。 道理...

  • 犬派のねこまんま 25である     byねこじゃらし

    <期間限定長距離走者> 犬はよろこび  庭 かけまわり 有名な 歌の文句である。 吾輩は 犬派ではあるが、 犬ではないから、 雪の降る寒い日には、 暖かい場所で 丸くなっていたいものだ。 しかし、 これでも 子どもの頃は、 風の子だったこともある。 北風をものともせずに、 走ったものさ。 さらに、 一時期、 長距離走が ほどほどに得意だったこともあるのだ。 我ながら 不思議だ。 なぜならば、 短距離走は めちゃめ...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第九章――6

     蜻蛉の ざっくりした説明を どういうわけか あっさり了解して、 軽彦の兄が 扉を叩きながら船室に向かって声をあげた。 が、 なかなか音沙汰が無い。 居ないのかと半ば諦めかけたとき、 扉が細く開いて 男が顔を覗かせた。 一見、 強面(こわもて)の役人風である。 蜻蛉は、 かまわず 部屋の中に押し入った。「何者だ。 我らを痲本呂婆からの使者と知っての狼藉(ろうぜき)か」 奥に居た初老の男が 眉をひそめ、 偉そう...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第九章――5

    「ああ――っ、 大入道!!!」 突如 桜が大声をあげて、彼方を指差した。「ええっ?  ど、 何処ですか」 船員は 驚いて指差された方向を、 及び腰で睨んだ。「…………………… 雲」「えっ?」「だから、 大きい入道雲だ。 あんなに見事な雲は 初めて見た」「…… う……、 そうですか。 普通の入道雲にしか見えませんが」 もちろん、 その隙に 蜻蛉が上甲板に上がり、 宝珠のありかを目指す。 めったに発動することがないが、 お得意の連...

  • 蜻蛉ん願いはキンキラキン 第九章――4

    「船に乗るまでは確かにあったんだろうな。  はしゃいで 海に落したりしていないだろうな」「間違いなく ここに来るまであった。 四つあると重いから 無くなれば気がつく。 盗まれたんだ。 ゲロゲロしていた時 背中を擦ってくれた人がいて、 親切な人だと思ってたが、  きっとあいつだ」 二人の騒ぎが聞こえたのか、 他の乗客も 自分の荷物を確かめたようだ。「あっ、 財布が無い!」 という声が 他のあちこちから聞こえてき...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第九章――3

     蜻蛉は まだぐったりと転がっていた。 まるで トドの昼寝だ。 桜は、 せっかくだからと甲板に出てみることにした。 入れ替わりに 船室に戻る人がいる。 真新しい白い帆と船体も 夕陽の色に染められ、 風を切って 勢いよく進む船上から眺める風景は 見事だった。 水平線に口付けをする真っ赤な夕陽が、 空一面に炎の色を撒き散らし、 遠ざかる陸地も 橙色に輝いて別世界のように見える。「あれ?  夕陽に向かっているよう...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第九章――2

    「ふん、 でも初めて船に乗るなら、  出来るだけ大きいほうが 揺れも少なくて いいかもしれないな」 潮の満ち引きと風の様子から、  出航は 夕方になると言われたが、 蜻蛉ははしゃいでしまい、 停泊しているうちから乗り込んで、 甲板から手を振ったり 海に叫んだりしていた。「海の馬鹿やろう!」 青春である。 そのせいで、  出航する頃には 真っ青な顔色をした、 見事な船酔い患者が出来上がることになった。 船底の三...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第九章 田板ニック……もとい、十八号――1

    「うわあ、 海だ。 港だ。 船だあ」 蜻蛉は、 初体験に雄叫びを上げた。「海は 広くて大きいとは聞いていたけど、 こんだけでかいとは想像以上だ。 ぶっ飛んだ。 いいなあ。 爽快な気分だ」 港町の小高い高台から 眼下に港を眺め、 蜻蛉は両手を広げて深呼吸をした。 港には 大小の船が係留され、 緩やかに浮き沈みを繰り返していた。 雨の季節が終わって、 はるばる遠路を来た二人の目の前には、 青々と晴れ渡った空に海鳥...

  • NHKについて考えてみた

     近頃は NHKを見ることが多くなった。 民放は 手抜きをしているような番組ばかりが目につくことに引き換え、 NHKの番組が面白い。 昨年だったと思うが、 東日本大震災報道の総括をした番組で、 いち早くSPEEDIの開示請求をしたが、 拒否られ、 近辺の住人に 外出しないよう呼び掛けるのが精いっぱいだった。 前もってSPEEDIに接続できるようにしておくべきだった と反省している、 とか言っていた。 なる...

  • テンプレートを替えてみました

     字が大きめのテンプレートに替えてみました。 私自身がまだ慣れなくて、ちょっと勝手が違いますが、 読みやすくなってますでしょうか。 自分でカスタマイズができるようになれば良いのでしょうが、 道は遠いようです。 これでしばらくやってみて、慣れなかったらまた替えるかもです。...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――12

     黄色宝珠は、 祠の裏、 野良犬の戦利品を蓄えた穴に埋っていた。 黄色い犬との決闘に勝利を収めた蜻蛉が、 穴を掘ると、 村の各所から盗んできたらしい 雑多なガラクタで 埋め尽くされていた。 邪魔だとばかりに放り投げたのだ。 村長の死因には、 確実に 蜻蛉も一枚かんでいた。 眞に不幸な偶然の重なりといえよう。 悪気のない行為と、 ささやかな善意が、 人を殺すこともあるのだった。(世界を救うのは、 もしかしたら...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――11

     お勝は さらに続けた。「いくら言っても薬は飲まんかったで、  わたしがこっそり 心臓に良い薬草を青汁に混ぜたったがや。 毎日飲んどるで、 近頃は元気になっとったのに…… う、 うう」 またもや泣き出すお勝。 忙しい婆さんである。「ほうかね。 お勝さんも青汁に入れとったがや。 わしも ゆんべ思いついたで、 今日はこっそり入れたがや」 村人の一人が、  慰めるように、 うんうんとうなずきながら お勝の背をさすった...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――10

    「今から探しに行っても、 間に合わせんわ。  ここにおる人間で、 やり繰りしよまい。 そこのよれよれの兄ちゃん。 あんたでええわ。 名探偵やってちょ」 いきなり指名されて、 星白は 吃驚仰天した。「何を言っているのか よく分かりませんが、 ひょっとして、 ぼ、 僕が…… 名探偵?  にならなきゃいけないんですか?  やった事がないですぅ。 そんなこと」 よれよれ具合に磨きがかかった。「青汁に毒が入っとると言い出...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――9

     何事かと声のした方に進んでいくと、  同じく聞きつけた星白と一郎もやってきた。 数少ないながら 村人たちも、 あちらこちらから集まってきた。「村長に 何がありゃーした」「どえりゃあ声がしたがや」 村人たちの声からすると、  村長の家らしい普通の小屋に、 集まった人たちが入っていく。 四人も興味を引かれて 覗き込んだ。 中にいた 年配の女性がおろおろしていた。 手伝いに来ていた隣のばあさんだ。「死んでまっ...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――8

    「ったく。 桜さんひどい」 ぶつぶつ文句を言いながらも、 お腹がすいていて、 うっかり 粗末なおにぎりを手に入れたバカになりそうだったことは、 絶対に伏せておこう と硬く決心する蜻蛉だった。 桜の心配は、 的外れではなかった。 無事に 二つ目の『導きたまえ』を解除することに成功した蜻蛉は、 得意そうな顔で、 黄色宝珠を見せた。 桜は、 男たちが来る前にと、 急いで 全ての宝珠にお札を貼り、 蜻蛉に返した。「...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――7

    「わたしが探してこよう。 二人は食事をしていなさい」 桜のあまりに珍しいせりふに、 星白と一郎は、 見開いた目を見合わせた。「それなら 僕が探しに行きます」「わたしも 可愛い蜻蛉ちゃんが心配だ。 探すでござる」 二人とも 何が起きているのかさっぱり理解できないながら、 一歩も引かない。 桜が止めようとしたが 無駄だった。 三人での大捜索が始まってしまった。 何処を探せばいいのか判断もつかないまま、 皆で小屋...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――6

    「魚は せわしなく返しては駄目だ。 片側が焼けるまでじっくりと待ち、 機を逃さずひっくり返して もう片側をじっくり焼くと、  形も崩れず美味い。『動かざること山の如し』大局を見据えて あわてない王様がいい。 反対に、 餅はこまめに動かし、  焼き加減を頻繁に見ながら せわしなく焼くと ふっくら出来る。 腹を空かせて 早くありつきたい乞食に焼かせると ちょうどいい。『根ものは水から、 葉ものは湯から』というのは...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――5

    「桜さん、 えげつない」「なあにを言っとる。 これくらいしないと また先を越されるぞ。 星白たちは任せておけ」 蜻蛉が出かけてしまうと、 桜は手ぐすねをひいた。 男二人をこき使って 小屋の中を掃除させる。 さっきのおばちゃんが、 言ったとおりに 米と野菜を持ってきた。  調味料と卵なんかもある。「少にやぁけど、 これで何とかしてくりゃぁせ。 安くしといたるがや」 しっかり手を出した。(金を取るんかい) 桜は...

  • マル子とペケ子のお正月

    「あけましておめでとうございます。 本年もよろしくね」 ペケ子の家に 新年のあいさつに来たマル子は、 明らかに 大掃除をさぼったに違いない部屋を見て、 軽くため息をついた。「おや、 いらっしゃい。 あけおめ、 ことよろ」 挨拶の言葉は、 片付きすぎである。「お正月になると、 日本人なんだなあって しみじみ感じます。 初詣、 おせち、 お雑煮、 すごろく、 福笑い、 カルタ取り、 良いわあ」「それ 全部やったの?」...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――4

     さらに歩いてたどり着いたのは、 寂れた小さな村だった。 低い山々がボコボコと連なり、 平地が少ない上に 交通の便も悪い 辺鄙な場所だ。 それでも、 わずかな隙間に 古くて小さな小屋がいくつか見えるが、  無人なのか 傾きかけたものさえある。 その中でも いくらかマシに見える小屋に 近づいてみることにした。 へろへろになった星白も 何とか追いつく。 ウウーッ、 突然物陰から不穏な唸り声がした。 姿を現したのは...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――3

    「星白は 虚弱体質なのか。 知らなかったなあ。 よし、 元気が出るように、 音楽で励まそう」 蜻蛉は 久しぶりに背中から四弦琴を下ろし、 弾き始めた。 おまえのせいだとは、 三人ともツッコミ損なった。 雨上がりの公園に 四弦琴の音が流れる。 木々の葉に溜まった雫が キラリと光って落ちた。 三々五々に人が足を止めはじめ、 気がつくと いつの間にか人々が集まって耳を傾けていた。 演奏を終えた時には、 結構な小銭を...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章――2

     「おんなじ名前だね。 すごい すごい、 博士だって」 客が少なくて 閑そうにしていた販売員が 声をかけてきた。「それは百年くらい前の トンデモ本ですね。 縁者の子孫が大金持ちの貴族で、 復刻して作らせた物なんですが、 あんまりとんでもない内容なので 売れてません。 ……しまった、 あ、 いや、 だから 持っている人が少ないので貴重ですよ」 うっかりしているわりには、 しぶとい販売戦略で押してくる。「どんなこと...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第八章 黄色い犬――1

     星白が 次にビシッと指差したのは、 麻本呂婆王国の南西。 もちろん、 蜻蛉と桜も もれなく付いて行くつもりだ。 情熱を傾けた穴掘りの疲れを癒すために、 一日休んで出発しようとしている時に、 ちょっとした事件がおきた。 球根泥棒が出た。 畑をほじっているところを、 蜻蛉が そうとは知らずに声をかけ、 あせった泥棒は、 居直り球根強盗に変じた。 刃物を振り回して暴れる強盗を、 駆けつけた一郎と星白が取り押さ...

  • 犬派のねこまんま その24     byねこじゃらし

    <ノリちゃん> 豪雪地帯の次に住んだのは 都会の住宅地 だった。 冬は、 雪が降らない分空っ風が寒く、 夏は うだるように暑い。 吾輩が小学四年生の、 ある日曜日のことだった。 一家そろって 街まで買い物に行き、 自宅に帰りついて 窓を開け放った時である。 小鳥 が飛び込んできた。「窓とドアを閉めろ!」 父が叫び、 反射的に 母と姉妹は慌てて従った。 父がうれしそうに捕まえてみれば、 小鳥は 文鳥 だった。 さ...

  • アムステルダムの光芒その2

     1月4日【アムステルダムの光芒】について書いた記事の最後に、 あと二行 書いていたのですが、 実は、 掲載前に消したのでした。 それが、 コレです。『直接の先祖はもちろん、 日本で生きた全ての先人たちの歩いてきた道の先に 今の日本があります。 罪ばかりしか知らないのは不幸です』「罪」という言葉に、 抵抗を感じたのでした。 そうです。  つい書いてしまうほどに、 社会科の授業で 罪悪感を植えつけられていまし...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第七章――11

    「村に戻って 鬱金香作りを続けるのか」 蜻蛉が 田吾作に聞いた。「分かりません。 なんか 気が抜けてしまって」「あれっ、 訛ってない」「長い間 ここを離れていましたからね。 相手が訛っていると、 こっちもつい訛が出てしまいますが、 そうでなければ出てきません。 それが 少し寂しいです」「じゃあ、 これからどうするんだ」「どうしようかなあ。 わたしは絵を描くのが下手なんですよ。  動物を描いても 犬やら猫やらも...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第七章――10

     いつも堂々としている権兵衛が、 珍しく 自信無さそうに返答に困っていると、 こっそり逃げ出そうとしている男がいた。 権兵衛の家の作男だ。「おい、 こら、 どこさ行くだ」 いつの間に来ていたのか、 黒ずくめの自称絵描きが、 作男の襟首を捕まえて怒鳴った。「おらあ、 知んねえ。  旦那に言われて 鬱金香様運びを手伝っただけだ。 あとは何にも知んねえ。 勘弁してけろ」 作男の告白に 騒然となった。「どういうこっ...

  • アムステルダムの光芒【照らされた日本の誇り】

    「なきにしもあらず」というブログに紹介されていたアムステルダムの光芒【照らされた日本の誇り】 というのを you tubeで見ました。 平成三年  日本の傷痍軍人会代表が、 大東亜戦争の対戦国であったオランダを訪問しました折、 同国の傷痍軍人会代表とともに 首都アムステルダム市長主催のパーティーに招待されました。 その時のアムステルダム市長 エドゥアルト・ヴァン・ティン(Eduard van thijn)氏の 歓迎の挨拶です。...

  • 蜻蛉の願いはキンキラキン 第七章――9

     蜻蛉にしても、 こんな重い物を手に入れたところで 処分に困る。 お礼をくれるというなら そのほうがいい。 承諾した。 神社に安置された黄金の女神像は、 しかし 場違いな感じを否めない。 本来、 神の姿を人間に似せて偶像を作るのは 邪道である。 鬱金香景気で突然金が入ってしまった村では、 使い道が分からずにうろたえた。 古くなった家を建て替え、  役場や商人宿やらの施設を新しく立派にし、  警邏の人員を増や...

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