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カテゴリ:姫様爆走中のエントリー一覧

  • 短編なのにあとがき

      秘境 九十谷(くそや)が舞台です。 領地のほとんどが急峻な山と渓谷です。 その渓谷は 九十谷(くそだに)と呼ばれています。 ほとんどの方は覚えていないでしょうけど、 この地名は、 過去の作品に一度登場しています。 そうです。 過去作品よりも 時代が少し下っていますが、 その九十谷です。 九十谷を舞台に書いたら、 こうなりました。 私自身は 真面目で小心な常識人なので、 丙姫たちが どこまで面白く書けたか ち...

  • 姫様爆走中 9(完)

     さて、 夕闇が降りると、 甲姫と平蔵の祝言が始まった。 めでたく固めの盃も済み、 祝辞が述べられ、 いよいよ宴席となった。 まずは 重臣の一人が 祝いの舞いを舞った。 毎度おなじみの演目である。 バカの一つ覚えともいう。 当人は、 これが無ければ宴席が始まらぬ と固く信じている。 和やかなうちに 祝い膳が次々と運ばれ、 ありがちな出し物が 二つ三つと進んでいき、 ほどよく酔いも回り始めた頃、 南蛮渡来の巨大...

  • 姫様爆走中 8

     しかしながら、 ついて行くのがやっとの状況では、 凶悪犯にとって 分が悪い。「おい、 娘」 立ち止らせようと声をかけたその時、 怖ろしいまでの音痴が男を襲った。 しかも、 信じられない大声である。「うわああああああ――」 腰を抜かした。 その後のことは、 何がどうなったのか分からない。 我に返ってみれば、 匕首は取り上げられ、 投げ飛ばされ、 がんじがらめに縛り上げられていた。 身動き一つできない。 耳を...

  • 姫様爆走中 7

    「うん、 暑気払いにもなるであろう。 疲れた時は、 その酸っぱさが ちょうど良い」 涼しい顔で、 さらに二三本差し出す丙姫を、 睨む気力もない。(ぜーったい、 城に着いたらぶち殺す。 ぼっこぼこにして、 切り刻んでやる) 頭の中では 威勢の良い罵詈雑言を連発している口に、 丙姫が、 親切にも 草の茎を突っ込んだ。 なさけなく顔をしかめて 草を齧らされる山田屋だった。 もはや 周囲の観察どころではない。 すぐだ...

  • 姫様爆走中 6

     凶悪犯も、 山地に慣れない人間にしては よくやったと言うべきであろう。 ゆっくりではあったが、 着実に城に近づいて行ったのであった。 しかし、 丙姫は 男の頑張りを認めない。 丙姫にも都合がある。「もう少し ちゃっちゃと進めぬものか。 発声練習をしなくてはならぬのじゃ」 苦情を言いながら 振り向いた時であった。 ぐーっ、 という音が高らかになった。 山田屋太郎(偽名)の 腹の虫である。「おお、 空腹なのか...

  • 姫様爆走中 5

    「……道か。 おまえが進んで行けるところが道だ」 丙姫は きっぱりと言ってのけた。「ちっ、 思想的な意味とか 哲学的な意味を聞いているんじゃない。 そういうのは嫌いなんだ。 具体的 かつ役に立つ答えが欲しいんで。 さっさと教えてくれないかなあ」 人を食ったような答えに業を煮やしたのか、 男は、 隠したつもりの正体をさらけ出す。 目つきを鋭くして、 居丈高な態度に出た。「これ以上ないほど具体的な答えなのじゃ...

  • 姫様爆走中 4

     狭い領地である上に、 険しい山と谷しかない。 よそ者が入り込める場所は 限られる。 丙姫の指摘に 間違いはない。 丙姫は、 怒濤のように駆け抜けて、 思い当たる場所に行ってみた。 だが、 人影はない。 特技を生かし、 さらに野性に戻って、気配を探っても、 何も感じられない。「手間のかかる凶悪犯じゃ。 さっさと捕まりに来ぬか」 凶悪犯は、 意外にも険しい山に慣れた人間なのかも、 とは考えない。 まだ たどり着...

  • 姫様爆走中 3

     気づかれるほど近くに行かなくても 盗み聞きができる能力を生かして、 すっかり事情を把握した丙姫は、 敢然として立ち上がった。「けしからん」「何が起こったのですか。 私たちにも教えてくださいな」「気になりますう」 小梅と小菊にせがまれて、 丙姫は 気前よく盗み聞きの成果を披露した。「各地を荒らしまわっておった凶悪犯が、 役人に追われ、 我らが領地に逃げ込んだらしい」「きゃあ、 こわ~い」「甲姫様の門出だ...

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