カテゴリ:マル子とペケ子のエントリー一覧
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マル子とペケ子の茶飲み話
「ゴールデンウイークこんにちは。 ペケ子さんは どうせ自宅待機でしょうと思って、 遊びにきて上げました」 マル子がペケ子のボロアパートに来た。 「そう言うマル子も暇なのかな?」 「予定はありますよ。幼児教育の勉強会がありますから。 でもほら、ペケ子さんの友達は私しか居ないでしょうし」 「失敬だな。大切な友達が居る」 ペケ子は胸を張る。 「それは良かった」 「テレビ君だ」 ペケ子が指差すところに、...
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マルペケ問答 イソップ編
「明けましておめでとうございます。 旧年中は大してお世話になりませんでしたが、 縁起物でしょうから、とりあえず」 ペケ子の部屋に、マル子がやってきた。 「いらっしゃ〜い」 ペケ子は今年も寝正月である。 めんどくさそうに起き上がって、マル子を招き入れた。 手みやげのケーキを素早く手に入れて、お愛想を言う。 「昔話の読み聞かせは上手くいってるの?」 せっせとケーキを並べて、フォークを握り、臨戦態勢だ...
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マルペケ問答 お父さんたちのゲーム
「あけまして おめでとうございます」 マル子は 元気にあいさつした。「だいぶ過ぎてるけどね。 手土産は?」 ペケ子は、 ボサボサ頭を掻きながら、 手を出した。 その手に みかんがいくつか載せられた。「なあんだ。 正月の残り物か」「いいえ、 もらいものです。 ペケ子さんは、 お正月は何処かに行ったんですか」「何処にも」「なんとなく、 そんな気がしてました。 寝正月ですね」 マル子は、 ひとつうなずいて、 さらり...
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マル子とペケ子のおとぎ話問答 カチカチ山編
「こんにちは。 ペケ子さん、 生きてますか」 マル子が久しぶりに、 ひょっこりと顔を出した。「おっとどっこい、 生きてるよ。 死人の私に用があったなら、 お生憎さまだけどね」 逆襲されて、 マル子はパタパタと手を振った。「ちがいますよ~。 久しぶりの挨拶ですってば」 あわてて 手土産に用意した煎餅を渡すマル子だったが、 ペケ子は いつもよりも不機嫌そうだ。「あらやだ、 そんなにデリケートでし...
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マル子とペケ子のお正月
「あけましておめでとうございます。 本年もよろしくね」 ペケ子の家に 新年のあいさつに来たマル子は、 明らかに 大掃除をさぼったに違いない部屋を見て、 軽くため息をついた。「おや、 いらっしゃい。 あけおめ、 ことよろ」 挨拶の言葉は、 片付きすぎである。「お正月になると、 日本人なんだなあって しみじみ感じます。 初詣、 おせち、 お雑煮、 すごろく、 福笑い、 カルタ取り、 良いわあ」「それ 全部やったの?」...
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マル子とペケ子のおとぎ話問答 一寸法師編
正体不明のペケ子が住む、 ゴミ溜めの如きボロアパートに、 幼稚園のせんせいをしているマル子が また来た。「浦島太郎は止めました。 一寸法師に変更します」 数日前、 ペケ子の話を聞いて、 イメージが ガラガラと音を立てて崩れてしまった。 子どもたちに 日本昔話を読み聞かせようとしていたのだが、 浦島太郎が金持ちの筋肉男では 乙姫様が心配だ。 つい余計な事を考えて、 読み聞かせる自信が無くなったのだ。「ふう...
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マル子とペケ子のおとぎ話問答 浦島太郎編
ペケ子のボロアパートの ごみ溜めの如き部屋に、 ある日 マル子がやって来た。 近所の飲み屋で、 酔っぱらい同士として 偶然知り合った二人は、 飲み屋から遠ざかってからも、 たまに行き来をする付き合いが ズルズルと続いている。 友人なのかというと、 互いに微妙である。 知り合いに毛が生えた程度というところか。 マル子は 幼稚園の先生をしている。 ペケ子は 正体不明である。 マル子が言った。「子どもたちに、 ...